エミリの小さな包丁

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041032084

感想・レビュー・書評

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  • 森沢さんの作品に出てくる
    おじいちゃん(や、おばあちゃん)は、ほんと私の心をくすぐります。

    傷心のエミリが、田舎のおじいちゃんの家でだんだんと前向きになっていく姿。

    おじいちゃんの
    「幸せになる事より、満足することの方が大事」

    すごく素敵な言葉です。

    そして、おじいちゃんの友達の鉄平さんの

    「辛いときでも鼻歌を歌っていれば
    世界は変えられなくても気分を変えることなら出来る」

    という言葉も。

    私まで元気と勇気をもらったような気がします。


    夫婦愛、親子愛、そして友情も描かれたこの作品。

    ラストは涙がぽろぽろ出ましたが、
    この作品のように、優しい前向きな涙でした。

  • 頑なな気持ちを優しくほどいてくれたのは、おじいちゃんの手料理だった!

    海沿いの町に住むおじいちゃんの元へ都会から逃げてきたエミリ。
    初めはぎこちない二人だったけれど、台所に並んで料理を作る内に距離を徐々に縮めていく。
    おじいちゃんの手間隙かけて作る魚料理、カサゴの味噌汁にアジの水なます、チダイの酢〆等々、読んでいて悶絶しそうになる。

    包丁の研ぎ方に始まり、魚のさばき方、味付け、そして気分よく生きていくコツ…おじいちゃんの教えにより、エミリは駄目な自分と暗い過去を受け入れ、胸を張って自分の足で歩き出す。

    この後、エミリはとっておきの武器を使って「あの人」の胃袋を鷲掴みしたに違いない。
    今回も森沢さんから素敵な言葉を沢山貰えた。

  • 各章の繋がりが見事。
    読み終わったあと、また冒頭に戻って、主人公の挑戦を見届けたくなる。

    誰しもが、後ろめたい過去や消してしまいたい日を抱えて生きている。
    そこから「逃げる」ことで、辛い日々を自分の一部として認め、愛することができるようになった主人公。登場人物全てが愛おしい物語。

  • 都会から逃げ出してきたエミリがおじいちゃんと一緒に暮らして立ち上がる話
    文章は読みやすいし、話もキャラもすごく魅力的、エピローグでは泣いてしまいました…
    世界は変えられなくても、気分は変えられる

  • 家族も貯金もないエミリは、どうしようもなくなりずっとあっていない、海辺に住む祖父のところに身を寄せることになる。その短い間の物語。自然な祖父がすごくよい。釣った魚や庭の野菜を使った料理を教えてもらって、エミリはもう一度都会に戻ろうと思う。奔放なエミリの母親の話がご都合主義で余分に感じた。読み終わるのが寂しくなる本だった。

  • 「海のおじいちゃん」のところに
    身を寄せることになった孫娘。

    おじいちゃんの家で、
    エミリは自分の生まれる前、
    幼い頃のこと、
    大嫌いな母親のことをゆっくり知る。

    作中に出てくる
    「やさしさに包まれたなら」の歌詞が
    作品によく合っていて泣かされた。

    母親ももっとわかる方法で
    愛を伝えればよかったのにね、
    と思ったけど、
    エミリが愛されてることを知れて
    ほんと嬉しかった。

    森沢さん、やっぱり優しいです。

    心がとげとげしたときに読みたいなぁ。

  • 後味のいい一冊でした
    「虹の岬の喫茶店」
    「夏美のホタル」
    も好きだ
    このおじいさん、いいなあ
    こんなにもまっすぐ生きられるのか
    すごい
    読み終わって表紙をながめるとよけい愛しいです

    ≪ 軒下の その音響いて 心 凜 ≫

  • 図書館で借りたもの。

    とある事情から、海辺で暮らす祖父・大三の元に転がり込んだ孫娘のエミリ。
    釣りをしたり、丁寧にごはんを作ったり、コロの散歩をしたり。
    メインとも言える料理の描写がおいしそうでおいしそうで、読むたびにお腹がすいてくる。
    魚はあまり自分では調理しないからなおさら。
    エミリが東京に戻るシーンは泣けた。

    森沢明夫さんの本は初めて読んだけど、好きな作家さんの一人になった!他の著作も読んでみたい!(特に「ミーコの宝箱」と「ヒカルの卵」)

    もし実写化するなら、エミリは木村文乃ちゃんだな~と思いながら読んでました。
    文乃ちゃんも料理上手だし。

  • 森沢明夫さんの新刊「エミリの小さな包丁」、2016.4発行です。読後心地よい余韻にひたれる作品です。都会生活で傷心のエミリ(25歳)がローカルな海辺の町に住んでるおじいちゃん(80歳)の大三の家で過ごす2ヶ月の物語です。毎朝玄関先をきれいに掃除する。心静かに墨を擦る。そして毎日こつこつ包丁を研ぐ。単調な動作を繰り返すことによって、ひとの心は段々と澄んでいくのでしょうか~。それにしても、おじいちゃんの繰り出す料理・・・、カサゴのお造り、あじのなめろう、サバの炊かず飯、黒鯛のごまだれ茶漬けetc、見事でしたw

  • 全く持って心配してませんでしたが、さすがの安定感です。
    本屋大賞の候補にはあがるか?

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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