D坂の殺人事件 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041037133

感想・レビュー・書評

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  • 明智小五郎が初登場する短編。今読むと結構オーソドックスな内容だが、心理学を取入れた点はおそらく当時画期的だったんだろうなあ。語り口が巧くエロもグロも控えめなのですいすい読める作品です。でももはや乱歩先生にはもっと変態なのを期待してる自分がいる。

  • 最初のいくつかの話の結末は推理というより突拍子もなくて唖然としていた内容だったけれど、読んでいくうちに深みが増すような、恐怖が増していって、でもどこか怖いもの見たさに続きが気になり、結末も納得のいくような感じになるのがとても不思議な作品でした。

  • 昔の本なのに思ったより読みやすくて、ここからミステリーを少しずつ読むようになりました。
    乱歩さんさすが!

  • 名探偵明智小五郎が登場する中短編がいくつか。昔の文章なので、かなり読みにくく感じた。有名な表題作を初めて読んで驚いたことに、密室ものかと思わせておきながらトリックもなにもなかった。また、明智というのはもっとロジカルに真相に迫る探偵かと思ったが、なんと犯罪心理学でなんとかしようとするとは。仰天してしまった。これでハードルが下がったのに加え、文章にも慣れてきたので、残りの話は面白く読めた。特に「心理試験」はよくまとまっていて、明智と犯人との心理戦が最後に気持ちよく決まるのがいい。「地獄の道化師」もよかった。

  • 乱歩のデビュー作を含めた短編集。若い頃の明智小五郎が出てきたりと、既にそのキャラクターをメインにしようとしている雰囲気が感じられる。どの作品もトリックが面白く、今でも色褪せないのが凄いと思った。

  • 短編小説が五つある中で個人的に一番お気に入りなのはD坂の殺人事件です。これは、色々な角度から推理が行われていて、考え方が一つだけしかないのではなく江戸川乱歩、明智小五郎それぞれの考え方がありどちらも条件とあった犯人が浮かび上がっていることに驚きました。

  • 江戸川乱歩さんの作品の推理小説の中で欠かせない存在となった明智小五郎の記念すべき初登場を飾る作品で先の読めない展開と明智小五郎が持つ頭の切れやすさ、推理の力に圧倒されました。
    冒頭でいきなり死人が出て事件が始まる展開が妙にリアルで読んでいる最中の嫌悪感や恐怖心に揺さぶられながら読み進めていきました。
    漫画とは違い推理小説というものは、急展開にもっていくまでが長めなので場面が変わるごとに読んでいる自分も作中の名探偵の明智小五郎になったつもりで推理していくのはとても胸が高鳴り、まだかまだかとどんどん本を読み進めていきました。
    そして、終盤に近付いていき犯人がそば屋の主人だったことが分かり、さらに読み進めていくと主人はサディストで彼の残虐な行いが今回の被害者である古本屋の奥さんにまでおよんでしまったという展開には非常に驚きましたが、さらに驚いたのはその古本屋の奥さんがマゾヒストだったことが判明し、二人の隠された人物像というものが捻じれた形で交わってしまったという衝撃的な展開に思わず、声をあげてしまうほどでした。
    江戸川乱歩の作品というものは、この作品だけではなく子供向けというよりは少し大人向けの描写もあり、初めて読むとすこし理解が難しいものではありますが読み進めれば、読み進めるほど思わぬ方向に展開が進んでいくので全作品を通して読んでみるとお話の歪みや推理小説ならではの怪奇的な展開が心を揺さぶります。
    私がこの作品を手に取ったきっかけは、文豪たちが登場するアニメと文庫のコラボレーションで表紙がアニメのキャラクターだったことでしたが、この作品を読んだことによって江戸川乱歩が著者の作品に興味深いものばかりだったことに気付き、推理小説を読み始めるようになったのもこの作品なので感慨深いものでした。
    もう一度、手に取って展開が分かっていても読み返したくなる、何度も引き込まれる世界観が私はとても気に入っています。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 全五作品。D坂の殺人事件等の意外性のある物語から、罪と罰を彷彿とさせる心理試験、ゾクゾクとした恐怖を感じさせる地獄の道化師まで、江戸川乱歩らしい一癖も二癖もある魅力が詰まっています。

  • 初めて読んだミステリー小説がこれだった。

    読むきっかけは、当時好きだった人と話すきっかけになればいいなといったような、今思えば不純なものだった気がする。けれど、この本を読んで幼かったながらに衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えている。
    そして、この本をきっかけに現在も江戸川乱歩の作品を読み漁っている笑

    この本の中で1番好きなのは「心理試験」
    なんか読んでてニヤけた。このニヤけが「心理試験」最大の魅力だと思う。とりあえず、読んで体感して欲しい。
    読書ってものがそこまで好きではないのだけど、そんな私でも楽しく読めたし、ロジックも分かりやすかった。
    短編でサクサク話が進むのも読書初心者としては嬉しい。

    かなり前に読んだこの本の感想を書けるか不安だったが、結構覚えていたし、当時のことを色々思い出して楽しかった。
    近々再読しようと思う。

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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