歴史の予兆を読む (朝日新書)

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022951779

作品紹介・あらすじ

ウクライナ戦争は、第三次世界大戦勃発の「序章」なのか!?格差と分断、天皇制の変容、気候変動、リーダーの劣化、危うい民主主義―?いま私たちが直面している様々な危機は、いつから始まり、どんな悲劇をもたらすのか!?日本は「新たな帝国主義の時代」に、生き残れるのか!?答えは歴史の中にある!歴史には「潮目」の変化がある。たとえば戦争に至る道も一直線ではない。どこかの分岐点で流れが決定的に変わり、その予兆があったはずだ。しかし、流れの真っただ中にいると、なかなか気づけない。世界が混沌の度を深める今こそ、そうした予兆を厳正に見極める眼が重要になる。二大ジャーナリストの熱論が、日本の運命を切り開く!〈目次〉序章  ウクライナの運命第1章 日本の常識、非常識第2章 時代転換の「芽」第3章 格差という「原動力」第4章 地球が悲鳴を上げている!第5章 リーダーの器第6章 自分の手で社会を変えられるか?

感想・レビュー・書評

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  • 今回の池上さんの対談相手
    保阪正康さんのお名前は初めて聞きました。
    池上さんの本を読まなければ一生縁のない方なんだろうなあと思っていたら、
    朝日新聞で書評を書いているということでした。
    たぶん目にしているのでしょう、これからは心して見ます。

    タイトルは特別面白そうではありませんが
    読んでみるととてもわかりやすく面白いものでした。
    過去の失敗を繰り返さないようにするために
    少しでも早く予兆を知らなくては。

    〈近現代史という語では、日本の近代史は明治元年から昭和20年8月までの77年間を指すと言える。そして現代史も昭和20年9月から、現在までの77年間を指している。図らずも近代史77年間、現代史が77年間となるわけだが、この同じ長さの時間帯を終えて次の時間に日本社会は移行していくように思う。それはどんな社会なのか〉
    と言う保阪さんはその後、予想したことを書いています。

    私も予想してみました。
    上にあげた「近代」が77年より長くなる、つまり
    なんらかの事情で、近代と現代の境目が後ろにずれるのではないか?
    それは「冷戦の終結」かもしれないし
    このたびのロシア中国次第かもしれない。
    後者がこれ以上歴史に大きな影響を与えないよう
    穏やかに収まってくれることを切に願います。

  • ウクライナ戦争は、第三次世界大戦勃発の「序章」か? 貧困と格差拡大、気候変動、政治リーダーの劣化、ポピュリズムの拡散と社会の分断・・・世界が混沌の度を深めるいま、直面する様々な危機は、いつから始まり、どんな悲劇をもたらすのか? 池上彰氏と保坂正康氏の二大ジャ-ナリストが、歴史の流れが変わった分岐点の「予兆」をつかみ、日本の行く末を見つめた、コロナ禍でのリモ-ト対談集。▷プ-チン暴挙の三大要因①KGB出身者の歪んだ国家主義②東西冷戦時代のソ連邦の威信と国力のノスタルジ-③民主主義への不信感。

  • 逃げ切れる世代と、逃げ切れない世代。

    本書内で登場するのですが、
    私はちょうど間ぐらいかもしれません。

    いまの20代以下は本書の中の「逃げ切れない世代」だし、
    池上さんたち60代以上は「逃げ切れる世代」なんでしょう。

    年金制度だって、何十年も前からお金を徴収していたはずなのに、なぜ今になって財源足りませんとなるのか。
    戦争だって、今更する必要あるのか。
    日本は敗戦国として覚悟をもって主体的になれているのか。

    鬼滅の刃の話題は、ちょっと飛躍しすぎでしょと思いましたが。苦笑

    たくさんの頭が良い人たちが考えてつないできたはずのものが、結局すべて詰んで破綻を迎えるって。
    振り返れば分岐点、潮目が変わった時期があるようですが。

    せめて知ろうとする姿勢だけは持ち続けたいと思います。

  • 政治や思想とは無関係の「常識の目(歴史の目)」で突き放さなければ、天皇制も民主主義も危ないという保阪氏の発言は学者ではない歴史作家ならではという印象。肯定はしないが。
    その他、保阪氏による昭和史の小ネタは知らない事もあって参考になる部分はあるものの、そもそも対談相手が池上彰では釣り合わないというか、話がかみ合ってない。まだTV番組で共演していた関口宏の方がマシだったかも。あまり期待はしていなかったが、予想通りだった。

  • ウクライナ戦争、帝国主義の動き、気候変動、社会変革など、現代社会が抱える問題を、歴史から学ぶ姿勢で読み解こうとする対談。今は大きな変換点にあることを感じるが、お二人が指摘されているように、もっともっと日常的に、ファクトに基づいた議論が、普通に行われる社会であることがまずは大切だと思う。

  • ・今日的話題がよく整理されている。
    ・マルクス「資本論」、レーニン「帝国主義論」

  • 歴史の歩みと、それによって生じた社会の歪み。

  • ● 2014年のクリミア併合はもとより、この10年ほど、イギリスに亡命したロシア人が不審死を遂げたり、襲撃を受けたと言う事件が相次いでいました。放射性物質ポロニウム210や旧ソ連時代の神経剤ノビチョクが使われたことなどから、背後にプーチン大統領の影がありました。そういう傍若無人の残酷さに対して、国際社会は厳しく追求してこなかった。
    ●人類の遺伝子に戦争の残虐さはすりこまれていない。経験則に基づいて戦争の残酷さを語りつぎ、戦争の抑止力にしようとしてきた。戦争体験はずっとつながっていく事はありません。常にある世代で切れ、ある世代で作られると言う繰り返し。だからなんとかして歴史の記憶や知恵を継承していく営みを繰り返すしかない。
    ●プーチンの故郷レニングラードの悲劇(サンクトペテルブルク) は独ソ戦の際900日間も包囲され、大勢の人が餓死した。プーチンの兄も病気で亡くなった。
    ●プーチンはこの2年間、あまり人とも会わず読書にふけていた。今の国境線はレーニンが勝手に引いたものなんだ、そもそもウクライナはロシアの1部なんだと言う視野の狭い意識を持つようになった。
    ●ウクライナのデジタル転換大臣のミハイロ・ヒョードルフがTwitterでイーロンマスクに呼びかける。スターリンクの中継器をプレゼントしてください。
    ●第二次世界大戦のポーランド侵攻。独ソの密約があった?事実なら独ソが始めた戦争と言えるし、2700万の戦死者は身から出た錆と言われてしまう。

  • 今まで読んだ池上さんの本の中では一番難しかった。ただ一般的には普通の難易度の内容。
    池上さんのちょっと硬派な持論を垣間見た感がある。
    ちょっと片方に偏りすぎるような気もするけど。

  • 2022年、38冊目です。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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