- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022734778
感想・レビュー・書評
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「情報の呼吸法」「動員の革命」に続く、津田大介氏の著書。
総選挙の前までに読み終えたかったが、それは叶わなかったものの、非常に考えさせられる内容でした。
昨今のソーシャルメディアの発展とこれまで国民と距離があった政治を結びつけ、「政治の日常化」のためのソーシャルメディアの活用と個人でやるべきこと、政治家がやるべきことを、たくさんの証言をもとに解説しています。
ネットによる選挙活動も徐々に認められる中で、この流れに乗れない政治家は淘汰されていく、そんな新しい政治と国民の姿を想起させられます。
今回の総選挙は、史上最低の投票率という結果に終わりました。これはまだ政治との距離感があるからなのかもしれない。
どのような政治状況であっても、法律は国家議員でしか決めることはできない。だからこそ、私たちは、これまでとは違う視点で議員を時には応援し、時には批判することが必要なんだと思います。
ソーシャルメディアは、これまでできなったことを可能にし、安価かつ簡単にできるようになったいます。時代にあった政治への向き合い方が求められます。
ウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジが定義した多メディア時代におけるソーシャルメディアの3つの役割
①プロがつくった記事について、多様な視点を提供する役割
②埋もれているものを拡散して社会的問題にできる、拡声器としての役割
③プロの記者が取材するときのネタ元、情報源としての役割
日本人は常に「情報は迅速でかつ、正しくなければならない」という意識が働く→日本のマスメディアの影響力が他国より強いことの裏返し→手軽に情報を得ようとしながら、発信者に過度な無謬を押し付けることを要求する→旧来のマスメディアの価値観をインターネットにそのまま持ち込んでいる→ソーシャルメディアの果たすべき機能を制限
政治家という存在は本来的に「媒介者=メディア」としての役割を担う
オープンガバメントの実現
→市民が政治、行政に関心を持ち、政策決定のプロセスにコミットすることにもつながる。
GOV2.0(ティム・オライリー)
「政府はユーザーの要求に応じてサービスを提供するプラットフォームであり、IT技術を利用して政府の持つデータをオープンにし、ソーシャルメディアが持つインタラクティブ性を政策決定に生かせる仕組みをつくるべきだ」とする考え方
オンラインコミュニティの7つの原則
①ユーザーにパワーを与えること
②連続したストーリー性を持たせること
③内容に信頼性を持たせること
④透明性を確保すること
⑤瞬間的な対応をすること
⑥計測可能で戦略的なゴールを設定すること
⑦試行錯誤で能力を拡張すること
ソーシャルメディアが起こした革命:「動員の革命」「トライ・アンド・エラー革命」(試行錯誤にかかるコストを限りなくゼロに近づけることができる)
日本:ブロードバンドの広い普及、インターネットに接続できる携帯がほとんど、ツイッターユーザー数・アクティブ率が世界トップ
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GOV2.0を実現する環境自体は日本は整っている
<この本から得られた気づきとアクション>
・ソーシャルメディアの可能性を信じること
・当事者意識をもって政治に向き合うこと
<目次>
第1章 政治的無関心は何を引き起こすのか
第2章 ウェブでつくる新時代のデモ
第3章 ソーシャルメディア+マスメディア=?
第4章 ネット世論を考える
第5章 ネット選挙にみる次世代の民主主義
第6章 政治家のソーシャルメディア利用術
第7章 問われるソーシャルメディアリテラシー
第8章 きみが政治を動かす
終章 ガバメント2.0が実現する社会へ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【ウェブを使った最新事例】
今回の選挙において、この本を見て変わったという方はどのくらいいるのでしょうか。
もちろん何党がどうすればいいというようなことを書いているわけではなく、ウェブを使って政治家が行う選挙活動や私達有権者がとるべき行動について事例を使って促しています。
津田大介さんの本は何冊か読んでいて、Twitterでもフォローさせてもらっているのですが、彼の主張は一貫して「ソーシャルメディアをもっと活用して、情報流通を活発化させることで世界をよりよい方向に変えれる」と言ったものです。
それを念頭に置いて残りはソーシャルメディアを取り扱った最新事例と思って読むと政治の話ですが、大変読みやすい本なのでオススメです。 -
ネットを上手に活用する事で、政局から政策重視の政治を実現する。メリットをただ羅列するだけでなく、デメリットも示している点が良い。ただ残念な事に今回の選挙を観ていても、実現は遠い。公職選挙法違反とか下らない事言わずに、政治家が自由に意見を発信し、有権者と交流する場がもっとあってもよい。
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総選挙前に読了。
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選挙前に読み切ろうと思ったが、できなかった。しなかった。時間的に厳しかったのもあるが、今回の選挙にはあまり役に立たないなと思ったから。なぜなら、本書の半分は未来のことが書かれていたから。そういう意味では、半年後・1年後に読んで「いま」を確認するにはいい本だと思う。オープンガバメントの時代が早く来るように国民一人ひとりが意識しないといけないな。
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如何なる社会に属している限り、自分の周囲は「良識」のある人だから間違った選択をしないと言う幻想を抱いてはいけない。政策本位の選挙を実現するために今回の選挙を検証するためにも本書を読んでもらいたい。
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今まで政治に関心がなかったわけじゃないけれど、本書を読んで意識レベルが数段上がった気がする。
もっと政治におけるウェブの活用が進むべきだし、近いうちにそうなるのは必然だと思う。本書は、その流れを確認させてくれた。 -
選挙があるので、政治をそんなによく知らない自分に必要だと思ったのと、メディアは好きなので読んだ。
最近メディア系の本を何冊か読んだけど、なんか全部似てる笑
ネットの可能性的な笑
とりあえず、最近はニコ動で選挙特番みたいなのやってたり、ネットに注目が集まってるなぁと思った。
本書は様々な事例(海外の政治についても)を紹介していて、初めて知ることも多かった。
津田さんは名前と顔は知ってたくらいで、あの金髪の方はどんなこと考えてるのかな〜と思ってたが、すごく様々な知識を持っていてすごいなぁと思いました。(子どもみたいな意見ですいません笑) -
衆院選を前に政治について考えてみたくて
話題の著書を手にとってみました。
kindleストアで250円とセール中だったこともあり。 -
衆院選直前の実にタイムリーな時期に読むことができた。
よく整理されている。
SNSが普及しだした頃から現在まで、ウェブと政治との関わりが一覧できる。
ウェブの力でこんなことができた、こんなことが起こった、こんなことができる、こんなこともできるかもしれない。ときれいにまとめられている。
でも、ホントにウェブで政治を動かせるかも、というワクワクをいまひとつ感じることができない。
この本を読んで、またネットを通じて政治に関心を持つ人は多いかもしれないが、直接今回の衆院選には関係ないだろう。
「政治家はメディア」にはなるほど、と思わされる。