- Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
- / ISBN・EAN: 9784036513307
作品紹介・あらすじ
無人島であるはずのタボル島に遭難者がいる。船をつくった男たちは、救助へむかう。そこで出会ったのは、人間の心を忘れたまるで獣のような男だった。原書のさし絵をふんだんに使用したヴェルヌの名作完訳版。小学上級から。
感想・レビュー・書評
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ヴェルヌ『神秘の島』第二部
第一部につづき、島の開拓と文明化が進展する。ハーバート少年が偶然もっていた小麦一粒(鳥の餌)から小麦畑にまでし、風車をつくって、粉を挽き、パンが作れるようになる。サルの群れにグラニット・ハウス(花崗岩の家)がのっとられたこともあったが、いろいろあってオラウータンのジュップが仲間になる。なぞの箱が浜辺に打ち上げられて、さまざまな道具ももたらされる。そのなかにあった六分儀と地図でリンカーン島のちかくにタボル島という島があることを知る。水夫が船をつくり、ちょうどタボル島に遭難者がいるとのビンづめの手紙をうけとって、水夫・少年・記者の三人がタボル島にいき、理性をうしなったヒトをつれて帰る。みんなのなかで、理性をとりもどしたのは、かつての悪漢エアトンだった。罪を悔いたエアトンが仲間にとけこんでいく。そんななか、なぞの船がリンカーン島に接近してくる。
開拓者たちはとくに冬にいろいろと議論をするのであるが、水素エンジンの可能性を議論していたりと、なかなか興味深い話もある。電池と電線をつくり、電信システムもつくりあげている詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ここに出てくる男たちは優秀すぎる。
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「科学とは、人生で直面する困難に立ち向かうツールなのだ」ということを自分自身が認識したきっかけの本です。
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無人島でのサバイバル生活の描写が中心だった第一部に対して、この第二部ではいよいよ物語が動き出しました。
ジュップ(オランウータン)の仲間入り、オオカミの襲来、謎の漂流物、そして近くの島へ漂流者の救出に出発……。
ついにあのエアトンも登場です。あんな悪人でも島で一人で生活しているうちにおかしくなってしまうようです。記憶を取り戻すと良心の呵責に苛まれて深く反省します。人はこんなに変わるもんなんですね。
本作品では無人島での生活について細かく描写されていますが、私が気になったことがあります。
トイレや風呂はどうしていたのでしょうか。
トイレについては、住居の中に穴を掘って作ったのでしょうか。それとも外に穴を掘って作ったのでしょうか。
風呂も、五右衛門風呂のようなものを作って入ったのでしょうか。
漂流ものの物語では、トイレや風呂の描写が意外と割愛されて盲点となっているのです。
それにしても、この島には謎が多すぎます。サイラス・スミスは島の謎について仲間たちに列挙して注意を喚起します。
そしていよいよ、島に一隻の船が近づいて来る……。
いよいよあの方の登場か!?
第三部に続きます。
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