鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041018897

感想・レビュー・書評

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  • 上巻で散りばめられた様々な伏線や物語の土台が下巻で一気に重なり合い、本書から目が離せなかったです。
    国、政治、人、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、そこにいくつもの希望や絶望、様々な感情が織り混ぜられていて、とても重厚感のある物語。
    最後は盛り上がりを見せて盛大に終わりを迎えるかと思いきや、ぼんやりとした感じで驚く程静かに幕を閉じ、読み終えた直後はこれで終わってしまうのか?と不完全燃焼な感じでしたが、後からじわじわとこの終わりの深みを感じ、読者の考えを深掘りさせるラストだと思いました。

  • 何者かに攫われたユナを追っていくうちに、
    出会ったヴァンとホッサル
    黒狼病に関して次々と明らかになる真実-

    宇宙が世界しいては宇宙の縮図のような物語だった
    同じ病に罹っても何故、死ぬものと死なないものがいるのか?鹿の王とは?
    糸がほぐれて行くにつれて見えてくる真実
    何処かでわかってはいたけれど、
    モヤがかかっていた感情を
    わかりやすく受け入れさせたくれた

  • 再読。
    初版で出たときに上橋さんファンの娘が即行で購入し私と夫も読ませてもらってから数年。来月映画が公開されるので再読した。
    確か一度読んだとき、難しいなぁ…と思ったことと、話の導入部分はエピソードが強烈なので覚えていたが、他は殆ど覚えていなかった(-_-;)。
    でも、難しいと思った記憶があったので、今回はかなり丁寧にゆっくり読んだ。ストーリーは本当にうろ覚え程度だったけど流石に2回目は話がよく分かった。当時5年生の娘、よくこんなの読んでたな。
    話が複雑なのと登場人物も多いので難しいけど、上橋さんの文章は本当に綺麗だ。コロナ禍の中、とても考えさせられる内容。鹿の王、きっと見つけてもらえるよね。幸せになった後の話も読みたいな。

  • 慣れて読み易くなった…
    登場人物も多くて大変だったけど。

    アニメ化されたそうで。
    CM見て気付いた。
    読みながら、ジブリみたいなアニメをイメージしていた。キャラも風景も。
    とてもイメージしやすい描写だったから。

    医学的なことも、政治的なことも、いろいろ難しいけど…
    結局、苦労してカッコいい生き方をした主人公が幸せになるといいなぁ、なんて、ほのぼのした最後の感想。

  • 最初はあまり面白くなさそうだなぁと思ったけど、ホッサルや、ヴァンをはじめとする人たちがオーファンやシカンたちの黒狼病の原因であるダニを増やそうとするのを食い止めるところが人のために尽くせるヴァン達のすごいところだと思った。また、ヴァンは妻子を守ることができなかったのに他の人を助ける後ろめたさがありながらも、助けたヴァンの優しさに感動した

  • 感染症だけでなく、複雑な事情が上手く絡み合ってて、読んでいくうちに解れていくので、ページをめくる手が止まらなかったです。

  • 人間の悲しみと力強さを思わせる作品でした。文章量は単行本2冊分なので結構あります。物語の世界にたっぷり浸りたい方にはおすすめです。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99699873

  • コロナの今読むべき本。
    病だけでなく、政治が絡んでくるのは、私はあまり好きではなかったけど、
    でも、社会を、作って生きていくなら、政治も、恨み辛みも絡んでくるのは当然なのかもしれない。

  • 私の体の中には病も一緒に存在していて、でも悪さをしているわけではない。
    そのうち、その病に負け始めるまでは、ずっと共生していくのだろうと思う。
    病なしでは変化していかない、そんな体。
    これから先、どう変化していくのか、全く予想がつかない。

  • 壮大な大河ドラマを観終わったような感慨深さ。
    陳腐な言葉しか出てこないのがもどかしいが、ヴァンが家族に出会えて良かった。

  • 森の奥深くに消えた傷だらけのヴァンを追って行った ユナとサエ達はどうなる、ヴァンにきっと会えるだろうと確信してるけど ハッピーエンドがいいな
    映画の公開も楽しみです。

  • 読んだー❗️バンの骨のある生き方とホッサルの知的な探究心に感心。毒に対する血清、ウイルス対策の治療薬やワクチンの注射などのコロナ感染に通じる内容があり、面白かった。

  • 複雑に絡み合った話しがうまく流れていって読み応えあり。読後感もよかった。10年、20年後にこの世界はどうなっているんだろう、科学の進歩が疫病を抑えても、戦争の仕方が変わって、国も人も変わって、でも人の営みは続いて、、、なんてことを考えてしまった。

  • やっと読了。内容が専門すぎて書き込み続けられなかったのかな。PVのイラストが好きです。

  • あと少しで読み終える前に、力と時が尽きて、結果だけ先に拾い読みしてしまった。もう一回、楽しんで読みたいなあ。

    上下巻を通して、主人公ヴァンの生命力が羨ましかった。己の体が発する声や思いに素直に応じる。コロナ禍でざわつく日々の中で、そういうことに力づけられたと思う。

  • 登場人物が多く、独特の読み方の固有名詞も多く、思惑が絡み合い奥深い内容にとまどい、巻頭にある人物の名前一覧を何度も見返しました。
    時間が経って読み返したら、また違う感想が湧きあがってくるのかもしれまけん。

  • 詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート をご覧ください。
     → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1632.html

  • 上巻に比べて、ホッサルとミラルの関係がはっきりとしたなと思った。とても応援したい!!ホッサルの人を助けたいという思いと、新しい病気をみてみたいという気持ちが根っからのお医者さん魂だなと感じた。コロナの変異種の感染が広まる現実では、新しい病気をみたいという気持ちは、少し怖いけど…
    ホッサルのツンデレみたいな感じと、とても真剣に仕事をするところがカッコいいと思う。個人的にホッサルが好きです。

  • 王様の思惑で国は動きますが、戦争で支配されたことへの憎しみに心が囚われると、暗い未来に向かうことが印象的でした。今ある幸せを守るために戦う主人公や医師の姿がかっこよかったです。

  • 2015年本屋大賞。1000ページ以上になるが、先が楽しみになるストーリーと魅力的な主人公2人で一気に読める。ファンタジーの中に、病気の理論もしっかりとあり、説得力がある。戦いの迫力もあり、面白い。娘のしぐさが可愛らしく癒される。【満足度85点】

  • ヴァンとホッサルの二人が初めて会ったとき、読者である自分の胸にも何か込み上げるものを感じました。ヴァンに会ったホッサルが浮き足立つ感じもなんだか良かったです。

    二人の主人公がそれぞれに魅力的であったことが、この物語を最後まで読みたいという気持ちを掻き立てました。
    最後は明るい未来が予想できて、読後も幸せに浸ることができました。

    上橋さんの小説は初めて読んだのですが、精霊の守り人なども読んでみたいなと思いました。

  • 読み初めは数年前
    ここへ来て読書にはまり、一気に読み終えました

    病の種はみな持っている
    生から死までの間を悲しみと喜びでみたす

  • 最後。“鹿の王”となったヴァンがひとりぼっちじゃなくてよかった。
    この本の綿密な構成を支える作者の取材力や努力はすごい。

  • 自然とともに生きること、繋がること

  • 最後に「感動で涙」とまでは行かなかったが、上巻を読んでる時は全く違う、物語に吸い込まれていく感じがあった。ほぼ一気読み!

    残念だったのは、名前が紛らわしく、巻頭の説明に漏れている人が多かったり、地名、部族名や関係が整理されている表があったりすると、もっと入り込めたように思う。。。それは求めすぎかな。。

  • 壮大な物語。ようやく読み終えました。
    やはり想像以上のファンタジーと戦闘シーンの迫力さすが本屋大賞と言う感じがする本でしたお勧めの本だと思いますよ。

  • 命、人、病、全ての生命に対して考えさせられる一冊でした。
    最後まで読み終えたとき、この物語は読み手の中でまた物語が始まっているとおもいました。

  • 中盤以降、散りばめられていた伏線が綺麗に回収されていくため、とても気持ち良く読み進められた。

    何重にも重なる伏線、入り乱れる各勢力の思惑、死生観、それらを支える世界観が、よくこんなにも整理されたものだな、と思うほど複雑で、面白かった。

  • 生と死。
    正義と悪。
    表と裏。
    科学と非科学。

    世界は色んな側面があって、
    どっちが正しくてどっちが誤りかなんて
    誰にも審判することはできないけれど、
    それでも目の前にある大切なものを
    なんとか守ろうと掴もうと
    ジタバタするのが人間であり、
    生きるってことなのかなぁ。
    この物語に登場するみんなに
    何かしらの救いがあって欲しい。

    ラストには涙しました。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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