2013年、日本型人事は崩壊する! 企業は「年金支給ゼロ」にどう対応すべきか
- 朝日新聞出版 (2011年3月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784023309142
作品紹介・あらすじ
60歳以降の社員の雇用延長や、定年後再雇用者を生かすキャリア開発はどのようにすべきか?中堅・女性・若手社員を含めた全体の人事・報酬システムの改革案など、高齢化を迎える企業社会において、競争力を生み出す組織作りを解説。
感想・レビュー・書評
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◆定年後の社員の再雇用や、キャリア開発は“待ったなし!”。競争力を生み出す人材育成・報酬システムの画期的な改革案を解説。
◇実は世間でいわれているほど成果主義は浸透しておらず、その意図するところが誤解されたまま改革は下火になっていったのです。
◇厚生年金は1階の定額部分と、2階の報酬比例部分に分かれています。
◇2013年度からは報酬比例部分も60歳では受給できなくなります。
◇本当は世代別人件費の配分バランスの見直し、人件費のコントロール機能向上について、早めに再検討すべきなのです。
◇本来、若年層への配分も再考すべきです。でもそれは難しい。なぜなら新卒の初任給をはじめ、若年層の報酬水準には世間相場が影響するからです。
◇若くて優秀な人材の代役となり得るのは、高年齢者と女性です。
◇技能・ノウハウを蓄積しながら、社員を効率的に育成する。そして、付加価値の高い職務にチャレンジしてもらう。これを国内でも地道に継続しない限り、日本企業の経営基盤は脆弱となっていくでしょう。
◇単に報酬水準を上げるだけでは長続きしないものです。報酬ポリシーとも関連しますが、「当社ではこういう役割を担う人、こういった貢献をしてくれる人が評価されて、処遇もよくなる」というものを、会社と社員が共有するようにしましょう。
◇職務給と役割給はともに給与水準と職務内容や役割をマッチさせやすく、人件費をコントロールしやすい。人件費の配分バランスを変えるにも好都合です。社員にとっても難しい職務にチャレンジしたり、大きな役割を担うと報われるというメリットがあります。
◇難しい職務を担当すれば高く、難しくない職務であれば低くする。このように職務内容によって、給与を決めるのが正論です。
◇精緻な職務評価をしても結果は大して変わりませんし、的を絞った方がわかりやすくなります。しかも職務評価は色々な応用ができますので、評価自体で労力を使い過ぎない方が得策です。
◇人事・報酬システムをうまく機能させれば、社員の意識を変え、社員を成長させ、モチベーションをあげることもできます。時間はかかるものの企業の足腰強化へとつながっていきます。企業体質を変えるには、人事・報酬システムを変えていくことがよいキッカケになるのです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2013年より60歳になっても年金受給できなくなるため、年功序列型賃金制度などの、以前の社会システムで成立していたシステムを変更しよう。という本。
大きくは以下の3点
・報酬制度を変更しよう
・高齢者(60〜70)でも知的生産を行える人材開発をしよう
・女性が働きやすい環境を整備し、日本の生産力を向上しよう
日本が抱える人事報酬制度の課題
・55歳定年が根底に残っている
・給与カーブが年功的である
・人件費が変動費化されていない
・マスメディアさえ報酬ポリシーを誤解している
・嘱託者が活躍していない
・女性が活躍していない
・大学全入世代の受け入れ態勢が整っていない
・ハングリー精神などで中国人に完敗している
・諸施策がモチベーション向上につながっていない
・コア人材の育成が遅れている
これからの人材育成キーワード
・半強制
・基礎
・体験
・終身教育
・PDCA
日本人とは
・真面目で担当職務を遂行するために頑張る。が、誰も仕事を与えないと何をしていいか分からなくなる。
0から仕事を創造できない。
日本企業に必要な価値観/風土
・修羅場を体験できるローテーションに手を挙げる
・年長者を敬う
・部下をリスペクトする
・助け合いの精神を共有する
・完全リアイアするまで上昇志向と付加価値向上意識を持ち続ける
本田宗一郎の言葉
「社長なんて偉くも何ともない。要するに命令系統をはっきりさせる記号にすぎない」 -
終身雇用制度もあてにならず、将来の年金の心配をしながら生きていかなくてはならない。この状況でも懸命に働いていかなければならないのだが・・。なんとかしてほしい。