北天蒼星 上杉三郎景虎血戦録 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041011324

作品紹介・あらすじ

関東の覇者、小田原・北条氏に生まれ、上杉謙信の養子となってその後継と目された三郎景虎。越相同盟による関東の平和を願うも、苛酷な運命が待ち受ける。己の理想に生きた悲劇の武将を描く歴史長編。

感想・レビュー・書評

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  • 謙信の死後、2人の養子が家督相続をめぐって争いが
    起こりました。北条氏から養子に入った上杉景虎の
    視線から書かれた小説です。
    「天地人」の主人公・直江兼続がヒール役に
    なっています。

  • 「御館の乱」の敗者、上杉景虎の物語。話自体は北条家関連の作品が多い著者らしく完成されているが、ライバルの上杉景勝と樋口与六こと直江兼続の悪役っぷりが尋常ではなく、辟易してしまう。物語に悪役がいるのは必然だがここまでやると引いてしまう。

  • 北条氏康の息子として生を受け、上杉謙信の養子となった北条三郎こと上杉景虎。
    戦国の荒波に挑む彼の生き様を描く。

    謙信の死後、上杉を二分した「御館の乱」
    その勃発に至る経緯と終わりを語られることのない景虎側の視点から描いていく。

    普段は義の人として描かれる上杉景勝・直江兼続が悪人として描かれているのも面白い。

  • 伊東潤さんの本を月1ぐらいで読み漁っていますが
    今月読んだこの「北天蒼星」もおもしろかったですね。

    上杉謙信が亡くなった後に勃発する跡目争い。
    その敗者側の上杉景虎の視点で書かれた小説。

    今まで自分自身が感じていたこの跡目争いのイメージを
    根本からひっくり返された、歴史ってあらためて視点によって全然見え方が違うということを
    知りました。

    なにせみんな大好き直江兼続が徹底的に悪役。
    若干20歳そこそこで景勝を操り、景虎を陥れていく様はすごく苦々しいものがあります。

    なぜこの跡目争いが勃発したのか
    なぜ圧倒的に有利に見えた景虎側は御館の乱に敗れたのか
    そしてなぜこれほどまでに凄惨な終わり方を向かえないといけなかったのか

    この1冊によって新たな見方が間違いなくできます。

    歴史好きにはたまらない。

  • 上杉三郎景虎の人生を知って読んでいたけど、辛くてなかなか進まなかった。
    どうしてそんなに真っ直ぐなのか。

    それにしても、ここまで与六・景勝ペアを悪どく描いた作品は珍しい気がする。

  • 運命に弄ばれるかのようであり、同時に「徒手空拳から運命を拓く」かのように争いの一方の頭領格となる上杉景虎…揺れる心情や、迫られる選択等、景虎の生き様が活写される本作である…

    本作では…かの『天地人』の主役である直江兼続や上杉景勝は、「かなり手強い敵役」として登場している。彼らと対峙する上杉景虎が目指したモノは何だったのか?

  • 「武田家滅亡」の姉妹編?
    謙信の死の謎と、景勝・兼続の謀略、兵を持たない北条からの養子の景虎の理想と現実、滅びゆく様が描かれている。
    作者には何か滅びの美学を感じる。

  • 北条・武田・上杉。この三大名家の同盟で、関東一円に平和をもたらす。甲相越三和一統の計。
    その計略を完成させるべく、越後上杉家に養子縁組した北条三郎。後の上杉景虎です。
    理想に燃えて越後入りした三郎を待っていたのは、上杉家の家督争い。理想を成就させるどころか、跡目争いに破れ、短い人生を散らすこととなります。

    理想に殉死した人生。
    理想に順ずるあまり、相手にもそれを求めてしまったゆえの敗北でしょうか。そもそも、仏道に入っていた時から、武士・武家に対する理想、憧れが強すぎたかのように思います。一個人としてならば、武家の理想を追い求めることは何の問題もなく、賞賛されること。
    しかし、大名家の棟梁ともなると、理想を語りつつも現実に寄り添って行動しなくてはならないわけです。そのバランスを上手く舵取りしなくては、戦国大名として一家をたてることはできないのかと。
    一家の棟梁になるよりも、大名家の譜代重臣となった方が幸せな人物だったのではないでしょうか。

    敵対する側であるため、仕方ないことではあるけれど、徹底的に悪役として描かれる直江兼続がよい。
    立場が変われば、善悪の評価も違ってくる。歴史小説をたくさん読む楽しみの一つです。

  • 切ないけど、何か大切なものを心に訴えてくる。一気に読みきってしまった。

  • 単行本で読んだけど再び。
    景虎ってどんな人なのかね?と思って読んで、奈津姫との件で切なかった。
    景虎側で書かれてるから、景勝側は悪役である。いや、かなり悪役である。
    しかし、かなり読みやすくなった印象。
    思えば、景虎に興味を持ったのは、この本がきっかけだった。

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プロフィール

1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。外資系企業に長らく勤務後、文筆業に転じる。『国を蹴った男』で吉川英治文学新人賞、『黒南風の海‐‐加藤清正「文禄・慶弔の役」異聞』で第1回本屋が選ぶ時代小説大賞、『義烈千秋 天狗党西へ』で歴史時代作家クラブ賞(作品賞)、『巨鯨の海』で山田風太郎賞と第1回高校生直木賞、『峠越え』で第20回中山義秀文学賞を受賞。『城を噛ませた男』『国を蹴った男』『巨鯨の海』『王になろうとした男』『天下人の茶』で5度、直木賞候補に。著書に『武田家滅亡』『天地雷動』など多数。

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