- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040821436
作品紹介・あらすじ
大物政治家の金銭スキャンダルから芸能人のゲス不倫まで、幅広くスクープを連発する週刊文春編集部。 その取材の舞台裏を、編集長と辣腕デスクたちによる解説と、再現ドキュメントにより公開する。
第1章 スクープ記事はどのようにつくられるのか 新谷学(『週刊文春』編集長)
一週間のタイムスケジュール
スクープは四種類に分けられる
右トップと左トップ
受け継がれるスクープ獲りのDNA
編集長のクビを懸けてでも守る看板
情報ヒエラルキーとNHKプロデューサー横領事件
週刊文春は「正義の味方」なんかじゃない
目指すのは裁きではなくエンターテインメント
一般の人との付き合い、ネタ元との付き合い
親しき仲にもスキャンダル
デスクに求められる三要件
狙わなければスクープは取れない
<再現ドキュメント>Scoop1 “スキャンダル処女”ベッキー禁断愛の場合
第2章 スキャンダルの構造 渡邉庸三(『週刊文春』特集班デスク)
振り出しは皇室取材
「芸能界」というガバナンスのない世界
メリー喜多川という生きる伝説
ベッキーからの手紙
事務所とのしがらみはもたない
プライベートを報じる意味
デスクの日常と情報屋の存在
スクープに吹き込まれる人間の本質
美智子さまが雅子さまを叱った!
<再現ドキュメント>Scoop2&3 甘利明大臣金銭授受告発&元少年A直撃の場合
第3章 政治とスクープ 加藤晃彦(『週刊文春』特集班デスク)
編集部内での「野党」
右トップがもつ意味
圧力をかけられるのは歓迎
民意はコントロールできない
週刊文春は不倫KGBか?
「取れ高」がすべてじゃない
一期一会のネタ探し
「最後の一歩」を踏み出せるか
<再現ドキュメント>Scoop4&5 ショーンK経歴詐称 & 舛添知事公私混同問題 の場合
第4章 メディアの可能性――未来への挑戦 新谷学(『週刊文春』編集長)
デジタル配信サービスと記事使用料
文春リークスの可能性
週刊文春なら「買って損はない」
感想・レビュー・書評
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面白い!週刊文春の記者が想像より遥かに熱量と信念を持って取材していたことがわかった。ただの下世話なゴシップ屋というイメージだったが、権力に屈しない、スクープ第一主義の、社会の風通しを良くするためには必要な週刊誌だと感じた。
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あのスクープはどう取材されたかの裏側がわかって面白かった。大事なのは基本。地取り、物読み、張り込みと。
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日本で一番有名な純文学の新人賞・「芥川賞」を創設した格調高い出版社である文藝春秋の週刊誌部門として、1959年に創刊された週刊文春。「新聞・テレビが書かない記事を書く」という信念は年々エスカレートしており、政治家の汚職や芸能人の不倫などのスキャンダルを狙い撃ち、その人生を狂わす「文春砲」の恐ろしい破壊力は他の追随を許さない。本書は週刊文春の編集長と、記者の取材をサポートするデスク達が「スキャンダルの当たり年」と呼ばれた2016年の「ベッキー禁断愛」「甘利TPP担当大臣の賄賂疑惑」「舛添知事・公用車の私的利用」など一連のスクープについて、種蒔きから生育・収穫そして後始末までを克明に記した衝撃のドキュメンタリー(笑)。またこの本が文春ではなく角川から出されているというネタまでもが面白い。
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そんなにスクープが必要?そんなに知りたい事ってあるのかな?知らなくてもいいことを無理やり?知らされているようなきがして・・・・最近特に。
不寛容な世界をつくっているのではないのかなぁ -
20200430
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文春はゲリラ。情報ヒエラルキーがあるからこそ、新聞やテレビでは扱いづらい情報や週刊誌的だと判断されるようなネタを教えてもらって記事にしていた。ゲリラだからこそできる戦いもある。自分たちなりの戦い方ができるところから生まれるスクープもあった。
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中々よし
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大型スクープの連発によって世の注目が集まり、「『週刊文春』はどうしてあんなにスクープを飛ばせるのか?」という舞台裏を明かす本の刊行が相次いでいる。
本書もその一つで、ドワンゴが作った『週刊文春』編集部のドキュメンタリー・ドラマがベースになっている。
数々のスクープの舞台裏は、読み物として面白かった。とくに、ベッキー「ゲス不倫」記事の舞台裏を明かした章は、映画のようにドラマティックだ。
ただ、昨年に類書の『スクープ!』(『週刊文春』の元エース記者・中村竜太郎の著書)を読んだときと同様、「週刊誌記者って、そんなにご立派な仕事なのかね?」という違和感が、最初から最後まで拭えなかった。
昨年の映画『SCOOP!』(ヒットしなかったけど、よい映画だった)で、福山雅治演ずる写真週刊誌のパパラッチ・カメラマンは、「俺たちのやってる仕事は、ゴキブリ以下、ドブネズミ以下なんだよ」というセリフを吐く。
そういう醒めた自己認識が、週刊誌記者・編集者にも必要ではないだろうか。
そのような自己認識を持ったうえで、「ハイエナみたいな仕事だけど、俺たちなりの矜持を持ってやってるし、けっこう体張ってるんだぜ」と言う本だったなら、私も素直に楽しめただろう。
しかし、本書に登場する『週刊文春』編集長やデスクの言葉は、妙にカッコよすぎるし、キレイゴトすぎる。
本書の中でいちばん共感できたのは、ベッキーの不倫スクープに力を発揮した大山という女性記者が、次のように言う部分。
「今回の取材に限らず、人を傷つけているという自覚はありますけど、それに対して記者は、すいません、申し訳ありませんって言ってはいけないんだと思っています。ただ、こういう記事に関わったことで、自分は不倫をしてはいけない人間になったんだとも思いました。いままで一回も不倫をしたことはないですけど、こういう記事をつくった以上、しちゃいけない人間になっちゃったなって。自分がそれをしていたら、人のことを言っちゃいけないし、説得力がなくなってしまいますからね。何かの記事をつくるたびにそうした背負うものが増えている気はします」
こういうまっとうな感覚を持った人が、『週刊文春』の中で少数派でないことを願いたい。 -
文春の立場からの自己肯定的なあれこれ.へぇ,そんなこともあったのかと改めて思うこともあった.でも,一つのスクープを作るのにかける体力,気力、そして膨大な時間,まるで刑事さながらの難行苦行.ただ,独りよがりの正義にならないことを祈る.
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2016年の「週刊文春」は凄かった。タレント・ベッキーと既婚男性
ミュージシャンとの不倫、自民党・甘利センセイの金銭授受疑惑、
ジャニーズ事務所の女帝メリー喜多川の独占取材、舛添東京
都知事(当時)の公私混疑惑等々。
ライバル「週刊新潮」が霞んでしまうほどのスクープ連発だった。
そんな数々のスクープがいかにして生まれたのかを、編集長や
デスクが綴ったのが本書だ。
スクープの裏側とはいっても当然のように詳細な手法が書かれて
いるのではない。だって、それは企業秘密だものね。
要は地道な取材と情報提供者との人間関係の構築。週刊誌に
限ったことではないと思うが、基本中の基本だよね。
華々しく紙面を飾ったスクープがある一方で、時間をかけて取材
しても記事に出来ないことも山ほどあったのだろうね。それでも
腐ることなく次のネタを追い続けるのが記者根性だと思うわ。
一時期、「週刊文春」の書評が好きで毎週購入してたのだが、近年
は電車の中吊り広告に機になる記事が掲載されている号だけしか
買わなくなったな。皇室関連は必ずチェックするけど。
本書で怖かったのは神戸連続児童殺傷事件の元少年Aへの直撃
取材。何日も張り込みを続けて、やっと本人を直撃したと思ったら
恫喝されて追いかけまわされるなんて、怖いわ。
でも、編集部はきちんと記者たちを守っている。この辺りは立派だ
と感じた。
中吊り広告の記事の配置がどうなっているかも書かれているので、
これは今後、中吊りを見る時の参考になったけれど「週刊新潮」の
中吊り広告を入手して記事を差し替えていたのはいただけません。
2017年も間もなく半年になるが、今年はどんな「文春砲」が出て来る
のだろうな。 -
■編集部内では記事を各担当記者を「カキ(書き)」,そのサポート役を「アシ(足orアシスタント)」と呼ぶ。
■デスクに求められる三要件
①ネタを取ってきてそれを企画に落とし込んでいく情報収集力
②原稿を書く力(文章力)
③記者のモチベーションなども考えながら現場を回していくマネジメント力(統率力) -
ベッキー事件等の舞台裏。たいしたことは書かれていない。
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〇〇(他週刊誌)は信用出来ないけど、文春は信用できる。私達にこういう感覚があるのは、なんとなくとかそういうことではなくて、文春を作っている彼らのポリシーがしっかり伝わってきているからなんだな。
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2016年以降、数々のスクープを飛ばす週刊文春の記者によるスクープを追う体験記。
若干手前味噌な感はあるものの、当事者しか知りえない緊迫感があって面白かった。 -
大物政治家の金銭スキャンダルから芸能人のゲス不倫まで、幅広くスクープを連発する週刊文春編集部。なぜスクープを取れるのか? その取材の舞台裏を、編集長と辣腕デスクたちによる解説と、再現ドキュメントにより公開する。
清原、ベッキー、甘利、元少年A…2016年に「文春砲」の標的となった人々だ。本書を読んで電車の中吊り広告に右トップと左トップがあることを初めて知った。スクープの裏には地道な取材の積み重ねがあることも改めて知った。今後も新聞やテレビが「知っていても報じられない」ネタを追いかけて、週刊誌らしいジャーナリズムを発揮してほしい。
(B) -
すごいタイトルですね。それに惹かれて、読書リストにもあげてないのに買って読んでしまった。まっ、可もなく不可もなく、というところ。
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ベッキー不倫、甘利大臣金銭授受、舛添知事公私混同など
「文春砲」と称されるスクープを連発し復活した『週刊文春』
“スクープ主義”を徹底して追い続ける編集長、デスクが
徹底した、ときに危険をともなう取材の裏側を再現し解説する
本書の内容もさることながら
「文春新書」でなく「角川新書」から出されたこと自体が興味深い -
何と角川新書から出ているとは、気付かずに読んでいた。