丸の内魔法少女ミラクリーナ

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 2717
感想 : 298
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041084236

感想・レビュー・書評

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  • 村田沙耶香先生の作品が本当に好きだ。
    日々生きていて色々とモヤモヤすることも多く、ネット、SNSで日々呟かれる人間の浅ましい醜い感情がドロドロとしているのを実感していたため、こんなにリアルにそれでいてめちゃくちゃ綺麗な文章で描かれており、こんなにも気持ちいいことがあるかと。
    Twitterでずっといがみ合って悪口ばかり言っている炎上につぐ炎上のち正論吐けばバズる一方で、インスタグラムでキラキラ綺麗な家具に囲まれて丁寧な暮らししています〜ストレスフリーです〜癒やしの空間にいつもいます〜怒ったことありませ〜んみたいな投稿ばかり目にした時の気持ちを思い出します。
    どの短編も、自分ばかり汚く歪んで狂っているのか、自分以外がごちゃごちゃした世界を強制的に矯正しようとしているのか、とても考えさせられました。

  • 個人的に好きな作品は、『変容』でした。
    へんてこな世界観と気持ち悪さと怖さが混ざりあっていて面白かったです。
    『なもむ』、『まみまぬんでら』という言葉が、意味が分からない上に気持ち悪くて、最後には主人公がその言葉の意味を理解出来てしまうようになり『変容』していく姿が怖かったです。

  • 「なもむ」の意味を検索すると、やはり流行語のようだった。 『異常なほど想像力を搔き立てられ、意識が飛んだようになり、異常行動への欲求が高まること。または、それについて絵を描いたり歌を歌うなどの表現がしたい、という創作への欲望が搔き立てられること。単なる感動や情動には使わない。あくまで、それに関してなんらかの異常なほどの衝動を覚えたときにのみ使う。ただし、主語が子供の場合には例外もある』

  • 村田さんの発想力が爆発してました。そして何度も肩を震わせました。絶対にありえないとは言い切れないどこかゾッとする世界観なのに笑わせてもくれるなんて。最後の話は笑い声が出そうになりました。

  • 村田沙耶香さんの本はいつも読んでる間不安な気持ちになる。怖さをずっと感じてるけど、読んでしまう。ミラクリーナの話が、1番好き。予想に反して和んだ。

  • 久しぶりの読書、読みやすそうな薄さ、知ってる作者さん…と思いながら本屋を探して見つけた一冊。コンビニ人間が好きだったので読みましたが、期待を裏切らない面白さでした。
    「変容」の怖いけど笑っちゃう感じは村田さんならではだなぁと思いつつ、「今ってうっすらこういう社会になりつつあるような気がするんですけど、どう思いますか?」って聞かれたような気分になった。魂のステージがどうとか、パブリック・ネクスト・スピリット・プライオリティ・ホームパーティーの話になった時はその胡散臭さに笑いが止まらなかったけど、「魂のステージが下だから怒りなんて感じるんですよ」という一言にはちょっとドキッとして。自分がある程度大人になった、なんて思い上がりかもしれない自負があるせいか、例えばなんかこう…自分からしてみたらものすごくくだらないこと、子どもの頃だったらムキになってたかもしれないようなことでイライラしている大人を見ると「その歳でまだそのレベルなの…?」なんてことを思ってしまうことがあるわけで。それは作中に出てくる「魂のステージが下だから」という目線と変わらないんじゃないか…?なんてことを思ったりしました。
    一番好きなのは「無性教室」です。性別なんてものがあるから問題が起きるんだ!という考えのもとでかなり強引な校規が浸透している学校の中で、自分の性に揺れたり疑問を持ったりする過程にひと味違う青春の尊さみたいなものを感じました。特にクライマックスは…なんというか、こう…まみまぬんでら…

  • 2023.02.26 読了。

    表題作がめちゃくちゃ面白かった。

    感想はブログにて。
    https://newblushingviolet.com/miraclena/

  • 収録作はどれも村田沙耶香節が効きまくっててページを捲る手が止まらなかった。ファンタジーなしの魔法女性戦士「丸の内魔法少女ミラクリーナ」、初恋を終わらせるための手段としての監禁「秘密の花園」、ジェンダーが禁止になった学校「無性教室」、怒りが消えた世界「変容」、どれもぶっ飛び設定だけれど垣間見える人間模様が良質でした。特に表題作と無性教室は素晴らしい百合とパンセクシャル物語でした。

  • 日常を面白おかしく料理して生きるという表現が心に響いた。確かに成長するにつれて、いつのまにか自分で妄想を繰り広げることが少なくなったように思う。
    どの作品も私が読んだことがないような世界でのお話で新鮮だった。

  • 世界観がすごい、本当に村田沙耶香さんは天才だと思う。どの作品も面白かった。1番好きなのはミラクルリーナだった、私も変身したいと思った。心の中なら誰にもバレない怪しまれない。さっそくセーラームーンのコンパクトを買おうと思う。笑
    初恋の子を監禁する話も気持ち悪くて好きだったし、性別を隠す学校の話も、怒りの感情がない「なもむ」もなんとなく現代的な感じがした。近い将来なもむは使われるのではないか...

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著者プロフィール

村田沙耶香(むらた・さやか)
1979年千葉県生れ。玉川大学文学部卒業。2003年『授乳』で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)を受賞しデビュー。09年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、13年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島由紀夫賞、16年「コンビニ人間」で芥川賞を受賞。その他の作品に『殺人出産』、『消滅世界』、『地球星人』、『丸の内魔法少女ミラクリーナ』などがある。

「2021年 『変半身(かわりみ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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