明治・金色キタン (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.40
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本棚登録 : 314
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022648969

感想・レビュー・書評

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  • 金色キタンは、廃仏毀釈を背景にした事件が連続する。明治初期の雰囲気を感じさせられる。
    闇に潜むものも、明治の変革で、人に入り交じって息づいているらしい。
    妖モダンでは、原田さんに焦点が当てられていたが、金色キタンでは、滝さんに焦点が当てられる。

  • 2021年、8冊目は、1月の畠中恵『明治・妖モダン』の続編に当たるヤツ。

    銀座四丁目、煉瓦造りのモダンな建物が並ぶ中にあるのは、簡素な造りの派出所。そこに勤務する巡査、原田と滝。二人は、次々と不可解な出来事に巻き込まれていく。

    前作『明治・妖モダン』が「妖」にスポットを当てた短編集とするなら、今作『明治・金色キタン』は、甫峠村での廃仏毀釈にまつわる連作短編集と言った印象。

    一つの特徴は、前作同様、ミステリー、サスペンス的な要素がスッキリしたオチを迎えない点、いわゆるモヤ系。ザックリ「こんな動機、経緯なんじゃない」的に帰結。被疑者死亡も二件あるし。

    もぅ一点は「妖」を受け入れ、大人のファンタジーと捕らえられるか、否か。「人」ならざる力を持った「妖」が登場しているのだから、「有り得ない」は前提としなくちゃ。

    嫌いじゃないし、更なる続編が出たら、手に取るとは思うが、六つのエピソードで特に響く、唸るような展開や話がなかったし、全編を通ずるオチもインパクトに欠ける気がするので、評価は★★★☆☆止まり。

    ちなみに、完全に余談。同時期、コミックで「鬼滅の刃」さらってたんだけど、「鬼」の不死性など、共通認識が色々あると思わされた。

  • 人じゃないんだということを、事件が起きるたびに再確認させられるのですが、牛鍋食べながら談笑している姿は人となんら変わらず。
    滝さんたちは、果たして時に絡めとられることになるのかな・・それとも現在に紛れ込んでいたりして、と妄想がふくらみます。

  • 今回は消えた村の話が全編に絡む短編で、この人も実は妖だったの?と思いながら読みました。けっこう続きが気になって面白かったです。

  • 明治で頑張るお巡りさん二人の活躍。
    (ただし、妖怪絡みもあり。)
    廃仏毀釈が基盤ですので、予習しておくように。

  • 人間に混じって人では無いものも人として明治の世を生きていく。

  • 2019/03/03

    ・結局ほんとうの安住は病死してて、いまの安住はそれに成り代わってるということ?

著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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