バック・ステージ

著者 :
  • KADOKAWA
3.45
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本棚登録 : 466
感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041051924

作品紹介・あらすじ

新入社員の松尾はある晩会社で、先輩の康子がパワハラ上司の不正の証拠を探している場面に遭遇するが、なぜかそのまま片棒を担がされることになる。翌日、中野の劇場では松尾たちの会社がプロモーションする人気演出家の舞台が始まろうとしていた。「離婚したばかりのシングルマザー」「再会した同級生」「舞台に抜擢された新人俳優」「認知症の兆候が表れた大女優」舞台の周辺では、4つの事件が同時多発的に起き、勘違いとトラブルが次々発生。バラバラだったパズルのピース、それが松尾と康子のおかしな行動によって繋がっていき……。すべてのピースがピタリとはまったラストに、思わず「ビンゴ!」。毎日ストレスフルに働くあなたを、スッキリさせる「気分爽快」ミステリー! 本を買った人だけが「すぐに」「必ず」読めるお楽しみ掌編、特別収録!(詳しくは本作品カバー裏をご覧ください)

感想・レビュー・書評

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  • ショートストーリー的なお話しじゃなくて序幕から終幕まで実は全部いろんなところで繋がってたのか(⊙ө⊙)!?
    「息子の親友」「始まるまで、あと五分」「舞台裏の覚悟」がおもしろかった^ ^
    話の中に登場したミニッツ5っていうグループ名、前読んだ「汚れた手をそこで拭かない」に出てきたような出てこなかったような、、?

  • この本もブクログのレビューで知っておもしろそうと思い、図書館で借りた。

    最近多忙で、本を読む時間があまりないのだけど、この本はとても読みやすくて、空き時間にするするっと読めた。

    短編がすこしずつ繋がっている構成。
    メインストーリーは松尾と康子が上司の不正を暴こうとじたばたする「序幕」と「終幕」だと思うけど、スッキリと気持ちよく終わってよかった。正義は勝つ!
    まさしくオビにあるとおり「毎日ストレスフルに働くあなたのモヤモヤを、スカッとさせてくれる『気分爽快』ミステリー」だった。

    芦沢央さんのミステリーはまだ2冊しか読んでなくて、ゾクっとする怖さが魅力と思ってたけど、こういうライトな感じもありですね。

  • いやぁ、上手い!そして面白い!全体的に軽いタッチで描かれているが、しっかりとした群青劇。こうした作風は、伊坂幸太郎や道尾秀介の十八番だが、さらりと描いてしまったこの作者の力量はかなりのもの。

    殺人事件などが起こるわけでなく、日常のちょっとしたことが題材となっていて、だからこそアップテンポで読ませる。
    物語の軸となるのは、会社のムカつく上司の不正を暴くこと。新入社員の松尾が、ちょっと変わった先輩の康子に連れられ証拠を探すために駆り出される。
    行く先々で、色々な人と出会うのだが、その出会った人たちにもドラマがあって。という内容だ。そして、その1つ1つのエピソードがまたいい。全てが心を温めてくれる。

    そして、あっという間のラスト!裏切ることなく読者をスッキリさせてくれ、また、『おっ!?(*≧∀≦*)』というフィナーレが待っている。是非シリーズ化してほしい作品だ。

  • 著者の他の作品と比べると「普通」だった。読了後の後味の悪さもなく、至って普通。むしろ爽やか。だけどちょっと物足りないと感じるのは、他の作品のインパクトが強すぎるせいかな。

  • いやぁ、なんていうかちょっとこのテンポ、くせになるねぇ。
    康子と松尾の奇妙なコンビ、言ってることもやってることも真剣なのにおかしくて、真面目なのに空回りしてて、なのに最後の最後にまるくおさまっちゃうって、いったい何のために苦労してたのよ!っていう。
    いや、苦労っていうほどの苦労でもないか、とにかく、このコンビ楽しすぎ!!
    けど、芦沢さんのすごいところは、このそれぞれの章のコミカルなあれこれとはうらはらに、その奥には笑って済ませられない社会的な問題も潜んでて。その問題をあえて笑っちゃうことで意識に残すっていう、なんともいえない奥の深さとからっとした爽快感とのサイコーのミックスブレンド。
    強く強く続編望む!!

  • 短編集と思いきや、ラストで全部つながる面白さ。
    めでたしめでたし⁉︎なストーリー。


  • 思っていたよりコミカルな内容でした。
    以前芦沢さんの「許されようとは思いません」を読んだのでその印象的にもっと重い系だと思っていたのですが、そんなことなく楽しく読めました。

    第二章の「始まるまで、あと五分」が好きでした。
    ずば抜けて良かったように思います。


    また芦沢さんの作品開拓しよう!と思った好みの作風でした。

  • 同時進行でいろんなドラマが展開しておもしろかった。
    いろいろな年代のいろいろな関係の人たちのお話が、それぞれが同時発生しているけど、特に重なってつながってくわけではないところも、それぞれの人生がたまたま重なっただけで、そこから無数に発展していく物語があるんだなぁと。

    始めと終わりは後付け?なのかしらん。
    ちょっと強引さがあったけど、一幕から四幕はどれもおもしろかった。
    シングルマザーも大学生カップルも、若手舞台俳優も監督も、熟年女優とマネージャーも。
    傷ついても苦しんでも次のステージ行ったねって。

  • 続編ありそう

  •  人気演劇の舞台に多少なりとも関わりを持つ人々の悩みや葛藤を描いた作品で、コミカルにテンポよく展開して退屈しない。

     いい話もいくつかあるが素材の多さを完全には活かし切れていない気がするのが惜しい。

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著者プロフィール

1984年東京都生まれ。千葉大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2012年『罪の余白』で、第3回「野性時代フロンティア文学賞」を受賞し、デビュー。16年刊行の『許されようとは思いません』が、「吉川英治文学新人賞」候補作に選出。18年『火のないところに煙は』で、「静岡書店大賞」を受賞、第16回「本屋大賞」にノミネートされる。20年刊行の『汚れた手をそこで拭かない』が、第164回「直木賞」、第42回「吉川英治文学新人賞」候補に選出された。その他著書に、『悪いものが、来ませんように』『今だけのあの子』『いつかの人質』『貘の耳たぶ』『僕の神さま』等がある。

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