ことり屋おけい探鳥双紙

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 215
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022511812

感想・レビュー・書評

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  • 朝顔、薬草と植物が続いたので、今度の作品が「鳥」がメインとはやられた。

    九官鳥の月丸、なにげにいい味だしているね。
    あと、途中ででてきたダルマインコの太助が、女の子の名前をいいだしたせいで、とんでもない事件に発展して、飼い主が太助に別の言葉を必死で教えているという、話には思わず笑ってしまった。

    最後の永瀬さんとおけいさんの恋模様と、羽吉の行方が
    あかされるあたり、なんかせつない。

  • 失踪した夫を待ちながら飼鳥屋を守るおけいの元に持ち込まれる「謎」
    九官鳥の月丸が◎

  • 飼鳥屋を営みながら行方知れずの夫の帰りを待つ女性が主人公の7編の連作短編集。鳥を巡る大小様々な出来事の謎を解き明かしていく。
    全編通して、寂しさと優しさが溢れている。切なく胸が締め付けられても、ふわり優しく包まれる感じがする。
    主人公おけいを気遣う馬琴や同心など脇を固める人たちが固い。
    おけいが幸せになりますように。

  • しっかり者のおけいのところにちょっとした事件がもちこまれる、短編集。行方知れずの夫とのことは切ないけれど、実生活でカナリアの繁殖をしていたといわれる馬琴や、同心が力を貸して、物語を盛り上げています。
    江戸時代、飼い鳥を商う商売があることは知っていたけれど、こういうふうなのかと思いながら読みました。

  • 幻の青い鷺を探しに行って行方不明になった夫を待ちながら、小鳥屋を守るおけいが主役の連作短編集。
    江戸時代に小鳥を商う店というのが面白い。
    謎解き話としてはわりと普通だが、語り口がいいしおけいの繊細な心情がスルリと入ってきて、ほっこりしてよかった。

  • 【収録作品】第一羽 かごのとり/第二羽 まよいどり/第三羽 魂迎えの鳥/第四羽 闇夜の白烏/第五羽 椋鳥の親子/第六羽 五位の光/第七羽 うそぶき
     筋立てはありがちながら、「ことり屋」という商売にしたところに興がある。

  • 江戸時代、鳥を商い暮らす人がいた。
    行方知れずの夫を待つ寂しさが
    物語の中心を走りながらも
    優しく、上品な女性が魅力的。
    結末は悲しかったけど、希望の光を
    ほわりと想像させてくれた終わり方が上手い。

  • L ことり屋おけい探鳥双紙

    江戸の飼鳥屋が舞台。そういえば数ある店の中でも鳥屋を題材としたものには出会ったことがなかったな。
    おけいは鳥を販売する女店主。夫は三年前に珍しい鷺を探しに信濃に行ったきり行方知らず。
    夫の帰りを信じ懸命に鳥の世話をするおけい。
    販売した鳥たちのその後や客にからんで事件勃発。さらに事件がらみで八丁堀の旦那が現れ、夫がいない寂しさを埋めるかのようにおけいの心に住み着く。
    夫と武家の役人、戯作者の滝沢馬琴も相まって話が進んでいく。
    夫とのことはけじめがつけられたけど、まだ話の振り幅あるなー。

  • 胸の光る鷺を探して旅立った夫を待ち、稼業の鳥屋を営む女房さんの話。
    カナリアがカナリアなのが気になったのですが、やはりカナリアだったのでしょうか?
    オウムはバタンだとか書いてありましたが。

    まあ、アレですよね。
    谷なり滝壺なり、ありがちな話ですよね。

  • 江戸の町が舞台。飼鳥屋を営む「おけい」という女性の物語。

    元は夫婦ふたりで営んでいた飼鳥屋だったが、おけいの夫である羽吉は3年前に旗本からの要請を受けて、胸元が青く光る鷺(さぎ)を捕らえに旅に出、そのまま行方知らずとなってしまった。

    おけいはひとりで立派にこの飼鳥屋を切り盛りし、羽吉が戻ってくるのを信じて待つ。




    日々の飼鳥への世話の描写などは、取材だけではなく、もしかして作者の方は実際に鳥を飼育した経験があるのでは?とも感じられました。
    また、物語のなかに出てきますが、江戸時代には「花鳥茶屋」という今でいう花鳥園のような施設もあったようです。
    江戸時代の飼鳥事情がよく分かり、鳥好きな人ならとても興味深く読み進めることができると思います。

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著者プロフィール

東京生まれ。フリーランスライターの傍ら小説執筆を開始、2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞を受賞。08年には『一朝の夢』で松本清張賞を受賞し、単行本デビューする。以後、時代小説の旗手として多くの読者の支持を得る。15年刊行の『ヨイ豊』で直木賞候補となり注目を集める。近著に『葵の月』『五弁の秋花』『北斎まんだら』など。

「2023年 『三年長屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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