縄文人に相談だ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041075418

作品紹介・あらすじ

同年代と比べて給料が少ない、クライアントがエラそうで腹が立つ、元カノのSNSをのぞいてしまう、もっとキレイな顔に生まれたかった――。あれこれと悩みの尽きない現代人のみなさん。その悩み、1万年の歳月の中で育まれた「縄文的価値観」に意外なヒントがあるかも?「縄文ZINE」の編集長が、思わず吹き出す縄文的思考で、現代人の悩みをゆるく貝塚に送ります。単行本未収録の相談を多数追加した、待望の文庫版!

感想・レビュー・書評

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  • 2018年に単行本になったときに速攻で読んだのだけど、いつのまにか(2020年)文庫本になっていて、古本市場で最安値で出ていたので迷いなく手に取った。お買い得です(←イマイチ説得力が‥‥)。

    日々複雑になる現代人の悩みに、12,000年の歴史がある縄文人(のふりをした望月昭秀)が縄文的に答える本です。なので、直接的な悩みの解決にはならないけど、時々ハッとすることがあるので、お勧めです。

    望月昭秀さんは「縄文ZINE編集長」という肩書です。とは言っても社員はいなくて、年3回3万部以上も発行するフリーペーパーの発行人であり、もうほとんどボランティア。でも文庫本見返しでは「現在の縄文ブームの立役者」などとおだてられています。

    私の関心は皆さんご承知の通り、弥生時代。望月さんは弥生・古墳を目の敵にして、やれ「一過性と思ってた稲作ブームが終わらない」とか、やれ「土器の装飾性には意味があるんだよ!弥生の脱穀野郎」などと悪口言いますが、ホントは良い人だと知ってます♪

    もうね、土偶や土器の写真が、望月さん推薦の一癖も二癖もある写真が満載です。岩手県蒔前遺跡・鼻曲り土面とか、北海道キウス周堤墓群・男性土偶とか、岩手県萪内遺跡・しなだいさんとか、不倫しても良いですか?(←ダメよby弥生さん)

    かなりゆるゆるの回答が多いです「彼氏の前でオナラができません」「オナラって、1番面白くないですか?」とか、「彼氏が忘れられない」「送り儀式が足りてないのよ」とか。映画「スイス・アーミー・マン」ではオナラで海を渡るシーンがある!

    かなり真面目な回答もあります。ゲイで悩む13歳中学生では、新宿2丁目の先輩から親切なアドバイスが来るし、「妻の心療内科通いを心配する」28歳男にはピシリと「その原因はアナタです」というし。でも本書は悩み相談の本ではないのだけれど‥‥。

    基本的には、縄文時代を宣伝するための企画本です。本職は雑誌や本のデザイナーなので、本文よりか、写真、イラスト、欄外注がかなり面白かったりする。注に細かい文字で記された豆知識は、マニアックかつ的を得た縄文知識が満載。冗長になるので単行本マイレビューを参照をしてね(←宣伝)。

    • なおなおさん
      くまさん、お返事をありがとうございます。
      「貝塚はゴミ捨て場ではなく、カミに返す送り場」なんですね!?
      スミマセン、勉強し直します!!^^;...
      くまさん、お返事をありがとうございます。
      「貝塚はゴミ捨て場ではなく、カミに返す送り場」なんですね!?
      スミマセン、勉強し直します!!^^;
      なぜか分からないのですが、縄文時代が好きです。
      まずは、子どもの自由研究のスケッチブックを見つけて、何を調べて何を書かせたか(w)を確認してみます。
      私、10歳まで千葉っ子だったのです。
      加曽利貝塚は学校の遠足や見学、家族とも行っていたようなんですよね。今思えば、歴史的な所にいたのだな、それなのに何してたのよ?と勿体無く思いました(T_T)
      今の住まいの近くにも竪穴式住居が見られる公園があります。この機会に出かけてこようと思います。
      くまさんの弥生時代好きの話も興味深く読んでおります。これからも楽しみにしております(^^)
      2023/04/04
    • なおなおさん
      くまさん、追伸
      そう言えば加曽利貝塚の至る所に、白い破片(貝)がそのままにされていましたね。
      すごい所でした!
      くまさん、追伸
      そう言えば加曽利貝塚の至る所に、白い破片(貝)がそのままにされていましたね。
      すごい所でした!
      2023/04/04
    • kuma0504さん
      なおなおさん、
      加曽利貝塚は「日本最大級の貝塚」ですからね。至る所に白い貝が残っているのは当然で、むしろないと困るんだろうと思います。

      今...
      なおなおさん、
      加曽利貝塚は「日本最大級の貝塚」ですからね。至る所に白い貝が残っているのは当然で、むしろないと困るんだろうと思います。

      今ふと思ったのですが、「最大級」って何?じゃあ最大は何処?とググっても一向にベストワンが出てこない。開発で消滅したので、「都合の悪い真実」になったのかもしれません(^_^;)。

      まぁ地元の有名な遺跡って、そんなモンです。
      いまだに「日本最大級の弥生墳丘墓=弥生時代最大の王」たる楯築遺跡のホントの価値を知っている地元民はほとんどいない、どころかつい10メートル先の小山の上にあるのに、名前すらも知らない地元民を、私はたくさん知っています。

      というわけで、私の弥生はなしが興味深いと言ってくれるなおなおさんは、とても貴重です。宜しくお願いします。
      2023/04/05
  • 縄文人が悩み相談に答えるという
    画期的な内容。
    読んでいると途中から、
    本当に縄文人が答えている気になり
    縄文時代の考え方っておおらかだなぁと
    普通に信じて感心したりしていた。

    ところで(無口剛 42歳個性派俳優 男)って、
    もしかしてムロさん…ですか?

  • 現代人の悩みを縄文時代風にアドバイスする本。
    著者の独断と偏見で、ガチアドバイスの時もあれば、そんなこともあるさ気にすんな的なゆる〜いアドバイスもある。

    本書でも言ってるけど縄文時代って文献も文字すらもなくて、残っているのは遺跡と土器土偶だけ。わからないことが多すぎて、想像の域を超えないけど、私たちとおんなじ人間っていうのはわからないんだなぁと思った。
    縄文人だって恋もするし噂話もするしゲイもいるし、のび太みたいな狩りに行っても失敗ばっかりの人もいればスネ夫みたいにズル賢い人、ジャイアンみたいに傲慢な人、しずかちゃんみたいにみんなのマドンナ的な可愛い女の子もいた。
    それぞれ個性があったはずなんだよね。
    ひとりひとりの人生に物語があったはずだけどリーダー的な人もいないので、とくにひとりをピックアップされるわけでもなく淡々と毎日を生きていた。
    代わり映えのない毎日だったけど、平和だったんだなーと思う。
    縄文人がせっせと土器や土偶を作って狩猟で生活している同時期、エジプトでは王がいて、平民がいて奴隷がいて、王が死ぬとピラミッドが作られて、当時としては高度な文化が栄えていた。一方中国でも既に文字が生まれ、王朝ができていた。
    日本人が割と平和主義なのは縄文時代から来ているのかなと。

  • ちょっとした時間に気軽に読めて、面白い
    「縄談縄談、縄の談と書いて縄談」って言いたくなる笑
    現代の世の中は変化が早すぎるけど、そんなに急いで変化する必要あるのかなと考えさせられた

  • とにかく嫌なことは貝塚に捨てよう。それだけは覚えた。縄談、冗談。

  • 縄文文化をゆる〜く知れるということに加え、相談への文章がいちいち面白くてフフッと笑える。
    真面目にハッとさせられるものも。
    科学の発展した現代よりも、ただただ自然と共に生きていた縄文人のほうが意外にも合理的だったのでは、と思わされるものもありました。

  • タイトルから想像したほど縄文味があったわけではなかったが、これは期待しすぎたからか。随所に土偶や土器の写真がキュートなキャプションとともに掲載されていたのは吉。特に加曾利E式文様セーターとか欲しい。また相談者も多彩で、3回登場の飲みすぎジョニ子さんから、ブルーライトを恐れる(貴重な縄文好きタレント)藤岡みなみさん、食事に行っても帰るタイミングのわからない(「大家さんと僕」の)矢部太郎さん、ユッキーナに憧れるしまおまほさん、将来が不安なラーメンズ片桐さんといったタレント陣まで。もう15年もダイエットしてるという相談に、冬眠しろとか。土偶の脇があまい(風通しがよさそう)なのはなぜなんでしょうね。貝塚は単なるゴミ捨て場ではなく、送りの場でもあった、したあとのブログは貝塚だ!という指摘とか。

  • 悩み相談を通して縄文時代の人達の生活や文化を知ることができた。今までよくわからなかった縄文時代がちょっと好きになった。

  • 私も縄文時代に生まれて土偶作ったり狩りしたりしたかったなー。
    生きることそのものに命を使える時代って、どんな風だったんだろ。いや、めちゃくちゃ大変だろうし不快なことも多いだろうけど、それは現代を知ってて、比較しちゃうからで。
    動物に近い存在で人間を生きてみたかったなー。

  • 確かに稲作ブーム続いてるって言えるな。でもまだ稲作ブームなんて始まったばかりだし...というテンション

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著者プロフィール

『縄文ZINE』編集長。1972年、静岡県静岡市生まれ。ニルソンデザイン事務所代表。書籍の装丁や雑誌のデザインを主たる業務としながら、出来心で都会の縄文人のためのマガジン『縄文ZINE』を二〇一五年から発行し編集長をつとめる。著書に『縄文人に相談だ』(国書刊行会/文庫版は角川文庫)、『蓑虫放浪』(国書刊行会)、『縄文ZINE(土)』、『土から土器ができるまで/小さな土製品をつくる』(ニルソンデザイン事務所)など。現代の縄文ファン。

「2023年 『土偶を読むを読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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