- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022950642
感想・レビュー・書評
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戦争を全て否定すれば解決になるとは思わない。戦争の日てが自国の関与の否定だけを指すのであれば、国外の暴力と不正を見過ごす危険があるからだ。
国際関係において軍事力は平和を保つ手段t、その平和を破壊する手段という二重の性格を持つ。威嚇によって相手の攻撃を阻止する可能性がある以上、抑止戦略にも効用があることは否定できない。
アメリカが戦争に積極的になれば世界が安定することにもならにdさろう。むしろ戦う雨rかへの転換は、地域覇権を求める中ロ両国との緊張を激化させ、国際関係の不安定化を招く公算が大きい。
軍j力によって相手の行動を事前に抑え込む。これが抑止戦略と呼ばれる現代の国際関係におて世界各国の奥が採用する軍事戦略である。国際関係nおいて各国が軍事力のよって達成を求める目標のd際地が国家の防衛である。そして、その国家の防衛は、通常は抑止戦略によって実現することが期待されている。
国際関係において軍事力の果たす役割は存在する。同盟と抑止、さらに平和構築を軍事力抜きに考えることはできない。
核戦争は決して遠い将来の危険ではない。日本政府は緊急の政策課題として核軍縮を時逸源しなければ現在の平和が失われるという近長官のなかで核兵器の削減に努めなければならない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2011年〜20年初の新聞連載コラムの再録。読みやすい。時事評論という性格上、16年初にはトランプ大統領誕生の可能性は依然として低いとか、17年半ばには疑惑によりトランプ政権の終わりを予感とか、同年後半にはトランプのアジア歴訪を題材に中国もトランプ政権に接近とか、その時々の見解が現在では外れていることを挙げても意味はない(むしろ、その当時はそう見られていた、ということが分かる)。振り返って妥当だったと思える分析もある。米朝首脳会談時でも朝鮮半島の非核化への期待は小さかった。
個々の評論を超えて本書から感じるのが、健全な懐疑主義とでも言うべき見方だ。核兵器、軍事力、軍事介入、抑止、同盟、米の覇権など、それぞれに一定の役割を認めつつも同時に限界を指摘する。民主主義に対しても、トランプやドゥテルテ、プーチン等を例に自由主義なき民主主義が法の支配を弱め得ることを指摘する。思想の軸足に違いはあれど、高坂正堯にも通じるかもしれない。
また、特に本書の後半では、米の影響力低下、トランプ政権誕生、Brexitに代表される地域協力逆行、中国と台頭など、書名どおり世界の不安定化を憂う色合いがより濃くなる。著者自身後書きで、この10年に予想よりも状況が更に悪化した、と嘆いてもいる。
なお日韓関係の中で、慰安婦像と「この世界の片隅に」のすずさんを共に矛盾なく捉えることを提起している。同著者の『戦争を記憶する』を思い出した。 -
敬愛する藤原帰一先生のエッセイ集。
戦争と平和、道に迷った時は先生の著作に戻っています。
今作は、本当にありがたい一冊.
ありがとうございます。