MBA老師が喝破する 仏教ビジネスのからくり (朝日新書)

著者 : 井上暉堂
  • 朝日新聞出版 (2010年10月13日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022733634

作品紹介

人びとの宗教への無関心が「仏教ビジネス」を肥え太らせる。葬式、戒名、墓地…飛び交うマネー、「知らぬが仏」の遺族に、「地獄の沙汰もカネしだい」の無信心…。MBAの資格をもつ老師が「仏教ビジネス」に喝。

MBA老師が喝破する 仏教ビジネスのからくり (朝日新書)の感想・レビュー・書評

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  • 仏教経典や歴史の中身の部分についての知識はある程度あったのだが、現代日本社会の仏教ビジネスの現場の詳細は不明点も多かったので、いい導入的書になった。

  • 江戸時代以来の檀家制度は仏教寺院と日本人の信仰のありようについて強い影響力を持ち続けており、墓に担保された寺壇関係という長期契約はお互いの緊張関係を失わせてしまっている。毎回、同じことを繰り返すだけの宗教儀式は、檀家本来の仏教信者としての本分を忘れさせ、仏教の教えに対しての興味も期待も失わせている。寺院も法事と葬儀を執り行うだけで、布教活動という本来の義務をおろそかにしてしまっている。
    日本に存在するお寺は、そのほとんどが宗教法人という法人格を持つ。墓地や本堂は住職個人の所有物ではなく法人である寺の所有物。お布施などの収入も住職の個人所有ではなく法人である寺のもの。いわば住職は寺から給料を貰うサラリーマン。株式会社であれば事業収入により得た利益は配分するが、宗教法人は利益配分をしない非営利法人。しかもオーナーのいない法人であり、あえてオーナーをいえば仏様ということになる。したがって宗教法人である以上、原則として誰であろうと参拝は断られないこととなっている。
    お布施とは元来、身を削って出す代物であり、惜しみなく仏に利益を配分するといった姿勢が功徳ということになる。したがって坊主は、せっかくの功徳を無駄にしないために、お布施を仏頂面で貰うのが原則。坊主が頭を下げてしまうと、それは無償の行為でなくなってしまうのである。ところが日本ではほとんどの坊さんが頭を下げているのが現状。功徳云々の理屈は無宗教不信心の日本では通用しないのである。
    お経の内容はそもそも釈迦が弟子たちに聞かせた話。ストーリー性に富んだドラマ仕立ての説教。よって、日本のように仏に向かって唱えるのは、実はおかしい。仏に対しては南無阿弥陀仏とか南無妙法蓮華経といった仏に対する絶対帰依を誓う言葉を唱えればそれでいいはずなのだ。
    アジア各国の仏教のお坊さんは皆独身であり、坊さんの戒律で何よりもご法度なのが不邪淫戒なのに日本の坊さんのほとんどが妻帯であることに対しては非常に驚くのだそうだ。
    お寺が指定した石材店からしか購入できない「指定石材店制度」。競争原理が働かない石材店ぼろ儲けのシステムなど、お坊さんの知られざる世界にスポットを当てた一冊。お布施の多寡に伴う常識、非常識はなかなか笑えた。

  • 葬儀、法要、墓、戒名・・・。どの家庭でも習慣的に行われ、高額でも死者を弔うため、むしろ喜んでお金を支払う。さらに宗教法人は非課税。これをビジネスをとらえ、金儲けに走る輩がごまんといる事実に寒気が走る。この本はそんな仏教ビジネスの裏側を赤裸々につづった問題作。とても興味深く読めた。宗教法人こそ事業仕分けをしてメスをいれていくべきだ。

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