クレイジー・フォー・ラビット

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 256
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022517654

感想・レビュー・書評

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  • 私の中で、奥田亜希子さん2作品目。

    各章ごとに、主人公が成長していっていて、おそらく私と同世代。其々に起こる実際のニュースや流行にも似たような関わり方をしていて、あー、そんなこともあったなぁと思いながら読んだ。
    「求めよ、さらば」でゾワゾワさせられたミクシィにまた出会わされる笑

    けど、本の半分、高校までくらいかなぁ、自分の記憶が曖昧な頃の話はなぜか全部夢の中みたいでフワフワしてつかめなくて、何の話を読んでるんだったっけと、浮いていた。
    大学くらいから、ああ、そうかと思えるようになって、それまでのことも不思議とつながった。
    だから最後まで一気に読めるときに読んで良かったかもしれない。

    女子のあるあるだよなー。人間関係小さいことで悩んだり壊れたり修復したりする。
    みんな似たようなこと経験して大人になったんだろうな。全部を打ち明けることはないけど。
    勝手に被害者になった気分でいることのほうが多いよね。いいことなんてないのに。

    最後、母親になったときの話が救いがあって良かった。ここでもママ友とかでグダグダなってたら辛かったから。

  • 友達であることの難しさ。それはただ1人誰かとの関係性ではなく、各年代での自分の周りにいてくれる友達たちとの間で紡がれる空気感そのもののこと。きっとたぶん恋愛よりも難しくって儚くて、その寂しさと切なさをどうしようもできず、わたしたちはあの日に戻ってウサギを抱く。
    あのころのわたしたちも、愛衣のような特別な感覚を持っていたのかもしれない、忘れてしまっただけで。

  • 友だちってなんだろね?
    小学生や中学生の頃なら、一緒に行動する仲間ということかな? 年齢を重ねるほど、行動を共にということはしなく(できなく)なるのにねぇ。
    自分が納得できればいてもいなくてもいいんじゃない?

  • 友達になる相手は案外自分では選べない

    今は友達ではないかもしれないけれど
    いつか友達になるかもしれない誰か

    誰とだっていつかは友達になるかもしれない

    学生時代の友人関係でのモヤモヤ
    大きないじめとかではなくても
    沢山の悩みや悲しみ、不安があったなぁ
    と読みながら思った

    この連作短編集
    小学生だった亜衣が
    中学、高校、大学、主婦
    になった時の物語

    私自身よりも主人公は年下だけれど
    その当時も思い出してセンチメンタルな気分になった

  • 事件と年代の重ね合わせがリアル

  • +++
    愛衣は隠しごとの「匂い」を感じる。そのため人間関係が築きにくい。小中高大、そして30歳を過ぎてからの五つの年代を切りとり、その時々の友情の変化と当時の事件を絡めながら、著者の育った年代に即した女性の成長を描く連作短編。
    +++

    隠しごとの「匂い」を実際に感じてしまうという特性を持つ愛衣を主人公にして、その人生の部分部分を切り取って物語ができているが、人とちょっと違った特性がなかったとしても、誰にでも起こり得る事々が繊細に描かれていて、たぶん誰もがどこかに共感するのではないかと思う。なにか具体的な解決策が示されているわけではないのだが、読み終えると、なんとなく、自分の話を聴いてもらったような満足感を得られるのが不思議である。胸にじわじわしみ込んでくる一冊だった。

  • 主人公の小学生〜母になるまでのストーリーで平成初期あたりの世代の女子が読めば、あぁたしかにあの頃こんなことがあった、こんなものが流行っていたなぁと人生をなぞるように楽しめるとは思います。本編では権利関係?か名前を伏せられているアイドルたちもだいたいなんのことを言っているかわかります笑

    読み始める前に期待したほど、ストーリーに深みがなかった、主人公や周りのキャラを好きになったり共感して読んだりすることができなかったので評価は低めです。


    まだガラケーの時代の、メールアドレスを頻繁に変える子いたなぁとか当時を懐かしくあるある、と思うシーンはたくさんあったのですけれど…

  • タイトルと表紙に惹かれて手に取りました。

    細かい描写が丁寧に書かれていて、その時の心情、情景がとても伝わってきました

    読み終わったあと、何か懐かしい気持ちになりました

  • 「友達」とはなんなのか、自身がいろんなステージで「友達」地獄に息苦しさを感じていた少女であったことを思い出した。いつの日か、そこから逃れられるのか、という淡い期待は、大人になってあっさり打ち砕かれたことも。でも大人になったから割り切れたこともたくさんあるなと。

  • 思ったより起伏なく、読み終わった。
    多感な時期ってある、神経がピリピリむき出しになってる時期。
    大人になってもSNSとは(こうして)縁が切れない。
    依存性。。。
    勝ち負けに、こだわる姿は美しいね。
    みんな友だち、公園で初めて会っても友だち。
    次の待ってるお友だちにブランコは代わってあげましょう。
    たしかに寒気だね。
    みんなとは友だちにはなれない。
    あの時、声をかければ良かったなぁと思うことはある。

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著者プロフィール

1983年愛知県生まれ。愛知大学文学部哲学科卒。2013年『左目に映る星』で第37回すばる文学賞を受賞しデビュー。他の著書に『透明人間は204号室の夢を見る』『ファミリー・レス』『五つ星をつけてよ』『リバース&リバース』『青春のジョーカー』『魔法がとけたあとも』がある。

「2021年 『求めよ、さらば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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