エンプティスター (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.09
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本棚登録 : 54
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041024768

感想・レビュー・書評

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  • まず間違いなく言えるのは、パイロットフィッシュに続編なんて必要なかったってこと。
    感性の集合体ではなく、記憶の集合体となってしまった山崎の回想がほとんど。
    回想というか、もう記憶の中でしか現実を生きていられないだけ。
    ただのしみったれたさみしい中年のオッサンじゃないかこれじゃ。
    国をまたいでの売春組織から可奈を救い出そうというのに、つらつらつらつら過去の女のことばかり思い出しながら哲学のような詩的なような自己完結を繰り返すばかり。
    ストーリーも冗長で文章もくどい。これだけひっぱっておいたわりにラストは余りにも呆気なさすぎる。
    すべてが完全に蛇足。
    結局僕には由紀子しかいなかったんだって?こんだけやって?方向音痴にもほどがある。

  • なんだこりゃ、としか言いようがない。かなりの大事件に発展しているはずなのに、緊迫感なくだらだらと恋愛しているか、過去の回想をしているか。面倒なへたれのポエムをずーっと聞かされている感じでしんどかった。
    私には全く合わなかった。

  • 恋愛小説なの?なんだが詩的で哲学っぽい.そして読み終えてから気が付いた.コレ,三部作の完結編!!前作,前々作を読まないと話が繋がらないとか・・・ミスった.
    以下あらすじ(裏表紙より)
    恋人の七海と別れ、山崎隆二は途方に暮れていた。成人雑誌の編集部も辞め、校正者として無為に過ごす毎日。そんななか、七海の友人で行方不明になっていた風俗嬢の可奈を見たという噂を聞き、山崎は鴬谷へ向かう。彼女には会えなかったが、やがて「助けに来て」とすがりつく電話がかかってきた。山崎は囚われの身となっている可奈を救うため、海を渡った…。透明感あふれる文体で感情の揺れを繊細に綴った、至高の恋愛小説。

  • 久しぶりの恋愛小説。アジアンタムブルーを書いた著者の恋愛小説シリーズらしい。
    最近思うに、男性の作家が書いた男性主人公の小説はあんまり好みではないかも。ハッピーエンドなのかアンハッピーエンドなのか分からない曖昧な終わり方をする。男の美学?いくつもの恋愛の上に今の自分がある複雑な作りのものが多い気がする。
    一眼好きなのは男性の作家が描く女性目線の小説。予想がつきにくいストーリーに転ぶような事が多い気がする。
    考察すると面白いかもしれないです。

  • 『パイロットフィッシュ』『アジアンタムブルー』に続く三部作、完結編。

    山崎と七海のくすぐったい関係がすごく好きだったから、二人の別れから始まる今作は少し寂しい。
    他のレビューにもあるように、村上春樹に似てるなあと思う部分があって、アイコンや、理不尽な悪や。
    大崎善生自身、村上春樹を読み続けてるという所もあるんだろうか。

    アルコール依存症に陥った森本が語る、感性の集合体から、記憶の集合体への変化がもたらす恐怖。
    未来へと繰り広げていた毎日が、いつの間にか過去を向いていることに気付く瞬間。そのスイッチに耐えられなかった気持ちは、なんだかとてもよく分かる。

    また、山崎は、殆ど記憶の集合体として動いている。
    七海だけでなく、遡って結局は由希子から離れられずにいる。
    七海との別れに打ちのめされ、ミリョンとは健全な関係を保ち、佳奈を意識的に救うことで、「パイロットフィッシュ」だった山崎は、誰かにとって意味深い存在になったのに。
    それらは結局のところ由希子に集約されてゆく。

    多くの人を巻き込みながら、山崎が山崎を突き詰めていった結果は、由希子なんだろうか。
    まだまだ大きなものに捕らわれている感を残して完結してしまったなあ。。。

    ただ、道中に置かれた布石はクライマックスまで駆け抜けるのに上手く使われていて、面白かった。
    私としては『パイロットフィッシュ』が好き過ぎるので、その時点では由希子から解放されていたはずの山崎と七海を眺めていれば、充分(笑)

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著者プロフィール

1957年、札幌市生まれ。大学卒業後、日本将棋連盟に入り、「将棋世界」編集長などを務める。2000年、『聖の青春』で新潮学芸賞、翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。さらには、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。

「2016年 『角川つばさ文庫版 聖の青春 病気と戦いながら将棋日本一をめざした少年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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