怪盗不思議紳士

著者 :
  • KADOKAWA
3.16
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本棚登録 : 202
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041057414

感想・レビュー・書評

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  • なかなか引き込まれる作品でした

  • 戦前に人を殺さず富裕層の財産ばかりを狙っていた義賊怪盗不思議紳士とそれを追っていた探偵九条響太郎。
    戦後、再び現れた不思議紳士は残虐な手口を使う強盗と化していた。
    不思議紳士に大切なものを奪われた探偵助手の草野瑞樹は密かに復讐に執念を燃やす。
    不思議紳士に狙われた旧華族の屋敷を舞台に繰り広げられる冒険活劇。

    神出鬼没の怪盗と、知的で警察からも一目置かれる人望の厚い探偵。戦災孤児の少年助手。予告状でのやりとり。今ひとつ頼り甲斐のない警察。GHQの横槍。
    これ以上はないくらいベタな設定だけれど、そのベタさ加減が好き。
    読み進めるうちに誰が本物で誰が偽物か、誰が味方で誰が敵か、疑心暗鬼になってくる。
    希望を捨てきれずに揺れる瑞樹と蝶子の心情が切ない。
    最後は性急にたたみ過ぎた感があって、不思議紳士と九条響太郎そのものの謎がフワッとしたまま物語を閉じられたのが少し残念。
    続編の為にあえてそうしたのなら今後が楽しみだけれど、どうなんだろう??

  • 終戦間もない日本。
    戦災孤児の草野瑞樹は、ある事件をきっかけに探偵の九条響太郎の助手になる。
    警察にも頼りにされる名探偵・九条響太郎は、「不思議紳士」と名乗る、神出鬼没で変幻自在の怪盗とは宿敵同士で、数々の対決は伝説であった。
    戦時中鳴りを潜めていた不思議紳士の仕業と思われる強盗殺人事件が久しぶりに発生するが、調査の最中、探偵は爆殺されてしまう。
    悲しみと怒りにうち震えながらも瑞樹は虎視耽々と機を狙っていた。
    百戦錬磨の怪盗を相手に、少年の孤独な闘いが、幕開ける―!!
    (アマゾンより引用)

    探偵が早々に死んだのにビックリよ(´・□・)ア-
    けど物語は面白かった。
    終わりがちょっとあっけなかったかなって感じやったけど

  • 表紙買い。
    時代設定が良く、冒頭数行から早くも、我孫子氏の描いたこの不思議な世界に引き込まれた。それからの怒涛の展開、どんどんと不穏になっていく内容……全体的に非常に良く面白かったが、ラストの方はあまり好きじゃかった。なのでどこかもやもやする気持ちはあったものの、作者の話を読んで納得した。読後感はなんだかんだ爽やかだったような覚えがある。こういう雰囲気だけで二杯はご飯が食べれるね。

  • 場面の多さも、舞台の原作ということで納得。
    実際の舞台は、もっとコメディ要素が増えてたんじゃないかなぁ…と想像してしまいました。

  • 楽しい!
    二十面相好きにはたまらないんじゃないでしょうか。
    不思議紳士との対決、続編出て欲しいです

  •  演劇的だなと思いながら読んでいたら、本当に元は演劇用のシナリオだったらしい。戦後占領期の東京を舞台にした乱歩風の「怪盗VS名探偵」ものだが、緻密な構成と正確な考証、人物の内面描写は本家よりずっと現代的で単なる懐古趣味ではない。ミスリードがうまく、さすがの手練手管で存分に楽しませてもらった。

  • 昔、随分、我孫子氏のミステリを読んでいたけど、すごく久しぶりに読みました。ただ、これは冒険活劇的な話で、個人的には我孫子さん、こう言うのもいけるじゃんと好感触でした。あまり細かいことを気にせず流れに身を任せて楽しむ話かな。

  • 細かいことは気にするな。
    エンターテインメントだもん。
    楽しく読み終えました(^^)b

  • ブクログさんの献本企画で当選しました。

    ジャケ買いならぬ、ジャケ応募で、応募した後にレビューが条件と気が付き、ヤバイヤバイと青くなりました。まあ、当選しないからいいだろうと思っていたところ、なぜか当選。ありがたく読ませていただきました。

    読む時間がないから困ったなあと思っていたのに、いざ、数ページ読み進むと、子どもの頃夢中になって読んだ江戸川乱歩の世界観を思い出させてくれるような作品で、とても楽しくあっという間に読了しました。少年探偵・瑞樹くんの九条探偵への思慕がせつなくて、瑞樹くんの願い通りの展開にならないかしら?とヤキモキしながら読み終えました。
     こんな世界観のお話をもっと読みたいなあとシミジミ懐かしく感じました。

著者プロフィール

1962年、兵庫県生まれ。京都大学文学部中退。在学中は推理小説研究会に所属する。89年、『8の殺人』で作家デビュー。主な作品に、『人形はこたつで推理する』にはじまる「人形」シリーズほか、『殺戮にいたる病』『ディプロトドンティア・マクロプス』『弥勒の掌』『眠り姫とバンパイア』『警視庁特捜班ドットジェイピー』『さよならのためだけに』『狼と兎のゲーム』『裁く眼』『怪盗不思議紳士』『凜の弦音』『修羅の家』などがある。小説の枠を越えマルチに活躍し、ゲームソフト「かまいたちの夜」シリーズの制作でも知られる。

「2022年 『監禁探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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