「食料自給率」の罠 輸出が日本の農業を強くする

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.88
  • (9)
  • (6)
  • (6)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 103
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023308305

作品紹介・あらすじ

「食料自給率40%」におびえる日本の食卓の未来を予測する-。食料自給率が低くても、農家の後継者が少なくても、日本が食料の危機にさらされることはない!自給率にこだわらない"オランダ型"をめざせば、世界で勝てる日本農業を実現できる!食料自給率をめぐる不毛な議論に、終止符を打つ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 自給率の低下に対して、多くの国民は不安を抱いている。それは、農林水産省や農業関係者が行う「なにかの際に食料が輸入できなくなると、日本はパニックに陥る」との喧伝に踊らされている面はあるにしても、自給率の著しい低下が不安の背景にあることは確かであろう。

    農地を規模拡大して農業の効率を高めても、国民経済全体を考えると、それほど大きなメリットがない。

    人口が減少局面に入った日本はこれから、農業に限らずあらゆる分野で「選択と集中」をしていく必要がある。

  • 何をしなければならないか、何を目指すべきかではなく、何が問題なのか、どうなっているのかを知りたいのならお勧めできると思う。

    誤植の多さはもう少しなんとかならなかったのかと思うが。

  • 2010年刊。東京大学大学院農業生命科学研究科准教授。「「作りすぎ」が日本の農業をダメにする」の著者で、同書の内容と被る。基本的には著者は、日本の地形、狭隘な地形での産物(畜産業を含め)が重要と説く。なお、著者は、米は現状維持と言うが、後継者不足なら田畑の集約化も可能ではないか、という気もする。また、基幹的食料品の輸入高が全輸入高の50分の1程度、ソ連への食料封じ込めが失敗した等食料による封じ込めは奏効しないことを安心材料とするようだ。後者はもう少し分析が要る気もするが、一つの見方として知っておくべきか。

  • w

  • いちいちさ、罠を仕掛けないでほしいよね、いろんなところにさ。政府とかメディアとかその他もろもろ。引っかかっちゃうじゃんね。知らんし。事情とか。

    端的に言うと、食料自給率あげなくていいよーってはなし。あげることは現実的じゃないんだよーってはなし。あげなくても問題ないんだよ。

    戸別所得補償制度は自給率あげるのに役には立たないけれども、別のいいところあるよ、って話もある。

    面白いよ!!


    すごくわかりやすく、納得しやすい論調。だけど、だからって思考を停止させるのは良くないので、いろんな意見をきいてかないとね。難しいね。

  • 長い

  • 【途中感想】日本が、どうあがいても、この狭い国土と過密な農業人口では、食糧自給100%は、無理であることが、わかった。この前提で、日本は、どう生き抜くのか?検討要!

  • 食料自給率のことがよくわかる良本。まず自給率が日本より低いオランダが、農業で儲けている(輸出額>輸入額)ことにびっくりした。特に知見のない自分からしたら、「自給率?あげた方がいいんじゃん?」くらいにしか感じてなかったが、世界と日本の自給率の比較、自給率を上げられるのか?自給率が低くて問題があるのか?農業を強くするには何をすべきなのか?なぜそれが出来ないのか?自分の中の疑問が一気に解消され、とてもためになった。

  • カロリーベース自給率について理解出来た。概ね納得した。

  • 自給率キャンペーンに対する反対意見がつらつらと。
    経済的な観点だけじゃなく日本における農業の意味にも踏み込んでるので参考になるところは多かったですし、安易な海外との比較は無意味であることはよく伝わりました。
    比喩もうまくて読みやすい。

    でも食糧危機が来ないっていう根拠は虚弱。というかよく読むと矛盾したこと言ってるように思える。
    まあそれが主題ではないからか、意図的にはしょられてた部分が多いようなので、癪ですが「食糧危機をあおってはいけない」も読んでみます笑

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

川島博之(かわしま・ひろゆき)
ベトナム・ビングループ主席経済顧問、Martial Research & Management Co. Ltd., Chief Economic Advisor。1953 年生まれ。1983年東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得退学。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、東京大学大学院農学生命科学研究科准教授を経て現職。工学博士。専門は開発経済学。著書に『日本人が誤解している東南アジア近現代史』(扶桑社新書)、『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』『習近平のデジタル文化大革命』(いずれも講談社+α新書)、『「食糧危機」をあおってはいけない』(文藝春秋)、『「作りすぎ」が日本の農業をダメにする』(日本経済新聞出版社)等多数。

「2021年 『中国、朝鮮、ベトナム、日本――極東アジアの地政学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川島博之の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×