極北ラプソディ (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 106
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022647191

感想・レビュー・書評

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  • やっと読めた。
    読み始めたら一気。やはりこの作者さんは最初からだらだらせずグイグイ引き込まれる。
    懐かしいジェネラルや花房さんも出てきて。。。

    地域格差とかおそらく遠くない将来起こるであろう問題がさりげなく盛り込まれてていて考えさせられた。

  • 地方都市の病院の医療を取り巻く環境は厳しく、切なくなってしまいます。世良に速水、それぞれ信念のままに行動しますが、なかなか周囲には伝わらずもどかしくもありますが、どこかで歯止めも必要なんですね。医療格差がある事を前提に、望ましい医療とはと考えると一律に答えは出せないのだと感じました。

  •  18年越しにくっついた世良と花房師長にびっくり。速水も速水なんだが、女は健気に耐え忍ぶのみみたいな描写に違和感しかない。本筋ではないからという理由もあるんだろうけれど。診療費を踏み倒して平気な顔をしている市民なんて信じられないが、実際モデルとなった市も本当にそんな状況だったのか。再建への道筋を着々と歩んでおり、極北市シリーズはこれで終わりだが未来が気になる。後藤先生のその後が清々しくてとても良かったのだが、三枝先生のその後は描かれないのだろうか?

  • 前編である極北クレイマーと比べても、飛躍的にストーリー展開が面白く、グイグイ引き込まれた。特に最後の部分は感動的で一気に読了した。

  • 「北極クライマー」の続編。
    地域医療のあり方を問い、地方財政の破綻が医療にまで影響を及ぼしていくようすが描かれている。
    地域による医療格差の問題はすぐ近くに医療施設が整っている環境にいるとなかなか実感できない。
    財政破綻した極北市の市民病院で非難されながらも最善の策と信じる道をいく世良。
    救急医療の現場で命を救い続けようとする速水。
    医師としての姿勢・考え方の相違がわかりやすく描かれていた。
    市民はより多くのものを望む。
    けれど、その代価は出来るだけ少ないほうがいい。
    病院という命を扱う現場で医師たちが疲弊していく中、当たり前のようにさまざまな要求を通そうとする患者たち。
    現実はきっとこの物語に書かれているものよりも厳しいのでは?とも感じた。

    福島県のある産婦人科医が逮捕され裁判にかけられたため、産婦人科医を希望する医師が激減したといわれている。
    解剖医の数が少ないために事件が事故と判断されてしまったり、ドクターヘリがあっても使いこなせずにいたりと医療の現場は予想以上に問題を抱えている。
    海堂さんの作品にはそのあたりを織り交ぜながら物語が進んでいく。
    いろいろと考えさせられる点を含んでいる物語だった。

  • 2024/03/02 読了

    読み始めから読了までかなり間が空いてしまって前半曖昧。

    海堂尊作品にブラックペアンから入り、チーム・バチスタの栄光、ジェネラル・ルージュの凱旋と読み進めた自分としては、世良先生や速水先生、花房さんのその後が見れたのはよかった。

    今中先生視点の話が基本で、
    財政破綻した極北市民病院の再建を図る世良新院長。
    雪見市の救命救急センターを仕切る速水先生。
    そした花房さんをはじめとする周りの人達。
    それぞれの方法で破壊寸前の地域医療を救おうと奮闘
    読んでる側からすると奮闘?となる箇所もあるけど
    目指すところはきっと同じ何だろうな、とは思った。

    個人的にはドクターヘリチームのやり取りが好きだった
    越川さん、大月さん、五條さんのことは今後が何処かで描かれなくても幸せになってくれと思いながら読んだ。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/701945

  • 今中先生視点だが、世良先生による極北市民病院の立てなおしがメイン。時には患者を診ず、病院を普通の経営状態に戻そうとする。そして舞台が速水先生のいる極北救命救急センターに移るとスピード感が増す。そこでは目の前の患者を生かすことだけを考える。それぞれの立場で最善の処置をすることが正しいことなんだと。時にぶつかり合いながら。孤独ではない。
    結論:速水、花房、世良、彼らの未来は明るそうだ。ジェネラルはどこにいてもカッコイイです!

  • 前作の『極北クレイマー』から続く作品。
    ドクターヘリと地方医療との問題点を
    取り上げた作品ですね。
    ドクターヘリというと
    某テレビドラマを思い出しますね。
    あれはまだ比較的都市部に近いもので
    地域医療とはまたちょっと違いますが
    それでもドクターヘリの重要さって
    この作品からも実感できました。

    にしても
    世良先生と花房師長って
    そんなんだったっけ
    と思ってみたりして・・・
    ┐( ̄ヘ ̄)┌ ヤレヤレ・・・

  • 世良先生と花房さんを応援していた身としては大満足!ただ、2人ともかなり歳をとってしまいましたね。これからは離れず歩んでいって欲しいとか思っちゃって、すごく感情移入してることに気づく…。

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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