- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022952028
作品紹介・あらすじ
大戦時と重なる日本政府のコロナ対応、核保有大国による独立国家への侵略戦争、戦後初の首相経験者の殺害……戦前との連続性ある出来事が続くなか、歴史からどのような教訓をくみ取るべきか。憲法学・政治学・歴史学の専門家が、侵略・暴力の時代に抗する術を考える。
感想・レビュー・書評
-
読めば読むほどイヤになりますな。今の政治、2020年以来、歴史の歯車が大きな音を立てて回り出した感がありますが、その歯車が前に進んでいるのか、それとも後ろに進んでいるのか。とても不気味です。
コロナ対策、ロックダウン、緊急事態。国境を越えた侵略戦争。政治家の銃殺や国葬の復活。政治と宗教の関係。国会の軽視と権力の官邸集中。多様性の否定と特定の価値観での社会分断。議論なき国会と国民に浸透する諦め。緊急事態と改憲。国会も役人も責任放棄、無責任体質の蔓延。
安倍政権の「負の遺産」である「分断の政治」をどう乗り越えていくか真剣に考えなければなりませんな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
憲法学、政治学、歴史学と3つの視点から今を読み解く。あまりにも刺激的で、新書をこんなに真剣に読み込んだのは本当に久しぶりである。
地に足がついた議論。
日本は防衛費増税だの、敵基地攻撃能力の保持だの様々な論点がいきなり飛び出してきた。きっちり議論も分析も、歴史に学ぶこともない、とてもふわふわした捉えどころのない首相、政府の見解に、どうしようもない不安と怒りを感じているけれど、こうやって、ひとつひとつ立ち止まって考えたい。
戦争は始まってしまったらすぐには終わらないのだ。たくさんの人の生活、命が左右されるのだ。そのことにもっと冷静に想像力を働かせたい。 -
朝日新聞の連載対談。予想通りの「左」
-
有識者3名による鼎談。歴史から学ぶ現代の施策の方向を見直すことが大切だと思った。多数意見に流される日本人の特質も歴史から成立している部分もあるとの指摘は新鮮だった。2012.11.6
-
新聞に掲載された複数回の鼎談の再構成。その性質上、ある程度はまとまりがないし同じ内容が複数箇所で重複もする。半分は日本国内の問題、半分は主にウクライナ戦争について。
後書きでは「エコーチェンバーを避け多面的な議論を展開」とあるがそうでもなく、3人とも安倍・菅政権に否定的。それ自体はともかく、たとえばコロナ禍対応では、他国との比較でどこまでが日本ひいては自民党政権の問題なのか。政権交代の可能性がほぼない現在、自民党政権は結局は国民が求めた結果ではないか。日本の今の有権者は政党政治があまり好きではなく無党派層が多数派という指摘と、社会の分断という指摘は両立しないのではないか。そういった複雑な考察よりも自民党政権嫌いが前に出ている。
他方、ウクライナ戦争について、沖縄戦、原爆、日中戦争が日本人の心象に与えた影響や、社会契約論と国民の戦闘参加の関係など、日々の戦況から一歩離れた視点は新鮮だった。安易な類推には要注意とは思いつつも。 -
まさに戦後の歴史の転換期に入ったなと痛感。読み応えあったが、過去から学ばないのがヒトという生き物。「ちょっと緩めると、とてつもなく邪悪で下劣なことの加担者になりかねない。どんな体制、制度であろうが、いつも気をつけていないといけない」しっかり声上げていく事が大事だけど…。
-
安部菅政権は全く否定している。
今の岸田自民党政治は過去の歴史は否定、立憲政治も否定し集団的自衛権などは憲法違反、議会政治、民主政治は蔑ろにされていると断じている。
今の選挙制度を見直し、政治を身近なものにして政治意識を啓発しなければと言っている。 -
左だ右だと色分けしたい人が大勢いますが、それでもこの本は全ての人たちに読んでもらいたい。
そもそも国家は国民に対してどうあるべきか、人権を守るために何をすべきかが語られています。
鼎談の先生方のようなごく当たり前の考え方が当たり前として扱われていない現在のわが国の状況はどうしたら改善できるのでしょう。今止めないと、変えないと。 -
加藤陽子氏は歴史学者の視点で現代社会を分析する力が秀逸。故に政府に警戒されたとも思えるが、このような見識を敵に回すのは愚か。菅総理は歴史に悪名を残す。
日本の政治
歴史に学ばず 合理性の欠落 日米開戦と同じ
権力型・・・命令と服従 ←「説明と納得」できない
小選挙区は組織力の闘い 宗教↑ 労働組合↓
歴史の逆流 誰もが政治に関心を持つ
たがが外れた時代 侵略・暴力の時代 →自己防衛
制度・組織・論理の再検討・再構築へ