武者小路実篤詩集 (角川文庫 し 1-8)

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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041004258

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  • 75冊目『武者小路実篤詩集』(武者小路実篤 著、1999年1月、角川書店)
    白樺派の代表的作家、武者小路実篤の青年期から晩年までの代表的詩篇をほぼ年代順に収録。平素な文章と素朴な視点で書き表される実篤の詩は、誰でも書けるのではないかというくらいに脱力感がある。しかし、その中に潜む力強い生への渇望と戦う意志は、必ずや読者を勇気づけることだろう。
    苛立ちや恐れが現れた20代の作品から、涅槃の境地にも似た90代の作品まで、大作家の一生を覗き見ることが出来る一冊。

    「弱き者よ、立て!」

  • 自分を卑下してもなお前向きな詩風が素敵。

  •  この人の詩、素直で自由な感じがなんか好きだ。気取ってない感じが。
     人間はおろかで弱くて儚いけど、美しくて愛すべきものでいいものだ、という人間賛歌。だめでも汚ないとこあっても、それでもいいんだよ、だから美しいんだよ、と言われてる気がしてほっとする。私の好きなスタインベックにどこか通底するような気がする。心が疲れたら、ぱらぱらと読み返したい。

  • 武者小路のどこまでも前向きなところに志賀は救われていたんだと夢見ています(なんで)。事実あたしも救われているから。根底的に明るい。励まそうとしていないから、励まされる。そりゃ長生きもなさりますよね。大家であるはずなのに茶目っ気を忘れない人
    。ユーモアってすごく大切な要素だけどある種の才能で、しかも年齢や名声と反比例していくものだと思うんだ、なのにこの人はそうじゃない。枯れないどころか増してゆく自虐と紙一重の柔らかさ、諧謔と紙一重の優しさ。全篇を通して根底には徹底したオプティミズムがあって、ああ、何も悩むことはなかったんだ、って思い出させてくれる。いい。

  • 小学生の頃、この人の本を読んだ。以来、人間讃美に徹してきたような気がする。ということで、この広報の趣味仕事は自分に合っているような気がする。笑い

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著者プロフィール

東京・麹町生れ。子爵家の末子。1910(明治43)年、志賀直哉らと「白樺」を創刊、「文壇の天窓」を開け放ったと称された。1918(大正7)年、宮崎県で「新しき村」のユートピア運動を実践、『幸福者』『友情』『人間万歳』等を著す。昭和初期には『井原西鶴』はじめ伝記を多作、欧米歴遊を機に美術論を執筆、自らも画を描きはじめる。戦後、一時公職追放となるが、『真理先生』で復帰後は、悠々たる脱俗の境地を貫いた。1951(昭和26)年、文化勲章受章。

「2023年 『馬鹿一』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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