女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け (富士見L文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 209
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040743233

作品紹介・あらすじ

「私は、私を殺した犯人を知りたい」
死の間際、薄れゆく意識の中で女王オフィーリアはそう願う。
すると、王冠の持ち主にだけ与えられる“古の約束”により、妖精王リアは十日間だけオフィーリアを生き返らせてくれた。
「一度は死んだ身よ。ならば今度こそやりたいことを全てやってやるわ」
オフィーリアを使って権力を握ろうとした夫、
周囲に流されがちで頼りない弟、
恋心を寄せてくる近衛騎士……
数え上げればキリがない犯人候補たち。
女王を殺したのは誰なのか!?
生前の雪辱を晴らす強烈な平手打ちが炸裂する王宮ミステリー開幕!! 

感想・レビュー・書評

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  • 10日限定で生き返り、己を殺した犯人を捜すことを決意した女王。粛々とした女性だった女王が、罵声をあびせるのが楽しい。そして弟、だめだそんな言葉教えちゃ(そこがよい)。
    これが気に入った方は、茉莉花より、「おこぼれ姫と円卓の騎士シリーズ」のほうがおすすめです!かっちょいい姫が、騎士に囲まれうはうは……ではなく、騎士を振り回していきます。

  • 面白かった。なるほど、これはスカッとするやつですね。
    ミステリーとしては最後の犯人を詰めるところが甘めなので、手の込んだ精巧な本格ミステリーを求めると合わないかもしれませんが、分かりやすく読み易いライトミステリーとしては十分に楽しい作品になっています。
    何より一度死を経験して開き直ったオフィーリアが小気味良くて素敵です。
    この作者さんの持ち味だと勝手に思っていますが、本当に格好いい女性を書くのが上手いんですよね。
    単純に強くて平手打ちに物を言わせている訳ではなく、上品さや可愛げもあるところがとても魅力的です。護国卿フェリックス・レヴィンとか。
    あとなんだかんだ腹は立てていても可愛い弟とか、クソッタレだけど抜け目のない夫との会話が面白くて、ちょっとした叙述トリック的なところもあり、全編楽しく読みました。
    読後感も爽やかで良かったです。

  • まさか殺された本人が甦って、自らその死の謎に挑もうとは。
    タイムリミットは10日間。
    その間に、女王は犯人探しもさることながら、タイムリミット後「再び」自分が死んだ後のことも考えて動かなければならなかった。
    なかなかに難易度が高い。
    自分を殺した犯人を探して終わり!で済まさないあたり、責任感の強い女王様である。

    少なくとも実行犯は、割と早くに文章内で自白はしているが、全容は終盤まで全く見えず、先が気になって気になって一気読みしてしまった。
    終盤になってその謎が明かされて、驚いたのなんの。
    ネタバレになりきらないように言うと、昭和の名探偵、金田一の話に似た話はあったと思うが、それを西洋風の世界観で読めるとは。
    そう、この物語、割としっかり本格ミステリである。
    ミステリ的な謎解きをしながら、それで弟を改心させ国のための足元固めをするのだから、本当に難易度の高いことをやってのけたと思う。

    本格ミステリで、タイムリミットもあるのでハラハラさせる話でありながら、ところどころにお茶目なところも。
    特に女王の暴言は笑える迷言集になっているので、四苦八苦しながら語彙を捻り出している弟君とセットで楽しんで欲しいところ。
    生き返ってからは、男性陣をばったばったと言葉のナイフで切り裂いていくので、爽快なのだ。
    それでもタダで転ばなかった旦那さんは凄かった。
    (そして、後で手痛いしっぺ返しを食う)

    終わりはどうなるのだろうなと思っていたら、女王の甦りが「呪い」だったという点がキーになる。
    呪いには勿論あれもつきもので。
    跳ね返された呪いがどうなるのか、後は本編をご確認ください。

  • 自分を殺した犯人を知るため10日間だけ生き返った主人公が、やりたいことをすべてやってやる、と数多いる犯人候補たちに立ち向かう王宮ミステリー。
    オフィーリアの格好良さに惚れ惚れ!
    男性陣がみんな「クソったれ」かと思ったら、弟くんが目覚めてくれてよかった。
    でもそんな言葉教えちゃダメだよ(笑)。
    作者様は本当に、複雑で一面だけで捕らえきれない深みのある人物を描くのがうまいなぁ、と。デイヴィッドとかほんといいキャラ!
    殺人ミステリなのに「爽快」ってどういうこと? って思ったけれど、本当に爽快でした。おもしろかったです!

  • 挿絵が一切なかったぁ泣

  • この性格でよく大人しくしていたなという感じもありますが、復活したオフィーリアの快進撃が楽しい。
    悪口を言えないとか可愛らしいところも残しつつ、しっかりしていて好感が持てます。

  • この作者さん、すべて地の文で説明入るから情緒に欠けるとは思うけど、内容は間違いなく面白いんですよね。

  • 陛下と護国卿、将来的には意外にお似合いなのではないかしら……。と、思った次第。

  • 死を経験し、呪いによって期限付きの生を与えられたオフィーリアがいままで堪えてたものを平手とともに炸裂させていくのがおもしろい。でも個人的に騎士よりも夫がほんとにキモくて、結局この夫とまた元サヤになるんだろうなってフラグが立ってるのがモヤモヤするわ。

  • 生き返ってから10日間というリミットがある中で、どういう結末を迎えるのか、ページを捲る手ご止まらなかった。生前、と言っていいのか分からないが、生前とは違う、オフィーリアの振る舞いが、弟や夫とそれまでとは異なる、それまでよりもより親しい関係を築いていく様子に、オフィーリアは予想しているし気持ちの上でも準備しているから良いけれども、もし10日後にオフィーリアの生が尽きてしまったら周りの人たちは物凄くショックを受けるのではないかとハラハラした。この先、オフィーリアが周囲とどんな関係を築いて、深めていくのか楽しみな終わりだった。
    最後まで辿り着いたときの読後感はよし。

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著者プロフィール

第13回えんため大賞≪二期≫ガールズノベルズ部門にて、「おこぼれ姫と円卓の騎士」が優秀賞を受賞し、作家デビュー。

「2023年 『聖女と皇王の誓約結婚 2 恥ずかしいので聖女の自慢話はしないでくださいね…!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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