八獄の界 死相学探偵6 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041049082

作品紹介・あらすじ

黒術師を崇拝する者たちがいる。 黒い欲望を持った人々を犯罪へいざなう、恐るべき呪術の使い手・“黒術師”。黒捜課の曲矢刑事から、黒術師が崇拝者を集めたバスツアーを主催すると聞かされた俊一郎は、潜入捜査を手伝うことに。危険を承知で潜入した俊一郎だったが、バスツアーの参加者全員に、くっきりと死相が視えていて――。俊一郎たち参加者を次々と襲う、怪事件の真相は!? 「死相学探偵」シリーズ、絶体絶命の第6弾!!

感想・レビュー・書評

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  • シリーズものなので、カテゴリーはミステリーに分類したが、これはミステリーではないのでは?
    それと殺人事件でもないし。
    ホラー度はものすごく高かったけど、これまでの話と比べると異色の殺人。
    でも、そして誰もいなくなったを彷彿とさせるひしひしと忍び寄る恐怖はすごかった。夢中で読んだ。
    一気読み推奨。

  • 人がどんどん死ぬのはいつものことだけど、今回はなんか仲間意識が芽生えていた分、悲しい気分になった。

  • このシリーズ、どんどん面白くなっていく!

  •  死相学探偵6作目。
     「黒術師」のシンパを集めたバスツアーがあると聞き、弦矢俊一郎自身もそのバスツアーに参加する。
     しかしバスが事故に会い、その拍子に「八獄の界」という呪術の影響でバスツアー参加者は異世界に閉じ込められてしまう。ある種のクローズドサークルの中で、次々と参加者が死んでいく。と、今までと比べるとかなりホラー色が強い。
     しかも、異世界に発生した霧には化け物が済んでおり、その霧は徐々に範囲を狭めていくというのだから、パニックホラーの様相さえ呈している。
     複数の要素が混じり合った小説でとても面白いが、互いに名前も知らないところから始まり、恐怖の体験によって奇妙な団結感が出てきたというのに誰も救われないため、後味は悪る目である。
     異世界での殺人は「八獄の界」の護符を破けばいいので、女子高生や中学生でも容易に行えるため、容疑者からは外れない。また、異世界では「死相」が薄れた者から殺されていくというのも重大なヒントだった。
     複数の他人と共同生活でもそれなりにこなしているところで、1巻の時とは考えられないほ主人公の成長が感じられる。

  • 三津田さんのどの作品も好きですが、この本は特に好きです。しかし、この本のメインのホラー要素よりも、最後にさらっと出てくるもののほうが怖い気がします。夜に一人で読むのはあまりお勧めできませんが、私は、読んでいて凄く楽しかったです。

  • 今回は、またダークな終わり方……。やってくれるわ。でも僕にゃんがまたかわいらしくてのう……。しかし、主役はえらく人なれしたものだ……最初の巻とか、生きていけるのか心配だったけど(笑)。

  • 黒術師崇拝者を集めた行き先不明のバスツアーに潜入する俊一郎。
    ツアー内での探偵探しが始まったり、結界に閉じ込められたり、ツアー客が1人ずつ謎の死を遂げたり…
    閉鎖された環境で得体の知れないものに追い詰められていくハラハラ感がホラー映画のようだと思ったら、作中でもホラー映画の話題がでてきた(笑)

    帰ってこれなかった四人はどうなったのか…
    そしてメタル、これまでの事務所での横柄な態度、絶対楽しんでやってたな(笑)

  • 死相学探偵シリーズ。黒術師に繋がるバスツアーに潜入した俊一郎に降りかかる、おそらくシリーズ上最大の危機。身を守るはずの結界「八獄の界」に取り込まれてしまった一行に降りかかる怪異の数々は、常識から切り離された世界でのことだけに、いったい何をどうすればいいものか。
    死相すら常識とは反する状況に、まさしく絶体絶命の危機。映画「ミスト」っぽいあの情景と怪物も恐ろしいし。一人ずつ参加者が減っていくサスペンス感もたまりません。
    この真相……うわあ、その「犯人」は想定しなかった! ああでもよく考えるとそういうことかあ。きちんと伏線はあったのですね。そして俊一郎の身近に潜んでいたスパイの正体……さらに予想外でした。驚きすぎて口あんぐり状態です(笑)。

  • 黒術師を崇拝する者を集めたバスツアーに潜入した俊一郎。参加者全員に死相が視えている。結界のなかに閉じ込められた彼らを何ものかが襲う。
    *論理で詰められる部分とホラー部分のバランスがいいと思う。

  • ホラーとミステリの見事な合体です。
    不可思議な出来事の中に推理の要素が入り、不可解な中にも論理の筋が通っている、不思議なミステリです。
    シリーズで読んでいると、楽しみも倍増です。
    黒術師の不気味な影が見え隠れしています。
    次回作以降も楽しみです。

  • うんうん、こういう世界観の方向性でいくのなら、徹底して頂いた方が嬉しいです。
    その方が、心置きなく独自の世界設定の中で、ミステリーを楽しむことができまする。
    中途半端だと、リアリズムで推理すべきなのか、ファンタジーとしてこの作品だけの世界観で推理すべきなのかが判断つかなくてさー。
    (大変オタクで上から目線でスミマセンですが)

  • やはり面が割れてない警察官の若い人にドクロのTシャツと顔面ピアスなど身に着けて潜入してもらったほうがみんなのためだったのでは…しかしそれだと全員呪術知識なくもっと早めに全滅していたのかな…かなり俊一郎責任で死んだ人多かった気がしましたがそれほど深刻に落ち込まなくて意外とメンタル強いな!と思いました 次作も楽しみ!

  • シリーズ第6巻。
    ミステリ的にもホラー的にもシリーズ中で抜きん出ている。
    どうもこのシリーズはキャラクター性を持て余しているような印象が拭えなかったのだが、本書でそのようなことはまったく無かった。三津田信三はあまりキャラクター文芸寄りでない方が良いなぁ……。

  • シリーズ第六弾。黒術師の崇拝者を集めたバスツアーで起こる連続殺人事件。結界の中に閉じ込められた9名は無事に脱出できるのか。

    お互い素性の知れない関係、行き先不明の謎のツアー、一人ずつ殺されていく状況…と『そして誰もいなくなった』風の演出で既に涎が。ホラー文庫なので、人外による襲撃をかいくぐりつつ、結界の中にはこのメンバーしかいないという状況から、誰が犯人なのか?という互いの腹の探り合いが繰り広げられるのが楽しいです。

    シリーズ前作が、ちょっと駆け足でのストーリー進行だったので物足りなかったのですが、今作はぐいぐい引き込まれてたっぷり楽しませて貰いました。
    いかんせん、黒術師の得体が知れないので、あの展開部分は今後に期待ということで……。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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