小説 言の葉の庭 (ダ・ヴィンチブックス)

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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本棚登録 : 1080
感想 : 125
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040663999

感想・レビュー・書評

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  • 読み始め、少し読みづらさを感じましたが1章、2章と進むうちにぐいぐいと引き込まれました。文章から、雨音が聞こえ、藤の花の香りが漂ってくるかのようでした。秋雄と雪野のそれぞれの一人で地に足をつけているような雰囲気とお互いがともに惹かれていく姿が見ていて切なくて歯がゆくてこの二人だけを追いかけたくなりました。背景にある人々との関係も気になるところではなるんですが....。

    映像を観てはいないのですが、それでも小説として楽しめました。映像もみてみたいです。

  • アニメ映画「君の名は」が大ブレイクして
    超有名になった新海誠
    娘に教えてもらってかなり前からアニメとか観てました
    映像がきれいで惹かれます
    この小説も美しかった
    やはり情景がきれい
    挟まれる和歌もいいなあ
    ≪ 雨の中 黙って言葉を 紡いでく ≫

  • 「人間なんてみんなちょっとどこかおかしい。」
    あー、そうだなぁと思う。

    人が追い込まれていく様子は少ししんどかった。
    が、人は、
    どこかでどうにか何とかしながら生きて行く。

    心をほどくものがあれば救われるのに。

    映画は見てないけれど、
    映像あってこその作品という感じがとてもする。
    いつか確認してみたい。

    受け手の様子を見ているような
    「間」のある言葉遣いはとても新鮮。

    「手つかずのコーヒーは音もなく冷め続けていく」なんて、
    やっぱり、連続していて映像的。

    そして万葉集が美しい。

    ここからは余談。

    『夏の野の 繁みに咲ける姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものそ』

    素敵だ。

    『なるかみの すこしとよみて さしくもり あめもふらぬか きみをとどめむ』
    あえての仮名文字。
    素敵だ、ほんとに素敵だ。
    学生のころ、全然勉強しなかったけど
    万葉集だけは好きだった、、、のになぁ。
    忘れるなぁ。

    この歌の返歌がまた素敵。

  • ーまた、会うかもね。もしかしたら、雨が降ったらーサボるのは雨の午前中だけ、と中途半端に真面目な孝雄と朝から公園でビールを飲む雪野。雨の降る公園の東屋で、不思議な逢瀬が2人のはじまり。『傘が全天のスピーカーとなって、雨音を耳に届ける』雨の音も蝉の声もまるで聴こえてくるようで、ストーリーも紡がれた言葉も装丁もとてもきれいでじんわり温かい。映画「君の名は」を観て雨の情景の美しさに感動したばかり。ぜひこちらの映像も観てみたくなりました。

  • なるほど、弧非(こい)の物語。語り手を変えながら進んでいく物語は、それぞれの寂しさともどかしさを飲み込み、年の差恋の必然とその虚しさ、それでも「好きにならざるを得ない」人の業を感じる。雨の持つ演出効果と万葉集の恋/弧非の歌の使い方も上手い。 そして、同作の映画は、この小説のPV/予告編だったのだろうか。それほど、比較した時の内容の濃さが違った。小説からエッセンスを抜き出して美しい画像をつけるとあの映画なのか。というか、全然違う作品だと思うし、監督/著者はそれを意識してそれぞれ創ったのだろうと思われる。

  • 作者があとがきで書いたように、映像と文章ってこんなに表現のしかたがちがうのか、と改めて思った。
    先にアニメを作ってから、小説は後追いだ。アニメを観てからこの小説を読むと、そう強く思う。

    いろんな人の目線で書かれているのもいい。

  • アニメーション作品を小説にしたもの。

    靴職人を目指している高校生の男の子が雨の日の公園の東屋でどこか影のある謎の女性に出会ったことから物語が始まる。(その前に男の子が公園に行くようになった理由につながるストーリーがあるのだが)

    言葉を交わすようになるうちに、お互い気になる存在になっていく。そして、男の子は女性のための靴を作ることを決心し・・。

    物語は短編構成になっており、メインの2人だけでなく、彼らに関係のある人たちの視点からもストーリーが描かれている。第三者の視点を織り交ぜることでストーリーに幅と奥行きを持たせる効果を与えてるのではないだろうか。2人の視点だけでは彼らに繋がる人たちの存在が単なる脇役から抜け出ないと思うからね。

    映像版の方は見てないけど、小説を読んだ後だと物足りなく感じるかもしれない。実際、映像版に手を加えた内容になってるから当然なんだけどね。けど、映像版も小説と違う魅力があると思う。

    前から気になってた作品だったけど、読んでみて良かったと思う。また時間があれば読み返してみたい。その時は違う見方ができるのかもしれないしね。

  • アニメーションの方は好きで何回か見ました。そちらで描かれていない部分が多く、映像から持っていた印象と結構違う部分もありました。また、映像を見直してみようと思います。

  • 居心地の良いあの時間がずっと続けばよかったけど、いつか歩き出さなきゃいけないから

  • 発売日に入手したけど、梅雨の時期まで待とうと熟成させた一冊。雨降った日に読み始めたら、あっという間に読んでしまい、結局梅雨まで待てなかった・・・。
    孝雄のバイト先のシャオホンの話がとてもよかった。
    新海監督は細やかな心情表現がとてもうまい。
    この映画・小説のおかげで雨の日の憂鬱はかなり軽減して、景色を楽しむことができるようになったような気がする。

著者プロフィール

1973年生まれ、長野県出身。
2002年、ほとんど個人で制作した短編作品『ほしのこえ』でデビュー。
2016年『君の名は。』、2019年『天気の子』、2022年『すずめの戸締まり』公開、監督として国内外で高い評価と支持を受けている。

「2023年 『すずめの戸締まり(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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