翼をください 上 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.11
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本棚登録 : 2950
感想 : 142
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041014769

感想・レビュー・書評

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  • とってもいい話。情景が思い浮かび、引き込まれる。心が暖かくなる話。

  • 原田マハさんの本はすごい。自分は今から何にだってなれると感じる。スピーチライターにも、40歳の新入社員にも、そして女性パイロットにも。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    暁星新聞の記者である青山翔子は、社内の資料室で一枚の写真を見つけた。それは、1939年に世界初の世界一周を成し遂げた「ニッポン号」の写真だった。翔子は当時、暁星新聞社が社運をかけて取り組んでいたプロジェクトにカメラマンとして参加していた男を追って、カンザス州アチソンへと飛ぶ。老人ホームで暮らす山田は、翔子から渡された古い写真を見て、重い口を開いた。そこには、ある米国人女性パイロットの姿が―。

  • あぁもうなんておもしろいの。
    引き込まれる文体、突然現れる歴史上の人々…
    『楽園のカンヴァス』の時もそうだったけれど、歴史上の人々がとても身近な存在に感じられる。まさに今、目の前にいるかのように。
    世界が戦争へと突き進んでいく中でも、平和を希求し、自らの信念で行動する人々が、そこにはいた。
    下巻、物語がどこへ終着するのか、楽しみです。

  • 面白い。
    上下2巻の長編ですが一気読みでした。
    2つの史実(大戦直前の純国産飛行機ニッポン号による世界一周飛行と謎の失踪をしたアメリカの女性パイロット)を組み合わせた冒険と愛の物語。
    アマゾンの採点を見ても6人全員が星5つでした。
    原田さんらしく真直ぐに一生懸命生きる女性が主人公で、取り巻く人たちもみんな善人で、たまに出てくる悪役は如何にも悪役で。そんなシンプルさゆえにワクワク楽しく読めるのですが、一方で「深み」が少なく物足り無さを感じる所もあります。
    文庫化されたのはごく最近ですが、作品的にはかなり初期の物。そのせいなのかもしれません。

  • 最近のお気に入り、原田マハの文庫新刊が出たので早速注文。
    現代の日本から始まったお話は、第二次世界大戦前夜の、航空機の性能が上がり飛行記録の塗替えが繰り返される時代に遡る。
    上巻は、女性パイロットとして夢に挑むエイミー・イーグルウィングが、赤道に沿った世界一周に挑んで行くまでのお話に大半が費やされる。
    まだ女性の地位が確立されていない時代に夢を持ち続け挑んでいくヒロインに、それを支える男たち、見守る家族、追うマスコミにルーズベルト大統領やアインシュタイン博士まで登場するお話は、何だか少女マンガを読んでるようなテイストで、深みはないけどサクサク読めて、まあ楽しめる。
    冒頭に登場した日本の新聞社カメラマン・山田順平の話が、再び終盤登場し、彼らが交わり、最初の写真の意味が解かれる筈の下巻へ続く。本当の評価は全部読んでから。

  • 大西洋を単独横断飛行したアメリア・イアハートと、初の世界一周旅行を成し遂げたニッポン号という2つの実話を組み合わせたフィクション。20世紀初め、飛行機の時代が到来する中で、世界をその目で見たいというパイロットたちの挑戦がその裏では政治利用されていく。戦争の足音が近づいてくる中で、いかに若者たちは翼を広げていったのか。

    1903年のライト兄弟初飛行から飛行機はどんどん進歩していき、1910年代の第一次世界大戦では飛行機による空爆が実施され、1927年にリンドバーグによる初の大西洋単独無着陸飛行が成功、そして1932年にアメリア・イアハートは女性による初の大西洋単独無着陸飛行に成功する。このアメリア・イアハートをモデルとした本作主人公の1人が、エイミー・イーグルウィングとして登場する。

    一方の日本では、朝日新聞社に大西洋単独無着陸飛行を先行された毎日新聞社が単独世界一周飛行を計画し、1939年にニッポン号は羽田空港を飛び立った。パイロットなど航空関連の専門職が乗組員に選ばれる中で、山田順平というカメラマンがもう1人の主人公としてニッポン号に搭乗する。父親の形見のライカとともに世界各地を巡り、新聞の一面を飾るようなスクープ写真を撮っていく。

    この日本人が世界で初めて世界一周飛行に成功したという事実は、意外なほどに知られていない。それもそのはず、GHQによってこの日本の飛行機技術は解体・隠ぺいさせられ、この日本人による偉業も語られるのも憚られる状況だったためである。飛行機という新技術はその黎明期が戦争と強力に結びついてしまい、結果として軍事利用が主目的の1つとして現在でもアメリカやヨーロッパがその覇権を握っている。しかし、戦前は日本が世界最高水準の技術を持っていたこととともに、これらの逸話を語り継いでいきたい。

  • 読んでても、
    なんか進みません。

  • 戦前に世界一周した、ニッポン号と、乗組員の話。

  • 面白かった!原田マハさんの作品は、個人的に合うやつと合わないやつがあるけど、これは合うやつだった。フィクションではあるものの、史実としては本当のことも織り混ざっていて、結構感動してしまった。戦前の日本に、世界一周を成功させた航空機があったなんて、全く知らなかった…

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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