- Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041065839
作品紹介・あらすじ
100年後の未来。社会のほとんどをhIE(フューマノイド・インターフェイス・エレメンツ)と呼ばれる人型アンドロイドに任せた世界では、人類の知恵を超えた超高度hIEが登場し、人類の技術を遥かに凌駕した物資
《人類未到産物(レッドボックス)》が生まれ始めていた。17歳の遠藤アラトは4月のある日、舞い散る花びらに襲われる。うごめく花びらからアラトを救っ
たのはレイシアという美しい少女の「かたち」をしたhIEだった。
感想・レビュー・書評
-
AI技術が発達し、人々の生活のほとんどが自動化され、hIE(ヒューマノイド・インターフェース・エレメンツ)と呼ばれるアンドロイドが社会に浸透した世界。17歳の少年・遠藤アラトは、レイシアと名乗る美しい少女の"かたち"をしたhIEと出会う。彼女は「人類未到産物」と呼ばれる、人類の知能を遥かに凌駕した特別なhIEの一つであった。美しく、人間のようなレイシアに惹かれたアラトは、彼女の望むがままにオーナー契約を結ぶ。レイシアという特別なhIEを手にしたその日を境に、アラトは"人類"と"AI"の在り方を巡る大きな争いに巻き込まれていく―――。
「"アナログハック"―――「人間のかたちをしたもの」に人間がさまざまな感情を持ってしまう性質を利用して、人間の意識に直接ハッキング(解析・改変)を仕掛けること。」
hIEがどれだけ人間らしい振る舞いをしても、それはAIプログラムによってシミュレートされたものであって、hIEに"こころ"は存在しない。hIEが人間の感情に訴えかける行動を取るのは、"アナログハック"で目的を遂行するために過ぎない。アラトがレイシアの望むがままにオーナー契約を結んだのは、"アナログハック"を受けた結果なのだろうか。「人類未到産物」と呼ばれる超高度化したAIでも、やはり"こころ"は存在しないのか(シンギュラリティは生じないのか)。
・・・と、テーマはとても面白いのだが、アラトが一番惹かれているのが、レイシアの"美しさ"としか読み取れないんだよね。「出会いはその美しさ、その後はレイシアの人間的な部分に触れて」、という流れであれば納得できるのだが、描かれるアラトの心情は「美しいレイシアを手放したくない」という側面が強く、また、レイシアと絆を深めるような決定的なエピソードにも乏しいため、「アラトくん、あんた完全に"アナログハック"されてるよ!」となってしまう。で、そんなアラトがどれだけ主張を繰り広げても、「超絶美少女アンドロイドに狂わされた哀れな少年」としか見えなくなってしまい、物語を追うのが辛い。それ以外にも姿を追いたくなるような魅力的なキャラクターはおらず、読み進める楽しみが見つからない。(良かったのは紫織ちゃんくらいかなぁ・・・。)
少しでもそそられる展開になることを祈って下巻へ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読点が多く、読みにくいと感じる場面があった。それと、言葉に力がないので、情景を思い浮かべるのも難しく、読み進めるのが苦痛だった。だが、AIと人間が紡いでいくストーリーが魅力的で、結末が気になるので続きも読みたいと思う。
-
ボーイミーツガールにAIを絡めたアイデアだが,日本語に難があったり,内容としては森博嗣氏のWシリーズの方が洗練されていたり,という理由からいまいちのめり込めず.
-
Contract
Analog Hack
You'll Be Mine
Automatic World
Boy Meets Pornography
My Whereabouts
Dystopia Game
Slumber of Human
著者:長谷敏司(1974-、大阪府、小説家) -
感想は下巻。
-
読む前にもっていたイメージよりずっとシリアスでハードSFしていてびっくりした。超AIによる人型ロボットhIE。産業革命のとき労働者からの反発があったように人型ロボットの社会への浸透は危機感を人々にあたえ反対運動が激化する。その上超AIが作り出した人の創造を越えた<人類未到産物>のhIEが社会を変える。その時、人とhIE(物)との関係はどうなのか。人の形をしていることで人の感情を動かすアナログハックは、こころを持たないhIEを人もどきに人におもわせる。ディックの諸作や吉上亮の作品を思い出させ対比したくなる。