- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040709888
作品紹介・あらすじ
物をバラバラにすることに異常な情熱を持つ少女・玲夏と幼なじみの少年・友紀は、総合パズル研究同好会に入部する。とあるバラバラ連続殺人事件の謎を調査する友紀たちだったが、校内で1人の生徒が殺害され――。
感想・レビュー・書評
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天使玲夏(あまつかれいか)は普通じゃない。感情表現が希薄な一方で、物をバラバラにすることには異様な情熱を持っている。彼女の幼なじみ・結城友紀(ゆうき)は、一緒に入部したパズル同好会でバラバラ連続殺人事件の謎を追うが──。
なんでも分解したがる玲夏と、それを組み立て直す結城。そんな凸凹高校生コンビが挑むのは、犯行現場に謎のURLを残していく殺人鬼“アドレス”。玲夏たちは同好会のメンバーとともにURLの謎を解読しようと試みるが、そんな中で生徒からも被害者が現れる!事件が一気に混沌となる中盤からが見どころ。
おじさんにはまぶしいほどにライトノベル!軽やかな文体に、結城の物事をこねくり回したモノローグは王道とも言える。序盤はコミカルながら、玲夏の危うい癖がシリアスへと揺さぶりをかけ、結城の存在で均衡を保ちながら事件を分解していくのが面白い。事件の底に流れる狂気と青春がほろ苦い。分解と破壊は違うって着眼点がユニークで好き。元に戻せるかどうか。それを見極めるラインは、実生活でも重要な要素ではないだろうか。
あと、結城のモノローグでこれが一番お気に入り。こういうノリが嫌いでなければぜひ。
触らぬ神に祟りなし。
そんな事はわかっている。嵐野なんて祟り神もいい所。もし、タの数でその脅威度が表せるのなら、タタタタタタタタタタタリ神だ。
このタの数は特級呪霊かケンシロウすぎる。どちらも脅威度が高いのは同じか(笑)
ベースはライトミステリだけど、それだけじゃない苦味を求めたい人にお薦めしたい一作。
p.53
必ず嘘をつかねばならない人間は、嘘に嘘を重ねて真実を話してしまう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミステリ。学園。
個人的な印象は、《涼宮ハルヒ》シリーズの舞台設定で、ファンタジー・SF要素を抜いて、ミステリに振った感じ。
破天荒なヒロインのインパクトが強い。ノートの内容、可愛かったです。
ミスリードを誘うような、思わせぶりな描写がいくつか見られたが、あまり好みではないです。それをやるなら、直後に種明かしをせず、しっかり伏線を張って、物語の終盤で驚かせてください。 -
大好きなふたり
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『娯楽』★★★★☆ 8
【詩情】★★★★☆ 12
【整合】★★★☆☆ 9
『意外』★★★☆☆ 6
「人物」★★★★☆ 4
「可読」★★★★☆ 4
「作家」★★☆☆☆ 2
【尖鋭】★★★☆☆ 9
『奥行』★★★☆☆ 6
『印象』★★★☆☆ 6
《総合》66 C -
ライト文芸らしく、モノをバラバラにすることに異常な執着を見せるヒロイン・天使玲夏のキャラクターは抜群に立っており、そんな彼女を抑制しつつ、時に後始末に奔走する主人公との関係性も危うい均衡を保っていて非常に良い。物事をバラバラにする彼女の対比として、主人公の謎を解く行為をバラバラになったものを再度組み立てる=真実を再構築するという見立ても中々のもの。文章は読みやすいながらもいささか淡々とし過ぎているきらいがあり、悪く言えば起伏がない。ただ、異常な彼女の観察日記という体でも読めるため、読み飽きることはなく、普通の人間の視点であるためリーダビリティは高い。しかし個人的には「クビキリサイクル」のいーちゃんのような「壊れた」部分が主人公にも欲しかった気がする。オブザーバー=観察者型の主人公は食傷気味。真相はやや意外で、ミスリードは成功はしているものの、主人公の真実の再構築という設定はいまいち生かされず、凡庸な結末に収まってしまったのは残念。あれなら真っ当に終わらせずに、歪んだ結末でも良かった。ヒロインの現場荒らしに対して何もお咎めなしなのも疑問。真相そのもののは面白く、とある動機のためにサイコパスを偽装しようとした一般人が、本物のサイコによって暴かれていくという構図は魅力的だったのだが……。
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もっとラノベぽく、軽いノリなのかと思ったら、結構なシリアス具合でした。
語り部であるユウキくんは、思わせぶりなキャラだったな。
伏線が分かりやすかった。