続氷点(上) (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003862

感想・レビュー・書評

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  • 2014.10.05

    続氷点の上巻は、氷点下巻の怒涛の展開と比べて、やや落ち着いた流れで進みます。でもページをめくる手は相変わらず止まりません。

    続氷点では『原罪』から『赦し』をテーマに登場人物たちの揺れ動く心情が上手に描かれています。
    陽子ちゃんと夏枝さんと村井さんはいったいどれほど美しい方なのか、ものすごく気になりながら読んでいます。
    そして真実が明かされた今、殺人犯、佐石の子供はどこでどうしているのか…下巻には登場するのでしょうか。

  • とても面白かった。

    血のつながりのない親子が中心となるストーリーは、川端康成の名著「山の音」に近い印象を受ける。
    しかし、山の音に比べると、よりドロっとした人間関係が描かれていて、濃厚な味わいとなっている。
    それでいて、修辞法が少ないシンプルな文章なので、ストーリーを純粋に楽しみながら、テンポよく読み進められる。

    著者は敬虔なプロテスタントらしいが、例えば遠藤周作のように、明らかに宗教をテーマに持ってきているわけではない。
    それでいて、原罪というものを考えさせられる内容になっている辺りは、著者の高い筆力が伺い知れる。

    冒頭部分に、一気に中心人物が登場するので、そこはゆっくり読み進めた方がいいかも知れない。
    ここで人間関係を十分に把握しておくことが、この著作を心ゆくまで堪能することにつながると思う。

  • ーー真の意味で自分を大事にすることを知らない者は、他の人をも大事にすることを知らない
    前編とは変わって希望を失った陽子の姿は読んでいて痛々しい。けれども、周囲の人は何を考えて生きているのかにも興味を持った陽子は更に深みが増したようにも感じた。

  • 20140317

  • 2大ナルシスト、夏枝と村井健在。
    無垢で良い子ちゃんだった陽子までもアンニュイになってしまい(そらそうだ)、どんよりした空気を払拭してくれるのは最早辰子さんのみ。
    さてどうなるか。下巻へ続く。

  • 相変わらずの夏枝の自己愛ぶりと,達哉のストーカーぶりが面白かった.

  • 続編もまた、目が離せず。息を詰めるように読み切った。

  • 相変わらず、読み始めたら止まらない。
    一つ一つの表現がよい。展開も突拍子なくもなく、予想通りでもなく続きがきになる。
    孤児院とか、今まで読んだものでもよくでてきたけど、どこか違う世界だった。豊かな家庭に育った養女だとまた現実味をもって考えさせられる。

  • 氷点が面白かったので、続もすぐに購入してしまった。

    だが、続の上巻は、氷点の出来事から自分たちを考える内省の時間が多かった。物語展開が早く、ページをめくるたびにドキドキさせられる氷点と比べると、かなり興奮度が落ちた。

    これで、どのような展開で物語が終わるのか。本当にドキドキまたさせてくれるのか、色々疑問を残したまま上巻は終わる。

  • 読みやすい。一気読み。

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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