青の読み手

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037273408

作品紹介・あらすじ

王都の貧民街で暮らす少年ノアは、ある日、奇妙な依頼をうける。
<修道院から、ある本を持ちだしてほしい。>
依頼主の黒ずくめの男爵は、本と引きかえに、ノアが姉と慕う少女の行方を教える、という。
怪しみながらも、情報ほしさに依頼を受けたノアは、首尾よく修道院に忍びこむ。しかし、盗もうとしたその本は、選ばれし者だけが読むことのできる魔導書<サロモンの書>だった。
やがてノアは、囚われの王女や、人語を話すネズミと出会い、依頼主である謎の男爵の正体にせまっていく。
1冊の本をめぐり紡がれる長編ファンタジー。


「あなたも、いっしょにいらしてください。」
「おれも?」
 トマスは、ノアの青い瞳を見つめた。
「あなたこそ、〈青の読み手〉にちがいない。
わたしたちは、ずっとあなたをお待ちしていたのです。」
(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • HIRASAWA Tomoko illustration
    http://www.studio-dessin.com/top.html

    青の読み手 | 偕成社 | 児童書出版社
    https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784037273408

  • これぞ正しいファンタジー。
    きっちりとセオリー通りで文句のつけようがない。
    ドキドキもハラハラも、最後の爽快感とそれに続く今後の展開へのワクワクと。
    続編が待ち遠しい。


  • 一冊の本を巡るファンタジー第一弾。
    貧民街の少年・ノアが一冊の本を修道院から盗むように男から依頼を受ける。

    読みやすく程よいページ数の中にファンタジーの楽しさがギュッと詰まってる。面白くてあっという間に読み終えた。

    平澤朋子さんの表紙がとても好み。中の挿絵も素敵だった。

  • 猫の親方のもと、下町でネズミと呼ばれる孤児の少年ノア
    後ろ暗い仕事も依頼されると何でもやるが、仲間の年下の少年たちにはたよりにされている

    ある日、修道院からある本を持ちだしてほしいと依頼されるが…。

    ノアが探している姉のような少女ロゼ、依頼主に監禁されている自分を“王女”だという居丈高な少女、読み手を選ぶ“サロモンの書”、修道院の男たちの思惑、王家の系譜。

    そして、ノアの友人となったしゃべるネズミ。
    これから、どのような物語が紡がれていくのだろうか

    〇ネズミくん、ちょっとした言い間違いが面白い
    〇話し手が変わるのがちょっとわかりづらい。年かな…

  • 子どもなら夢中になるのかも。
    大人だとどうしてもディテールが気になるかな。
    架空の国を舞台にしたファンタジーで、地名や登場人物の名前はフランス語っぽいし、登場人物の見た目は白人である。時代的には中世、場所もヨーロッパのようではある。
    しかし、修道院はあるがキリスト教はないようで、火の神や太陽神を信仰している。
    「下町ネズミ」という町の何でも屋を請け負っている孤児の集団がでてくるので、彼らがもっと活躍するかと思ったらそうでもなく、ネズミたちを支配している猫の親方というのが、オリバー・ツイストのフェイギンみたいな悪いけど魅了ある人物かと思ったがあまり出番はなく、悪者のコクトー男爵との対決とサロモンの書の謎(まだ解けてない)が物語のメインになっている。
    勧善懲悪がはっきりしているのはまあ良いとしても、悪役にあまり魅力がない。
    長編だと(これはシリーズの第一作みたいだし)悪役に魅力がないと面白くないんだよなあ。
    主人公もこの本ではまだ魅力的とは言いがたい。
    でも、まあ最後まで読ませるし、それなりに面白いと思う。
    指輪とかゲドとかクラバートとか超一流のファンタジーと比べなければ、悪くないかなと。

    しかし登場人物が白人ばかりなのはやめて欲しい。架空の国の出来事なんだから(本当の中世ヨーロッパではなく)、別に白人だけにする必要はない。
    というか、やたら金髪や青い目を礼讃してるのが(昭和の少女マンガみたいで)安っぽい感じ。
    主人公が青い目であることが、今後重要なファクターになるとしたらそれはそれで良いけど、赤毛を金髪に染めるとか、本物の金髪じゃないとかはどうでもよくない?

  • 下町でみなしごとして育ったノアは、かつて一緒に暮らしたロゼ姉さんを探すうちに、魔法書サロモンの奪い合いに巻き込まれる。サロモンに現れた字を読めたノアは「青の読み手」であると言われ…。
    骨太のハイファンタジー。

  • ラベンヌ王国の王都ミラの貧民街で“下町ネズミ”として働く少年ノア

    姉のように慕っていたロゼの居場所と引き換えに、修道院から“白い本”を盗み出す仕事を引き受ける

    それは選ばれた者だけが読むことができる古の魔法の本〈サロモンの書〉だった

    本を手にしたノアに迫る魔の手
    うかんだ文字をノアが叫ぶと……

    「あなたこそ、〈青の読み手〉にちがいない。わたしたちは、ずっとあなたをお待ちしていたのです。」

    《一冊の本をめぐり紡がれる長編ファンタジー》──袖の紹介文

    近世フランスを思わせる王国を舞台に、陰謀渦巻く権力争いに白魔術と黒魔術が入れ乱れ、テンポよく進行する物語は一気読みまちがいなし

    著者は『ニコルの塔』で第5回ちゅうでん児童文学賞大賞(2003年)、第22回新見南吉児童文学賞(2004年)を受賞した小森香折

  • いや~児童書ワクワクかくあるべし。夢中になってたちまち読了の面白さ。最初は独特の子供向け文体に多少の抵抗を感じるが、入り込むとたちまち引き込まれる。出生に謎を持つ孤児のノアが選ばれた魔法の書の読み手だとして古代魔法使いや神殿の歴史をまるごと抱えた、陰謀野望危険に満ちた冒険に巻きこまれる。双子の王女、悪役王妃と通じ合う魔術遣い、正義の魔法使い。やはりこのひとのファンタジーワールド、その感性とストーリーテラーとしての能力は約束された面白さだなや。

  • これはまた、続きを追いたいシリーズが始まった。
    可愛げないけど心の強い王女の「安心しなさい。私はロゼではない」の台詞に、掴まれた。

  • 黒魔術白魔術,孤児少年,双子の王女,ファンタジー要素いっぱいの少年の成長物語.ノア少年と行動を共にする言葉を喋る白ネズミのパルメザンことパルが意外と頼りになってかわいい.

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著者プロフィール

東京都に生まれる。『ニコルの塔』でちゅうでん児童文学賞大賞、新美南吉児童文学賞を受賞。作品に「青の読み手」シリーズ、「歴史探偵アン&リック」シリーズ、『夢とき師ファナ』『時知らずの庭』『ウパーラは眠る』など、翻訳に『リスベート・ツヴェルガーの聖書物語』などがある。

「2023年 『黒の皇子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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