豆大福と珈琲 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.63
  • (7)
  • (4)
  • (15)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 208
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022649218

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白かったです。タイトルで選びました。
    乾いた軽やかな雰囲気が好きでした。
    日本が舞台なのに日本では無いような空気です。翻訳ものみたい。
    珈琲苦手なのですが飲みたくなりますし、豆大福も鯛焼きもとても美味しそうでした。
    カフェオレからコーヒーに移り変わるような装丁も好きです。

  • 昔のように自由な若者がオートバイでアメリカ的な風景を駆け抜けるのではなく、金銭的にそんなに余裕があるわけでもない齢を重ねた労働者が紛れもない日本の住宅地や電車の駅を移動するという作風にシフトしてるけど、根底の片岡義男ぽさは変わらないという感じ。

  • 久しぶりに読んだ片岡義男の小説に満足。

  • f.2023/11/24
    p.2019/4/6

  • 片岡義男は健在。『彼のオートバイ、彼女の島』と、時代も場所もなにもかも違うけれど、根底に流れる自由な時間の流れはまったく同じものだった。私もこうやって生きていける、と思わせてくれるような余裕が満ち満ちているところが、片岡作品の大好きなところ。
    珈琲にまつわる5つの物語が収録されているが、「この珈琲は小説になるか」が一番好きだった。作家と編集者の物語。現代という設定の中に、アナログな人間同士の関係性を持ち込むのが本当にうまいな。

  • 純文学って感じの本、わからんけど。

  • 珈琲にまつわる5つの短編。

    豆大福を食べたことで離婚して子連れで戻ってきた高校の同級生と同居することを思いついたこと。

    喫茶店とコーヒー豆のお店を開いた友人の女性の家が
    かつて火事になった夜のこと。

    父の喫茶店を手伝い独立させた女性と、それを引き継いだ女性のお店に行き、
    さらにたい焼き屋さんを開いた女性のお店を行ったり来たりと出前もしたりの日々。

    新人作家としてのデビュー作を2つの喫茶店で書き上げた20年前の記憶をキュウリのサンドイッチを食べながら思い出す人の縁。

    喫茶店で同じ空間に居合わせる4つの話に出てきた登場人物たちと、新たな登場人物たちの物語の始まり。

    作者はキレイな女性が好きナノネ。
    世の中はそんなにスマートにできてるとは思えないけれど
    それもいいのかな。

  • ラボラトリーハコ&かの書房の店頭で、タイトルに惹かれて手にとった一冊。表題作の最後あたりの、「彼女は豆大福です、と言っておいて」「そうか、それなら僕は、珈琲だ」という会話が好きです。総じてベトベトしたところのないカラリとした関係が描かれ。男性はスタイルを持ち、直感にすなおで、女性はさっぱりとした気性で、誰もがふりかえる美人、という類型は感じられたけど。

  • 2020.6
    何かが起こるわけじゃない。でもなんとなく掘っていったらおもしろそうな感じのする人たち。そう、みんななんか匂う。おかしみがある。過去を経た現在を今の自分で生きる。あ、味だ味。そしてそれぞれにそれぞれの珈琲が少し。

  • 大昔の愛読者。

    良くも悪くも安定の片岡義男。
    やはりもう、この方の作品を楽しむには
    私が日常生活に長く浸りすぎたかもしれない。

    日常の現実にどこか違和感を感じて
    どこにもありはしない未来を根拠なく信じていた
    あの頃が懐かしく寂しい。

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始める。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『日本語の外へ』『万年筆インク紙』『珈琲が呼ぶ』『窓の外を見てください』『いつも来る女の人』『言葉の人生』ほか多数の著書がある。

「2022年 『これでいくほかないのよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

片岡義男の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×