危ない私立大学 残る私立大学 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022734495

作品紹介・あらすじ

減少し続ける学生をどう獲得するか?大学間の生き残り競争は、ますます熾烈になる。どんな私大が危なくて、どんな私大が強いのか?本当の実力がわかる指標を提示し、サバイバル戦略に迫る。「母校」が消えてしまう悔しさを噛み締めないために、受験生・保護者、高校・大学関係者、必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • "明治→三年連続志願者トップ。同日に共通試験問題で複数学部受験可能(全学部統一試験)・地方会場設置。リバティータワーによる都心イメージ。各種広告多く広報力には定評。

    GP(Good Practice)などの外部資金獲得にも強化。国が大学間にも競争が必要として、大学が申請した取り組みを審査して採択されれば資金を拠出するといった仕掛け。GPはその一つ。
    競争的資金を使って教育研究活動を充実できるだけでなく、GP獲得は公的に認めれた大学の教育力として広報の大きなポイントとなる。

    立教→職員から全学共通カリキュラムについて新科目を提案・コーディネートし、教員に依頼する。国公私立共に例はあまりない。教職員協働。

    "

  • 2014年1月31日読了。

  • 消える大学 生き残る大学の続編か?
    今回は国公立は除いて私立だけをターゲットに.
    タイトルが刺激的な割に,特に危ない方への切り込みが中途半端なところが少し残念.
    しかし,改革に熱心な大学の取組事例等は詳細によく取材されており参考になる.
    私の母校が「国際化」ということで高く評価されていたので個人的には満足.(実態がどうかは知らないが)
    でも,結局ランキングを見ると現時点での規模がモノを言って,小さいところから順番に潰れていくということしかないのかもという気もしてくる.だとすれば,小手先であがいても無駄ということだが.

  • 学生数は端的にいって大きい大学はつぶれにくい。社会的影響は無視できないし、学生数がそのまま売上を意味する。6-7割は授業料収入。
    上智大学は寄付集めのモデルを構築して成功している。

  • 本書の「主要私立大学サバイバル度ランキング」で,福岡大学は全国9位にランクされています.まあ,確かに学生数,蔵書数,校舎面積等,どれをとっても九州エリアではトップクラスですし,財務体質もよいようですから,生き残る確率は極めて高いだろうと思います.あとは,どこまで教育・研究の質の高さを求められるか,といったところでしょうか?

    ところで,この著者の大学に対する分析力が気にならなかった訳ではありません.ユニークな試みをすればよい,というものでもないような気がします.著者の分析の観点はそれだけではないかも知れませんが,本当によい教育,よい研究というのは,一見地味に見える事柄の中にこそ潜んでいるのではと考えています.これは,簡単に第三者が知ることは難しいかも知れません.

  • 私立大学に焦点を絞った一冊。
    さまざまな私立大学の改革や特色などを紹介しているので面白い。

    現役の高校教諭(進路指導教諭)へのアンケート結果なども掲載されているので、
    大学がどのように見られているかということを知るヒントになるかも。

  • 080

  • 偏差値だけでない大学を選ぶときの指標を示している本でした。在籍者数の多い総合大学の紹介にとどまらず、地方大学が学びの一環として地域活動を取り入れ、地元での就職率を上げていることなど、興味深く読みました。

  • 高1の息子に参考用に購入。確かに危ない大学も多いのだろう。地方の大学などにはなかなか涙ぐましい努力のあるようだが、やはり気になるのは、(良い悪いは別にしても)学問的充実度よりも、キャリアデザインが描けるかどうかなのだろう。確かに企業としても即戦力があるに越したことはないのかもしれないが、もっと長い目で見れば、広い視野と教養の高さのほうが大事なように感じるのだか。

  • 6月5日、文部科学省から「大学改革実行プラン」が出された。これまでのように将来の大学のあるべき姿を示すぼんやりしたものではなく、いついつまでにどうこうするという改革行程が示されたものとして画期的なものであろう。しかし、中身を読むとかなり問題を含む内容でもある。

    たとえば、私学助成の改善充実を図るとうたわれた部分では、教学上の問題があるとされた私学に対して組織廃止命令を出したり、経営改善の見込みがないと判断された私学に大して解散命令を出したりするとしている点がある。つまり、国が教学上問題あると判断すれば、私学を解散させることができるということになるわけだから、国の意に染まない私学を恣意的につぶすこともできるようになりかねない。

    本書では私学の改革努力について、多くの大学を取材して紹介している。やや表面的な紹介にとどまっている部分もあるように思われるし、はたしてそれがどのような成果を生み出すことになるかの見通しについての分析は必ずしも十分とは言えない。

    しかし、多くの私学がさまざまな工夫をしつつ、社会に貢献しようと努力しているのであって、その多様性は十分に尊重されるべきであろう。

    文部科学省が示す改革の方向性そのものはご説ごもっともな部分も多いが、相矛盾する内容を含むものも散見される。方向性に沿わない大学の改革努力を上からつぶすようなことにならなければ、良いのだが。

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著者プロフィール

木村誠

1944年神奈川県茅ヶ崎市生まれ。教育ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒業後、学習研究社に入社。『高校コース』編集部などを経て『大学進学ジャーナル』編集長を務めた。「プレジデントオンライン」「dot.asahi」など各種メディアに寄稿。 著書に『就職力で見抜く! 沈む大学 伸びる大学』『危ない私立大学 残る私立大学』『大学大倒産時代』『大学大崩壊』(以上、朝日新書)など。

「2019年 『「地方国立大学」の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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