- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022735652
感想・レビュー・書評
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一度無業になった場合の立ち直りが難しい日本の現状がよくわかる。
やはり、若者が健全に働ける社会にならないと明るい将来を見通せない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
若者が簡単に失業して、一旦失業すると、社会から排除されてしまう、ということを訴えている。簡単に失業するというところまではわかるけど、再就職の挑戦ができなくなるというところが、あまり同意できない。メンタル的に、弱い若者の例だけを拾っているのではないだろうか。
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若年無業者をどうするか。大卒で就職するも離職、不登校で高校中退などなど、様々な理由から無業となってしまった若者を他人事だとは思えず、本書を購入。日本は「一度こぼれ落ちると圧倒的不利になるシステム」と著者は看破しているし、そのとおりだと思う。今は正社員として働いているが、もし今の職を辞したら……再就職は年齢的にもかなり厳しいに違いない。若年無業者を救済できる社会制度を早急に構築しなければ、という思いが募る。
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2015.06.25 HONZより
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少し前にSNEPを読んでいるので、それに比べると本としては少し散漫な印象があるが、解決したい、という温かい意思を感じる。著者が現場の若手であり立ち位置が違うということもあるだろう。
巻末にあるビジョン-すべての若者が、社会的所属を獲得し、「働く」と「働き続ける」を実現できる社会 がいい。 -
若年就労支援を専門とするNPO「育て上げネット」の理事長と、若手社会学者による共著。対談集ではなく、章ごとに執筆を分担している。
若年無業者はいまや200万人を超え、15歳~39歳の「若者」のうち、およそ16人に1人にのぼるという。
本書は、この問題の概説書。工藤が担当した章ではNPO活動をふまえた現場の具体的実例とデータが紹介され、西田は社会学者として歴史的・大局的に解説を加えている。ミクロとマクロ――2つの視点から無業社会が論じられることで、この問題についての的確な全体像が提示されるのだ。
「若年無業者」に関する世間一般のありがちなイメージ――「いい若い者が働かないなんて、怠け者か、仕事の選り好みしすぎているかのどちらかだろう」とか、「どうせ、低学歴で非正規雇用しか経験のないヤツが『若年無業者』になるのだろう」など――が、具体的事例とデータによって次々と覆されていく。
たとえば、第2章は丸ごと、「育て上げネット」に相談に訪れた若年無業者の事例集になっているが、登場する若者の多くは高学歴だ。中には、税理士試験に合格したのに無業者に陥った例まである。
それに、彼らは「働く意欲のない怠け者」でもない。
《無業の若者を「働く意欲がない存在」という前提で考えるとするならば、若年無業者の75・5%が過去に働いた経験を持っている事実をどう捉えるべきだろうか。(第3章)》
働きたくても働けない若者を大量に生み出す「構造」が、すでに日本にはできてしまっている。若年無業者を「怠け者」「甘えるな」と非難するばかりでは、何の解決にもならないのだ。
構造的問題である以上、誰にとっても他人事ではない。
家族がいつ若年無業者になっても不思議はないし、若年無業者の増大は大きな社会的コストとなる。将来の社会保障の担い手となるはずの若者たちが、社会保障を受ける立場になってしまうのだから……。
1人の若年無業者が、25歳から65歳まで正社員として働く場合と、ずっと生活保護で暮らす場合を比べたら、そのギャップは1億5000万円にのぼるという。
本書は、若年無業者の増大がいかに深刻な社会問題であるかという解説がメイン。したがって、「では、どうしたらよいのか?」という具体的な処方箋はあまり書かれていない。
それでも、若者の就労という問題を考えるうえで有益な本だ。 -
我が事。自分の将来が重なるようで笑えない。
こういうのを50代以上の日本人に読んでほしい。
一見、自己責任で無気力なだけだろうけど内実は、さらに複雑である。 -
主旨や良し。でも、ちょっと冗長かなぁ。あと、これをよんでも、ガーガー認めない人はいるだろうけど。
個人的には、若者対策と合わせて、雇用を増やせる起業家を育てることも必要だと思った。
一度レールから外れた人を拾い上げることができるのは、レガシー企業ではないはずだから。 -
人間には承認してもらいたい欲求があるから好き好んでニートになってるわけでは無いというのは正論。
日本人の大好きな自己責任も突き詰めれば社会保障の負担として我が身に還ってくる。