課長になったらクビにはならない 日本型雇用におけるキャリア成功の秘訣

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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022507457

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  • 課長という中間管理職になり、スキルが身についている実感も失われ、社内調整に奔走する日々。自分は会社の役に立っているのか?と思ったときに浮かぶ「リストラ」という言葉。そうして「転職」を考える課長もいるとは思うが、そんなあなたはとっても会社の役に立っています。ということを教えてくれる本。

    本質的には、副題にも書いてあったとおり、この本では転職エージェントの第一線にいる人から見た「日本型雇用におけるキャリア成功の秘訣」を説いている。

    結論を書けば「目の前の仕事を頑張るだけでいいんじゃないんですか?」ということ。

    本の内容としては、日本の課長までのキャリアをアメリカとの比較の中できちんと書き表してくれています。ただしここで重要なのはアメリカのキャリアも本質的な違いはないということを指摘してくれているところです。
    その上で35歳までの転職は日本においても一般的になっているが、35歳までにどこかの会社の課長になって、その後転職しないというのが望ましいキャリアではないかということ。

    そして給与・人事の実態を事細かく分析し、その上で「目の前の仕事に励むこと」の大事さを強調します。

    最後には「リーダーの種なし」という学術的な分析から、経験こそが大事で謙虚に学んでいけということで締めくくっている。

    個人的に好きなのはあとがきが要点だけ押さえてよくまとまっており、さらに決して分析から得られたものではないが、スティーブ・ジョブズの有名な演説から「stay foolith, stay hungry」(馬鹿になれ、そして汗をかけ)という言葉を読者に送ってくれる。

    まったくもってその通りだなぁと色々と納得。

著者プロフィール

雇用ジャーナリスト、経済産業研究所コア研究員、人材・経営誌『HRmics』編集長、ニッチモ代表取締役、リクルートキャリア社フェロー(特別研究員)。
1964年、東京生まれ、大手メーカーを経て、リクルート人材センター(リクルートエージェント→リクルートキャリアに社名変更)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計などに携わる。その後、リクルートワークス研究所にて「Works」編集長に。2008年、人事コンサルティング会社「ニッチモ」を立ち上げる。『エンゼルバンク─ドラゴン桜外伝』(「モーニング」連載)の主人公、海老沢康生のモデル。
主な著書に、『「AIで仕事がなくなる」論のウソ』(イースト・プレス)、『雇用の常識「本当に見えるウソ」』(ちくま文庫)、『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』(小学館文庫)、『仕事をしたつもり』(星海社新書)、『女子のキャリア』(ちくまプリマー新書)、『無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論』『経済ってこうなってるんだ教室』(ともにプレジデント社)など。

「2018年 『名著17冊の著者との往復書簡で読み解く 人事の成り立ち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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