秘帖・源氏物語 翁‐OKINA (角川文庫 ゆ 3-10)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001905

感想・レビュー・書評

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  • 光の君が芦屋道満に助力を願う形で怪異の謎を絵解きしていく話。
    源氏物語というより、陰陽師のスピンオフ作品という印象だったよ。

    いゃ、まさか途中から景教は出てくるしギリシア神話は出てくるし、
    これは史実か?と調べてしまった(笑)
    ダヴィンチ・コードっぽいね。
    うん。面白かった。

    光の君が、途中から女好きな安倍晴明のようだった。

  • 傑作。
    陰陽師が好き。歴史・神話・宗教ものが好きなら間違いなし。

  • もののけが出てくる話は好きだけれど、この作品より陰陽師シリーズの方が好きかも(^^ゞ 夢枕獏さんの作品を読むと、蘆屋道満がイイヤツに思えてきます

  • この小説は電子書籍でも発売されたようですが、私が読んだのは勿論、紙ベースの実体のある本です。
    夢枕獏さんといえば、陰陽師安倍晴明シリーズで馴染みが深いのですが、この源氏物語と名のつく小説も当然その要素が大きく、作者自身のあとがきで、この小説の生まれた経緯が明かされていて、読み終わってなるほど!と納得しました。読んでいて映像化されたかのような錯覚さえ覚えました。登場人物は当然、”光源氏さま”そして妻の葵の上、愛人の六条御息所。ようやく身籠った葵の上の正体不明の憑きものを祓うために、安倍晴明のライバルといわれる道魔法師、蘆屋道満が登場し活躍します。取りついた憑きものの鬼が出す謎々は、小学生の頃よくやったとんちの効いた謎々の問題を思い出させました。この謎々を解くために道満の案内で光の君は、古今東西の神を探す旅に出かけ、ついにもののけの正体を見つけるのです。アニメチックだなあ・・と思っていたら、作者も参考にしたのは大和和紀さんの書いた少女マンガ「あさきゆめみし」だったということですから、これは当然でした。その意味ではこの小説は、源氏物語の持つイメージから出発したものといえますから、1000年先の時空を超えて発展する源氏物語はすごい読み物だと改めて思いました。

  • 夢枕獏さんの源氏物語と言う事で、即買いしました。
    結果から言うと、拍子抜けしました。
    高評価の方が多いので、わたしの読み方が足りないのかも知れませんが、もの足りませんでした。

    陰陽師シリーズは大好きですし、その他の作品も かなり読んでいる方だとは思います。
    難しい文字も言い回しも、苦になりませんし、むしろ言葉を楽しむ方ですが、今回は「説明を読んだ」っていう感じです。

    私が主人公二人のどちらにも魅力を感じる事ができなかったからだと思います。
    え?いやいや、もう少ししたら…と思っているうちに終わってしまいました。

    こんな事、本当に失礼とは思いますが、あとがきに有るように、獏さん、本当に書きたくなかったんじゃ!?

  • イマイチだったかな。

  • 『源氏物語』で、葵の上は、なぜ命を落としたのか。永らく深い闇に包まれてきた葵の上の死にまつわる秘密が、千年の時を超えて、今明らかにされる。
     六条の御息所、惟光、頭中将、物の怪や神々が繰り広げるスペクタクル・ロマン。
     光源氏とは何者だったのか。京の都に隠された異教の神にかかわる秘密。暗黒の陰陽師である蘆屋道満は果たして敵か味方か。
     この一冊に、世界最古の小説『源氏物語』の精髄が込められている。
     

  • あとがきを読んで思わず笑ってしまった。
    なるほど、確かにこれは傑作です。

    陰陽師シリーズ好きにはたまらない一作だと思います。


    今回も素敵な夢枕獏ワールドを見せていただきました。

  • 「陰陽師」「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」のように、間合いやリズム感が心地よい。源氏物語は読んでみたいと思いつつ、「あさきゆめみし」もまだ読んでいない。
    透明感のある光源氏と得体の知れない様子の芦屋道満が、心地よいリズム感で、物語を進めていく。
    暗闇にうごめくもののけの空気や龍笛や鼓の音が響く様子が見えるような気がして、良いひとときを過ごすことが出来ました。

  • 『陰陽師』の夢枕獏らしい物語。
    『陰陽師』では、いけ好かない役でもあった芦屋道満(あしやどうまん)が登場し、この物語中では素敵な演出をこなしている。
    光源氏はこれまた安倍晴明(本作には出て来ないよ)のような不思議な雰囲気をもっているんだけども、物語の終末には意外な一面を見せる。

    『源氏物語』というより、『陰陽師』の感覚でスラスラと読むことができる。
    宗教哲学、存在論、すべてが絡み合った物語で、特に後半からがゾクゾク来るほど盛り上がる。
    物語の謎が帰結するところに、この上ない快感があるのは、さすが夢枕獏だ。
    作者自身に『傑作』と言わせしめるのもワケが分かる!

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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