砂上

著者 : 桜木紫乃
  • KADOKAWA (2017年9月29日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041046005

作品紹介

空が色をなくした冬の北海道・江別。柊令央は、ビストロ勤務で得る数万円の月収と、元夫から振り込まれる慰謝料で細々と暮らしていた。いつか作家になりたい。そう思ってきたものの、夢に近づく日はこないまま、気づけば四十代に突入していた。ある日、令央の前に一人の編集者が現れる。「あなた今後、なにがしたいんですか」。責めるように問う小川乙三との出会いを機に、令央は母が墓場へと持っていったある秘密を書く決心をする。だがそれは、母親との暮らしを、そして他人任せだった自分のこれまでを直視する日々の始まりだった。自分は母親の人生を肯定できるのか。そして小説を書き始めたことで変わっていく人間関係。書くことに取り憑かれた女はどこへ向かうのか。

砂上の感想・レビュー・書評

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  • 作家志望の中年女性のお話。優秀な女性編集者に出会い物語を創っていく過程がリアルに描かれて楽しめた。自分の過去に向き合いながら小説という虚構を創造する過酷さと醍醐味。主人公と母娘とのお話も良かった。

  • 柊令央は、ビストロでのバイト代と元夫からの慰謝料を生活費にし、母の残した家でぎりぎりの生活を送っていた。ある日、令央のもとに投稿作品を読んだ女性編集者が訪ねてくる。主体性なく生きてきた令央だったが、何度駄目だしをされても小説を書き続けるように。。。
    令央が小説を書きつつ、自らの人生を見直す過程が面白かった。桜木さんは、女性の情念のようなものを描くのが本当にうまい。ミステリーにもなりそうなネタではあったかな。

  • 作家志望の中年女性が、やり手の編集者に見いだされ一冊の小説を書き上げる過程で、自分と家族との関係に向きあい人間としても一皮むけていく姿を描く。

    目の前の出来事を淡々と受け止め、他人と深く関わろうとしない主人公は、自分の母親とも娘とも本気で向き合おうとしない。当然、そんな彼女の書く作品には深みがない。
    編集者の厳しい指摘で自分の内面にメスを入れるようにして書く姿は痛々しく、息苦しいほど。が、真剣に家族と向き合い自身を見つめることによって、主人公をおおっていた幕のようなものが剥がれ落ち、終わってみればむしろ軽やかになっていることが救いだ。

    様々なタイプの作家がいるけれど、作者自身が彼女のように身を削って作品を生み出すタイプに思え、作家稼業の厳しさを思い知る。
    年末を締めくくった一冊。

  • 今まで同様、北海道の痛いほど冷えた空気、薄暗い景色が思い浮かぶ情景の中、女の人たちのそれぞれの生き方が描かれている。

    最後がストンと落ちなかったけれど…

  • 図書館で借りた本。小説家になりたい中年女性が作家デビューするまでの話で、女性編集者のアドバイスを通じて自分の生き様、母や妹との関係を題材にして小説を書き上げる。心には響かない話だった。

  • ちょっと暗いけど、表現のうまくて難しい、桜木さんらしい本でした。

  • 柊令央は、ビストロ勤務で得る数万円の月収と、元夫から振り込まれる慰謝料で細々と暮らしていた。
    いつか作家になりたい。そう思ってきたものの、夢に近づく日はこないまま、気づけば四十代に突入していた。

    ある日、令央の前に一人の編集者が現れる。
    「あなた今後、なにがしたいんですか」
    責めるように問う小川乙三との出会いは、他人任せだった令央のこれまでを直視する日々の始まりとなる。

    今は亡き母ミオ、戸籍上は妹だけど実は娘の実利、小説を書き始めたことで変わっていく人間関係の行方はー?

  • 作家志望で新人賞応募常連の女性が、編集者に見いだされデビューに向けて私小説の改稿を繰り返す。
    その過程で自分の人生、母の過去、娘の現在と、初めて対峙する。
    3人に加えて、冷徹で野心を秘めた編集者、一家の秘密を知る助産婦、それぞれの女たちの情念の濃さが生々しい。

  • すごい作品に出会ってしまった。ただもう、すごい。

  • 作品タイトルが作中作と同じ、となれば読者はそこに何らかの関連性や著者の意図を探そうとするのではないか。残念ながら、本作にはその意図や演出効果は感じられなかった。
    また、登場する編集者の言葉や文章が非常に説明的で、何かを暗示するかのようであったが、読後に期待した「何か」は、そこには無かった。はたして本作は桜木紫乃の転換点となるのだろうか。
    #砂上 #NetGalleyJP

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