新世紀エヴァンゲリオン (14) (カドカワコミックス・エース)

著者 :
制作 : カラー 
  • KADOKAWA/角川書店
3.93
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本棚登録 : 1141
感想 : 91
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041019320

作品紹介・あらすじ

「人類補完計画」が遂行されていく中、人々はLCLの海の中に飲みこまれていく。シンジはレイと相対し、彼が下した決断とは――? 累計2500万部突破の大ヒットコミックス、堂々の完結!!

感想・レビュー・書評

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  • 1~14巻まで読み終わったので、こちらに感想をまとめます。
    面白かったです。アニメ版と違い、なんて優しい終わり方! きっとファンの間では賛否両論あるのでしょうけど、私はハッピーエンドが好きなので、断然こっち派です。
    エヴァンゲリオンの洗練されたデザインや、独特なキリスト教的世界観、全人類を巻き込んだ壮大なストーリー、妙に哲学的な言葉の数々など、この漫画の面白いところはいろいろあると思いますが、個人的に、「傷付いた子供が、試練を経てどうかこうか大人になっていく」という、ありふれてはいてもやはり胸に残る、主人公の成長の描写にグッときました。寂しくて、必要とされたくて、愛されたくてたまらないのに、素直にそうと言えない。傷付くのが怖くて、失うのが怖くて、嫌われるのが怖くて、自分の殻に閉じ籠もってしまう。とてもよくわかります。シンジのキャラクターは、いかにも現代風で、リアルです。漫画の主人公には絶対に向かない、見ていてちっとも気持ちの良くないタイプですが、一貫したこの弱々しさ、子供っぽさは彼の魅力だと思います。「ありのままの自分を受け入れてもらいたい」という、なかなか叶わない願い…、彼の寂しさは、本当のところ誰の胸の中にもあるものなのでしょうから。それなのに、アニメ版のあの終わり方はひどい。あまりにも意地悪です。アニメ版の作者(監督?)がどう思っていたのかは、それほど関心がないので実は知らないのですが、私はこういう風に、シンジには自分の本当の願いに気付き、その願いをきちんと叶えてほしかった。だからこちらのシンジが、「僕はそれでも君と もう一度君と 手をつなぎたいんだよ」と願いを口にしてくれて、本当に良かったと思います。
    貞本先生が『エヴァ』をこういう風に終わらせてくれて、嬉しく思います。アニメ版しか知らなかったら、私はいつまでもこの作品のことが好きではないままでした。読めて良かったです。

  • とにかくお疲れ様!の一言です。

    第1巻発行時は十代だった私もアラフォー。
    年月が経ったぶん成長したかといえばそういう訳でもなく……。
    まだまだどっぷりとシンジ君に感情移入してしまいます。
    彼の弱々しさ・危うさはいくつになっても誰の心の中にもあるのかもしれませんね。

    ユイさんが可愛くてカッコ良かったんですが、なりたいとは思えないなぁ。
    自分の子供に世界の未来を託すなんて色んな意味で恐ろしい……。

    アニメにはなかった雪景色のエヴァ世界。
    シンジ君はきっと素敵な大人の男性に成長すると思います!

  • 中学生の頃に買っていた貞本エヴァがついに終わった。全然期待してなかったけれど、その期待通りだった。
    自分の中で、貞本エヴァは4巻がピークだった。あれほど、きれいなボーイミーツガールは読んだことがなかった。だから最終巻で、シンジとアスカが旧劇と違う形で分離して生きているということを示しただけでも、あー、よかった、みたいなところがある。
    原作で実体のなかった父親と母親、ゲンドウとユイが、実体のある他者として描こうとされているところには好感が持てた。他者が他者として描かれることで、つながりを持てることができる。エヴァには母親のユイが入っていて、父親のゲンドウも人間なのである。そのことをわかるように、丁寧に描くことには意味がある。異性であるレイやアスカ、両親であるゲンドウとユイにつながることを、二十年もかけてなしていったように思う。

    クリアでなく、混沌があるからこそ、エヴァは人々を戸惑わせ、実存を追わせる力があって、そこに解やオチを与えるということは、エヴァの読者、視聴者が求めていたものではないのかもしれない。けれどみんなもう大人になったし(僕は25歳だよ)、まあこのへんで落ち着いとくか…と、そういうところだろうか。

  • 貞本さんすごい。感動した。
    庵野エヴァと同じ「起・承・転」をなぞり、その上の「結」で多くの読み手が安心するハッピーエンドを描き、心地よい余韻を残した。

    ゲンドウに与えられた「救い」がインパクト大きいと思う。
    「自分はユイを死なせシンジを不幸にした」という絶望と罪悪感を、ユイに清めてもらって、
    それから、ちゃんとシンジに向き合い、背中を押してあげる。
    よかったねお父さん。エゴを追い求めながら、ちゃんと「お父さん」できたじゃん。

    補完計画が失敗するシーンを読みながら、シンジと一緒に、作中の「てのひら」で傷つけ合い、助け合ってきた場面を思い出すのが気持ち良かった。
    約20年かけた物語を丁寧につないで、見事につなげたなぁ!と拍手。
    ラスト、他人とのふれあいがちょっとずつ巧くなっていくシンジを見送るのも嬉しい。

    庵野さんは、未だシンジたちの落ち着けどころを探っているように見える。
    それも、これから先、楽しみにしているけれども、
    貞本さんが見つけた「キャラクターたちを幸せにする方法」はとても良い。
    やさしくて、読み終えてホッとした。
    素敵な物語をありがとうございます。

  • 終焉を迎え、すっきり浄化されたエヴァ最終回。

  • 家族と一緒に追いかけてるマンガだったので、よんだ。

    サード・インパクト、「EXTRA STAGE 夏色のエデン」。
    最終巻。

    「君が言う通り
     他人の手は
     僕を
     傷つけるかもしれない
     僕の手が
     他人を
     傷つけるかもしれない
     つないだ手は
     いつか離れてしまうかもしれない
     綾波
     でも僕は
     それでも
     君と
     もう一度君と
     手をつなぎたいんだよ」

    よみ終わってから、すこしさびしく思いながらも、あたたかい気持ちになった。
    心に何か抱えて、弱いA.T.フィールドを強くせざるを得なかったのが、エヴァのパイロットたちだ。
    人との繋がりを希求するシンジは、退化して進化して、成長している。
    救済と希望のあるラストで、ほんとうに良かった。
    私たちも、生まれ変わってたりして、とぼんやり感じた。
    最後、いきなりマリが出てきて少し驚いたり、ユイの意外なキャラクターがわかっておもしろかった。

  • サード・インパクトが人々のATフィールドを内側から破壊していく。
    他人と自分の境界のなくなったLCLの海で、シンジは綾波の世界に別れを告げる。
    他人と融合することで苦しまない世界に安住するよりも、他人と触れ合うことで傷つきながら成長していく道を選ぶシンジ。
    TV版、映画版、様々なエヴァンゲリオンが、それぞれ別のパラレルワールドで成立していることを示すような暗示も随所に見られる。

  • なかなか良い終わり方だったんじゃないかと存じます!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、劇場版「まごころを、君に」の通りにストーリーが進んでいくような印象を受けました。所々違うところはあるかと思われますけれども、基本的には映画に忠実に、といった感じですかね…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    そして、最終話なんですけれども、なんだか新劇場版の意味不明さを補足・補完するかのような内容…これはますます新劇の最終話が気になりますね!

    といった感じで特段の感想はないんですけれども…なんだか漫画版のエヴァは僕が小学校か中学校くらいからスタートしているので、こうして無事に完結してくれることに感慨深さを感じます…。

    といった感じで感想を終えます…さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • やっぱ表紙はこっちの方が好き。
    常夏のセカンドインパクト後の世界に、ついに雪が降った。
    時計の針は、進んだ。

  • やっぱ出逢った時の衝撃は未だ忘れられないからね。
    多分今はエヴァより複雑で難解でその分面白くて、
    巧妙で秀逸な作品は多々あるのかもしれないけど、
    どうしたってファーストインパクトだったので星5。
    劇場版だとAir/まごころを君に、が好きでした。
    トラウマ並に救いのないバッドエンド具合が…笑
    シンエヴァは、結局ゲンドウと和解するんかい!
    ゲンドウの自己中自己満厨二病が緩和されただけかい!
    エヴァのいない世界線の話は一見幸せなんだけど、
    切なさと淋しさが残ってしまうよ!!!て感想です。
    お疲れ様でした!

  • アニメシリーズ、旧劇、新劇と見ていったけど漫画が一番よかった。新劇見てるときにはマリの存在がいまいち掴めなかったけど漫画読むとガチで泣ける
    いつから最後の世界線なんだろう、、

  • 劇場版のマキについて知りたいなら絶対読んでないとわからないと思います。
    漫画版エヴァはアニメ版、劇場版含めて一番理解しやすい内容でした。エヴァについてもう一度知りたくなったら漫画版を見ることをお勧めします。

  • 2021.05.02 読了。

    『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版』シリーズと同時進行にて読んでいた。
    TVシリーズ、旧劇場版は未観。

    新劇場版『序』らへんまではほぼ一緒。当然だけど。

    途中からは全然違って、同時進行なので余計意味不明。
    中田敦彦のYouTubeエヴァンゲリオン回を観てやっとある程度話が理解できる感じ。

    もっと鬱々としているのかと思いきや、結構ちゃんと完結してさっぱりと終わって良かった。
    ただ、難解なことか多いし、考察等にも触れていないとあんまり分からないので、万人にはおすすめできない作品だとは思う。

  • 地軸のずれとか、水に沈んでた東京が1年でどうやって現実と同じような状態になったのかってのはご都合主義感あるなぁそれならトウジもなかったことにしてほしかったね、ただ、それでもわかりやすい良いエヴァだったな。
    アニメにこれ言うのもどうかと思うけど旧劇場版のラストの方が世界観からずれてない気がする。

  • 以前読んでいたけれど、シンエヴァを観た後に真希波のバックボーンを確認するため再読。

  • シンエヴァによるエヴァロスでコミックを全巻読んでみた。旧映画版をそのままコミックにしてある感じ。アニメを見直す時間のない人はコミックだと時短になっていいと思う。
    最後にマリのエピソードが入っていた。新劇では急に出てきた割に深堀がなかったのでちょっと浮いてたと感じだけど、その役目をコミックの方で少ししてる感じ。マリの深掘りなんだか、ユイの深掘りなんだかw

    ともあれ、コミック読んでもエヴァロスは埋まらなかったぜ…

  • 新劇の地上波放送で再燃したので全巻読破しました。
    色々と内容忘れてたので、今読んだ感想
    加持さんの過去しんどい。
    カヲル君のがより人間臭い(出番が多い)。
    綾波レイ(二人目)はやはりかわいい。
    巨大綾波はやはりトラウマ。
    まともなのはミサトさんとシンジ君の2人だけ。
    エクストラステージのユイさんかわいい!マリは新劇へのフラグ??
    貞本絵はいつみても綺麗…好きだ。

  • 思春期に読み始めた当時はまさに14歳。自分こそがシンジくんじゃないか!と、誰もが思ったであろうことを、例外なく私も思ってました。

    そろそろそういうの卒業して次行こうぜ、ってのが新劇場版なんじゃなかろうか、知らんけど。

  • 雪が降った。

  • アニメ版よりも随分分かりやすラスト。
    描いていることは使い古された内容だけど今までの積み重ねと見せ方で少し涙が出た。
    ユイが自らの意思でエヴァに残ったというのは驚いた。
    雪はこれからずっとシンジの元に降り続くのだろうか?
    表紙の雪の向こうに見えるエヴァがめちゃくちゃ良い。
    ラストはサードインパクト前に亡くなった人達も登場して欲しかった。
    シンジはサードインパクト前の記憶はあるのだろうか?
    その部分をはっきりと描かない演出が好き。

    最後の最後にマリ――!!繋がってることに興奮した。

    公式は2020年に新劇場版の公開を公表しているが本当に公開されるんだろうか?

  • コミック

  • アニメも、こういう終わり方にすればよかったのに。

  • 心・・・命・・・人間・・・やっぱシンジは人間なのよね。
    ふと『暗黒神話』諸星大二郎/作のラストが
    ダブってしまった終盤です。

  • 融けゆく中で、それぞれの想いが露呈していく中、冬月のセリフが一番人間臭くて好き。

    新しくやり直している世界に、戻ってきた人、戻らない人、戻れない人、それぞれの未来が描かれていて、内容も一番わかりやすいエヴァだった。

    番外編でマリの話も出てきて、最新シリーズにも絡んで終わるというサービスぶりだった。

    終わりまで読めて良かった。

  • 胸が苦しくなる。おもしろさを求めず、ひたすらに人を描く。

  •  TV版ラストは、人の(特に若者の)自我喪失への恐怖とその安穏さ、その両者の葛藤を、シンジ目線で映像にしたらこうなりました、という印象(という意味で、「使途」はウルトラマンにおける怪獣と同じく、物語の緊迫感を出すなど演出効果を上げるための小道具に過ぎない。その存在理由や必要性を解釈すべきものではない)。
     また、旧劇場版は、TV版の視聴者への解釈丸投げを多少なりとも解消しようとした作と感じていた。そして、本作はその解釈の枠を規定しようと意図したという印象は益々亢進した。

     そもそも、シンジで描かれた如く、人間の自我とその境界の揺らぎは物語のテーマとしては頻出。それを、母を基点とする父子の三角関係と、思春期の女性への憧憬(性的なものを含む)とを混ぜつつ、自我の揺らぎとその克服を濃密に描いた一品と言えそう。
     しかも、この漫画版はその克服により焦点をあわせた感じを強く持つ。
     それゆえ、アニメ版よりも明快さとカタルシスを感じられる作風になったのではないか。

  • とうとう最終巻。終わってしまうのが少し寂しい。
    希望が感じられるラスト、私はとても好きでした。

  • 映画とほぼ同じ内容だった。

  • 終わってしまった〜!
    本当にお疲れ様です

  • 完結。スッキリー

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著者プロフィール

1962年1月29日生まれ、山口県出身。アニメーター、漫画家。同人誌でのペンネームにY.S・イレブンなどがある。

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