- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041039939
作品紹介・あらすじ
なんという目をした男だ――。吉之助の目を見た者は、誰もがそう呟いた。下級武士の家に生まれた西郷吉之助は、貧しいながらも家族や友に恵まれて育つ。のちに大久保利通となる正助とは、素読をし、相撲をとる郷中仲間だ。藩主・島津斉彬の雄姿を間近に見た吉之助は、いつの日かこのお方にお仕えしたいと焦がれるようになる。時は幕末。夢かない斉彬のお側仕えとなった吉之助は、大砲や帆船を製造し進取の気性に富む名君と心を一にし、江戸に京都に飛び回るようになる。迫り来る異国の脅威を防ぐには一橋慶喜を将軍とする以外、道はない。しかし暗躍むなしく斉彬は突然死、宿敵・井伊直弼が大老に就任。さらに国父・久光の逆鱗に触れた吉之助は、奄美大島に遠島を言い渡されてしまう――。激動の青春編!
感想・レビュー・書評
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歴史は好きだったものの、幕末にはあまり興味はありませんでした。でも、読書をするようになり、幕末が時代背景となっている時代小説を読むことが多くなるうちに、幕末にも興味を持つようになりました。
そして、母親が鹿児島の出身で、半分鹿児島の血をひいているので、西郷隆盛の事を詳しく知りたいと思うようになり、この作品を選びました。
こんなに貧しい時代を送っていたこと、
幼い弟妹たちを抱えていたこと、
藩主である島津斉彬に気に入られ、世間に名前が知られていったことなど、
今までほとんど知らなかった、若い時代の西郷隆盛を知ることができました。
そしてこういう過程で島に流されることになったのか・・・
流人の身となり、どういった過程を経て、西南戦争へと進んで行くのか、興味津々です。
ちなみに、月照様とは実際にそういう関係があったのでしょうか?
うーん、中々深いです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2023.10.22読了
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読みやすかった。西郷隆盛のイメージがだいぶ変わった。今さらだけど、大河ドラマ見たくなった。
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読みやすいけど登場人物多い‥
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西郷隆盛ってこんな貧しい家庭の出身だったと知りました。鹿児島の島津家や西郷隆盛に纏わる所を何年か前に訪問した時にみた景色が思い出され、西郷が、みた景色に想いを馳せたり、大河の渋沢栄一での描かれ方もまたちがう視点で見られ興味深く読めました。後編が楽しみ。
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寫得算是流暢好讀,只是似乎並無見太多的驚喜和新意,感覺上比較是循前人的寫作方式。本卷自西鄉小時寫到西鄉被拔擢一同上京、三年後斉彬歸藩。由於太多前作在先,循線/印象寫作的感受太強烈。或許也因為是電視劇的原作,感覺相當簡略。
讀起來特別注意到的是西鄉的閉塞感,還有第一任妻子須賀的部分。英雄人生總是波瀾萬丈,起伏相當劇烈,或許真的如友人所說,所謂的命好,就是起伏較小? -
久々におもしろい。歴史もんでも読み易い!
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NHKの大河のほうが、たっぷりと時間をかけて、この原作にはない葛藤の部分まで、丁寧に描きこんでいる感じがしました。
ドラマでは、後半から、菊次郎の語りの体裁をとりますが、小説は、冒頭からラストまですべてそうです。
上巻で一番印象に残ったのは「本当に知っている人は孤独なのです」という言葉。
もしかしたら、信頼っていうのは、孤独と引き換えに手にするものかもしれないなと思う。 -
皆と同じで大河が面白かったので、原作というパターン。テレビと異なる部分があり、楽しめた。何でNHKは、この部分やめたか、想像する事も。大河見たから、一層入り込めた。感謝!
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今年(2018年)のNHK大河ドラマ『西郷どん』は見ていなかったし(興味はあったが)、書店でこの原作本を見かけても、文庫になったときに読む気が起こったら読めばいいか、くらいにしか思っていなかったのだが、某大型書店でサイン本を見つけた瞬間、購入していた。
それも安く済むソフトカバー(上・中・下)ではなく、ハードカバー(前編・後編)の方を。サイン本ならやっぱり存在感のあるハードカバーでしょ(ソフトカバーのサイン本もあった)。
幕末の歴史は、とにかく登場人物が多く、様々な事件が起こるため、頭の中で整理できていなかったのだが、この本のおかげでだいぶ理解が深まった。
とはいえ激動の時代を2冊におさめている都合上、有名な事件が駆け足で触れられることが多いので、それぞれをもうちょっと詳しく描いた本を読みたくなったし、別の作家の描く「西郷吉之助」も読んでみたくなった。
そしてもちろん、今では『西郷どん』、毎週楽しみに見ています。
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下級武士の家に生まれ、貧しいながらも家族や友に恵まれて育ち…。激動の幕末を駆け抜け、新たな時代をつくった西郷隆盛の生涯を描く。2018年大河ドラマ原作小説。
林真理子の作品はエッセイも含めて初めて。NHKの大河ドラマは観たことがない。司馬遼太郎の「翔ぶが如く」を読んだこともない。西郷隆盛についてほぼ白紙の状態で読んだけど十分面白かった。
(B) -
今年の大河ドラマの原作、というので手に取った。林真理子氏が歴史モノも書くとは知らなかった。
ガッチガチの歴史小説という感じではなく、さすが林真理子氏が手がけるだけあって読みやすく仕上がっている。あらすじは大河ドラマとほぼ一緒。NHKにはさぞかし都合の悪かろう吉之助と月照の衆道は省かれていたけど(笑)
お堅い歴史小説を林真理子氏が柔らかく仕上げ、さらにその行間を空想でうめてドラマチックに仕立てたのが今年の大河、ってとこでしょうか。いずれにしても、西郷どんはまっこて愛すべき熱か男であいもす。
2018/06 -
殆ど義務感からなんとか脱落せず見ている今年の大河、原作を読めば少しは面白くなるかな?と一縷の期待を抱き読んでみた。
結論。エピソードを連ねただけで、ストーリー性がまるでない!ドラマのダイジェストみたい。
やっぱりドラマと同じく薄味で物足りない…
西郷どんの魅力についても、ドラマはまだ役者の力で強引に納得させられるのだが、この原作にはそれがない分、どうしてこんなに愛されキャラなのか?ますます分からなかった。
斉彬への思慕や月照とのエピソードも唐突で、なんか浮いてる感じ。
ドラマを見ているので、追確認がてらなんとか読み進めることができたが、この本そのものに手に取るだけの価値は感じなかった。
もうちょっと人間ドラマが見たいなー。正助どんとの確執になるだろう後編に期待。 -
上下とも読んだ。歴史物として読むと、全くの期待はずれ。当たり前ながら、司馬 遼太郎なんかとは全然ちがう。ドラマを活字にした感じ。今は前編までしかドラマ化されていないが、全く、そのままのイメージ。歴史上で西郷氏が活躍した箇所があまりにもあっさり描かれているのにはびっくり。さらっと、西郷氏の一生を読むにはいいかもしれない。
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前編読了。
幕末モノは結構好きですが、薩摩藩サイドの話はあまり読んでいなかったので、薩摩弁の愛嬌を楽しみながら、興味深く読んでいます。
この巻は西郷さんが奄美大島に流されて、帰藩命令が届いたところで終わります。
下巻の展開が楽しみです。 -
薩長同盟とか学生時代一番嫌いな時代だったけど楽しく読めた。
歴史人物が次々登場するけれど、あくまで主人公は西郷吉之介を中心に書いているのでそこはぶれないのがいい。
教科書には載らない愛加那さんとの物語が切ない。 -
なんという目をした男だ――。吉之助の目を見た者は、誰もがそう呟いた。下級武士の家に生まれた西郷吉之助は、貧しいながらも家族や友に恵まれて育つ。のちに大久保利通となる正助とは、素読をし、相撲をとる郷中仲間だ。藩主・島津斉彬の雄姿を間近に見た吉之助は、いつの日かこのお方にお仕えしたいと焦がれるようになる。
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幕末、明治維新の時代はとても興味深い。
血気盛んな多くの若者が登場し、戦い、話合い、同盟し、殺しあい、自決する。複雑すぎてわかりづらい。
でもこの国を良くするんだという気概に燃えたこの人々がいたからこそ、日本は列強に植民地化されることもなく、自国を守ることができたのだろう。(ただ勘違いが過ぎて、他国を植民地化しようとし、昭和に入って暗黒の道を突き進むことになるのだけれど…それはまた別の話)
そんな中で、西郷隆盛の果たした役割は計り知れない。
蛤御門の変で長伐に力を発揮するも、勝海州の説得で薩長同盟を成し、討幕に成功する。が、好き嫌いがはっきりしており、融通の利かない性格のせいで、2度も島送りになったり、維新後には征韓論(朝鮮への施設派遣)の意見が通らず下野して鹿児島で畑仕事に専念するはずが、新政府への不満分子が鹿児島に集まってしまい、とうとう西南戦争へと突入、最終的には西郷自らが自刃する結果になってしまうなど、その人生は波乱万丈。
しかし、林先生のわかりやすい文章で、少しは複雑に絡み合った歴史の謎がほどけたかな。島流しにあった奄美で、西郷は現地妻、愛加那をめとる。子供ができるが、いざ鹿児島にもどることになっても、島の掟で女性は島を出ることができない。いつまでも彼と一緒に暮らしたいけど、西郷は国にとっても大切な人。引き留めるわけにはいかない。愛する人との別れ。そして、いずれは子供も手放すことになる過酷な運命。女性目線からも西郷どんが描かれているのが嬉しい。