- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784037271800
感想・レビュー・書評
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「姉さん」と呼ばれる主人公と仲間たちの中学3年の2010年から2011年3月。震災に向けて移ろっていく当時の世相が懐かしい。鉱物好きの高浜が、いい味を出している。
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中学三年生の市子と同級生たちの話なのだが、青春小説かと思い読み始めたらまったく違っていた。日本人が今考えなければいけない、原子力がテーマだった。それと同時に世界中で起きた、大きな事件についても触れられている。大人にこそ読んで欲しい。
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濱野さんは反原発派というのはわかりました。
小説の体だが、読者への問いかなあ。
2014年3月初版。二〇一〇年―二〇一一年三月、わたしたちは中学三年生だった。
この文面から察知すればよかったですが、現実世界の出来事を盛り込んだ話。つまり何が起こるかもうお分かりでしょう。
ノンフィクション風だが、テーマ先行の感が拭えない。
その年の青少年らをリアルタイムに追っているかのようで、振り返って書いたものには違いない。
特に原子力政策に疑問を持つところなど、5年前に展開させていれば見方も変わったのですが。
激情的にせず、しかし無難に閉じなかったところは評価。 -
正しく、思春期やさぐれモードだなあ、と
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原発のことについて書かれているのは珍しいと思った。
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2010年、中3女子のあたしには、希望が(物理的に)ない。なぜなら、辞書から「希望」の項目を切り取ったから(電子辞書は断念)
なんか笑えます。
やけにリアルとリンクしてるなぁと思ったら、これも伏線だったのかなぁ、と。
夢だの恋だの、文化祭だの。いろいろあって、最後は、あの3.11へ…
最後は不覚にも泣きました。
…うん、希望はあるよ。 -
1995年に生まれ、2011年に15歳になった子供たちが主人公。
それだけで、なんとなくラストが予想できてしまう。
物語の中では、主人公・八乙女市子。通称姉さん(アネさんなのかネエさんなのかのルビ表記はなし)は、自分たちが生まれた時、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件のあった年に生まれ、今がこういうものが流行っていて、こんなニュースがあってというような事をよく語る。茨城県の、まあまあ田舎の中学校が舞台。
姉さんは、同級生たちみたいに夢や希望が語れない。まだ、自分が何をしたいかもわからない。
いつも寝癖がトレードマークの高浜偉男(よしお)は、日本一の鉱物学者になりたいと言う。理系には賢くて、マイペースで(でも絶妙に運が悪い)偉男が、突然、クラスで姉さんに告白。
変なヤツくらいにしか思ってなかった偉男だけど、同じ班で、一緒に行動するうちに、偉男の良い所もわかってくる。
希望が無いから、家にある辞書から希望の項目を切り取った姉さん。そんなことしなきゃいけないほど、現実の毎日がひどいわけでもなく、中学生で将来が見えないなんて当たり前とも思うけど・・・
2011・3の後に、それでも、希望を持って良かった。