- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022646439
感想・レビュー・書評
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読む、ということへの向き合い方が、心地良い文章が続く。それと、読んだことのない文学への入り口として、とても魅力的な玄関になっている。
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平易な言葉で語られる鋭い視点と指摘。いずれの文も氏の文学への柔らかい執着心が伝わってくる。私の文学への関心の扉を少し開いてくれたような気がする。じんわりと心に溶け込んでくる作品だった。とても良かった。
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ほとんどのエッセイが見開き2ページというコンパクトさなので、ちょっとした時間に読むのに本当にちょうどいい。
柔らかな言葉で綴られた文章に、たくさんの著作名が出てくる。見たことのない文学者の名もたくさんあるし、聞いたことのない本もたくさん出てくる。
でも、それを読みたくなる。
「本を読むこと」に関して書かれたエッセイが多くて、いくらか本が好きであれば是非読んでみてほしい。立ち読みでもいいから。
そこには「ほほぅ」と頷くことや、「くすり」と笑ってしまうこと、そして「うーむ」と唸ってしまうことが書いてあると思う。
文学は、経済学、法律学、医学、工学などと同じように「実学」なのである。社会生活に実際に役立つものなのである。そう考えるべきだ。特に社会問題が、もっぱら人間の精神に起因する現在、文学はもっと「実」の面を強調しなければならない。—「文学は実学である」
こうした立場が「理想的」だといくら言われようと、個人的にはこの考え方に与したい。心から。 -
短いエッセイの寄せ集めだが、配慮の行き届いた文は読んでいて気持ちがいい。