- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041015568
作品紹介・あらすじ
酒井順子、はたと気づく。
独身で子供がいない私は、誰に看取られる?
『負け犬の遠吠え』から12年、未産女性の今とこれから。
30代は既婚女性と未婚女性の間に大きな壁がありました。
結婚していなければ単なる「負け犬」と思っていた酒井順子は、40代になり悟ります。
人生を左右するのは「結婚しているか、いないか」ではない、「子供がいるか、いないか」なんだと。
期せずして子の無い人生を歩む著者が、ママ社会、世間の目、自身の老後から沖縄の墓事情まで、子がいないことで生じるあれこれを真正面から斬る!
感想・レビュー・書評
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初めての作家さんだけど、とても深イイ作品だった。子の無い人生を初めのうちは面白おかしく論評しているけど、半ば以降はまさに正論をきちんと問題提起提案していて勿論 面白おかしい調子はそのままになかなかのエッセイが続く!総合評点が高くないので如何なものか と思いつつ読み始めたがアタリの作品でした♪
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結婚してなお酒井順子さんのお世話になろうとは…。
女性を左右するのは、既婚未婚ではなく、子どもがいるかいないかなのだと本当に思う。
そして、だからこそ今は「子どもは貴重品、アクセサリー」なのだという意見に心の底から納得してしまった。 -
「子アリ族」
「既婚子ナシ族」
「未婚子ナシ族」
分類されちゃう。
それぞれが思い当り、「うんうん」とうなずきながら読む。
少子高齢化が問題になっている今、「子ナシ族」は肩身が狭い。結婚自体のハードルが上がったり、まだまだ未婚で子供だけを産む世の中ではなかったり、晩婚から「子産み」適齢期を過ぎ、子宝に恵まれなかったり、経済的な問題があったりで「既婚子ナシ族」にもそれなりの理由がある。
「子ナシ族」には老後の心配も待っている。
介護、死後の弔い…。
職場のご老人たちは私に、「一人くらい産んでおけばよかったのに」と言う。でも、
今後少子化が進めば、こういったことも社会で面倒見てくれるのが当たり前になってゆくのだろう。
-「子ナシ族」が老いていくにあたり、状況は刻々と変化していくと思われます。
「子ナシ族」の中でも、情報収集能力、コミュニケーション能力、経済力などの違いによって「子ナシでよかった」と思いながら死ぬ人と、「子供がいれば」と後悔の中で死ぬ人に分かれるという、「子ナシ族」格差が生まれることでしょう。
うわぁ~、怖い、怖い。 -
エッセイですが社会問題に触れている部分が大きいかと、ジャンルは「社会」。
確かに親を3人見送ってみたら、子供は看取り(後始末)要因だなというのはつくづく感じます。
子なき自分は死ぬのはいいけど誰が諸手続きや片付けなどしてくれるのか、放置して置く訳には行かぬ遺体の始末は誰の手に委ねられるのか…何一つ自分でどうにもできないのはもどかしい。
お金で解決と言ってもお金のない人はどうするのか、金で頼んだ人間が自分亡き後本当にきちんとしてくれる信用に足る人間なのか…結局、悩みは根本的には解決しようがありませんね。
でも一つ言えるのは、ここにも書かれているように「老後のために」「自分の成長のために」子供を「創った」と豪語して憚らない人が私の回りにもいますが、そういう風な人間じゃなくて自分は良かったということです。
サカジュンさんは、子供を持たなかった人生を何だか申し訳なく思っておられるようです。世の中は大人になれば子があるのが当たり前、子を持たぬ・持てなかった人でも欲しかった・持ちたかったという人の方が多いのかもしれません。
でも今の世は、子を持つということについて、きちんと考えたことのない人が出来たからといって子を産み、きちんと育てられず虐待したり放置したりしているというのがたくさんあるように自分は感じます(確かに虐待してしまった全ての大人が浅はかだったり愛情が欠落しているわけではないですが)
子がない暮らしをしていると「気楽でいいよね」的なことを良く言われます。心から腹が立ちます。時々見下されている感じも如実に受けます。
どれ程悩み尽くしてコナシ人生を選んだのか、そう言う人にはわかるものかと思います。ま、語れるものでもないので仕方ないですが。
コナシ人生を生きている自分ですので興味を持って手に取りましたが、サカジュンさんの本書のスタンスには共感できないところもかなり多かった。よくこのテーマに切り込んだな、と感嘆しますが、ずーっとモヤモヤしっぱなしでした。
今後の著作にも注目して行きます。-
こんにちは。
この本は読んでいませんが、コメントに大いに共感して出てまいりました(笑)
山口智子の「産まない人生」宣言も記憶に新...こんにちは。
この本は読んでいませんが、コメントに大いに共感して出てまいりました(笑)
山口智子の「産まない人生」宣言も記憶に新しいですが、「産まない」、「子の無い」といった選択肢だけが取り上げられて一方的に語られるこの社会に違和感を覚えます。
私は考えた末に「子のある人生」を選択しましたが、これもごく個人的な問題で他人にとやかく言われることではないと思っています。
逆もしかりです。
子を持つ持たないの選択が話題にすらならない世の中はいつくるのでしょうか・・・。2016/07/07 -
vilureefさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
本当にvilureefさんがおっしゃるように「産まない」「子の無い」...vilureefさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
本当にvilureefさんがおっしゃるように「産まない」「子の無い」方だけが語られることが当たり前の社会なのですよね。
子供のある方でも、産んではみたもののやはり子供が好きになれなかったとか、子供を持つべきではなかったと悩まれている方も知っています。それもまた人には言いがたい辛さがあるようです。日常会話が誰とでも子供の話にしかならなくて辛いといったような、コナシ族には知りえない状況もあるようです。
大抵子がある人は、またそれはそれでひとくくりにされて語られることも多く…結局女は子を持っても持たずともその問題に終生悩まずには生きられないものなのでしょうかね…
子を持ってよかった、子を持たなくて良かったとどちらにしても、各々の人生を肯定して生きていけるのが一番ですよね…
2016/07/09
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送れなかったもう一方の人生をどう捉えるか、という議論にも思える。もしあっちの学校に行っていたら、もしあっちの会社に行っていたら、もしあの人と結婚していたら、もし子どもがいたら(いなかったら)。それを考えたところで、何も生まれない。自分だったらどう考えるだろう。今の生活だからこそ得ていること、それを最大限生かす方法を真剣に考えるかもしれない。
世間の風当たりや子無しハラスメントや周囲の目はとても気になるが、それらを凌駕するほどのテーマ、志、ミッション、熱中できる何か、情熱を向ける対象を持ちたいと思う。 -
うーーーーん。
唸りながら読んだ。
付箋貼りながら読んでたら、付箋だらけになってしまった。
もともとオレは酒井順子の本は好きでよく読んでるんだけど、これは今まで一番ヘヴィーだったなー。
『負け犬の遠吠え』よりも更に、奥深いところをついていて、ポリティカル・コレクトネスの問題もあり、非常に表現しにくいところを、明晰に、表現している。
男がこれを書いたらアウトだろうけど、酒井順子だから、書ける。
でも、女は子供を産むためにはタイムリミットがあるから、そこで色んな緊張が生じるけど、男は産む性じゃないから、子なしでもヘーキみたいなことが書いてあるけど、それは間違ってる。
男だって、結婚してなかったり、子なしだったりしたら、周りから、不快なことを、いろいろ言われるよ。
はっきり言ってそれは完全なセクハラなんだけど、男に対するセクハラは、より見えにくいから、たいへんなんだよ。
男に関する記述以外は、ぜんぶ納得だけど。
そうなんだろーなー、とか、あるよなー、とか思いながら読んでた。
現在の時代状況を正確に表現してる。
野田聖子ちゃんの記述とか。オレも彼女が書いた本を読んだし。
それに安倍昭恵にインタヴューしたこととか。政治の世界なんて、野蛮な風習もいっぱい残ってるから、彼女はほんとうにたいへんだったと思う。
酒井順子が途上国の貧しい子達に里親制度で献金をしていて、その子たちに合うために現地へ行ってみたら、インフラストラクチャもぜんぜん整ってなくて、貧しいんだけど、ある意味、日本人より幸せそうに見えて、考え込むカンジが、こちらにもよく伝わってきた。
この人の洞察は、深いなあ。 -
著者のナナメから目線によって、改めて、日本の女性たちが「子どもを産んで当たり前」プレッシャーにさらされているか、肌で感じられた。 有名人が40を過ぎて不妊治療に取り組んでいる様子を報告したり、テレビでもママタレ枠の壮絶な奪い合いがあったり。「こういう家族が理想だよね」押しつけがスゴいもんなー。一般人もSNSでこれでもかと見せつけてくるし。今や当たり前になっていることに、なんかヘンだなと気がつかせてくれた。