虜囚の犬

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 558
感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041092958

感想・レビュー・書評

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  • 化け物みたいな人が次から次に出てきて、みんな業をせおっていて、最初から最後まで痛すぎて救いがない。そういう作風なのでしょうけど、しんどすぎた。そうはいいつつも、物語の先が気になってグイグイ読み進めるんですけどね。「老い蜂」のあとに読んでみたけど、この本はエピローグにも救いがなくて絶望した。

  • 「第一章」
    殺された者の住処に。
    ただの殺人事件なら単純だったのだろうが、捜査するにつれ見つかったものが問題過ぎたな。
    トラウマを掘り起こすつもりはなくとも、話を聞ける相手が少ないと仕方の無い事なのだろうな。

    「第二章」
    浮かび上がる過去は。
    時が経とうと人々の中で残る記憶が鮮明過ぎないかと思うが、それほどの事だったのだろう。
    関係者のみが知る事実は少なく無さそうだが、答えに辿り着く為に聞き出すのは苦労しそうだな。

    「第三章」
    居場所を求める者達。
    昼間は逃げれる場所は多少あれど、夜が近付くにつれて年齢制限が厳しくなっていくからな。
    ニュースを気にするのは勝手なことだが、何故あのコメントに対して異常な怒りを見せたのだろ。

    「第四章」
    振り回される捜査員。
    その場で伝える事が出来なくとも、後に思い出したと証言していれば変わる事もあるのでは。
    護ろうとしていた者に裏切られ襲われたら、誰だってトラウマになり関わりたくなくなるだろう。

    「第五章」
    全ての事件が終わる。
    同じ時系列にしては何かおかしいと思っていたら、実際の時の流れは別物だった事に驚いた。
    これだけの間、主犯は隠れ逃げ続けていた事も凄いが新たに犬を増やそうとしたのは凄い事では。


  • ずーーーーっと胸糞悪い感じが続き
    負の連鎖がしっかり繋がり最後の謎が解けたときも
    すっきりとしない、そんな感じ。

    櫛木理宇さんの世界観好きで
    今回のは特に性犯罪、毒親、カニバリズムなど
    たくさんの要素満点で気持ち悪いけど
    ページを捲る手が止まらない。

    フィクションだから楽しめる作品。

    でも現実にもこういうことたくさんあるんだろうな…
    とは思わずにいられない。それは悲しいけど。

    心理描写の表現や構成など
    また櫛木理宇さんの作品読みたいなと思いました◎

  • 虐待の連鎖と洗脳。

    関係者が多く、戸籍関係もややこしい。
    顔が似てるってそんなにあるかな…というのがひっかかってしまう。

  • 男どもを虜にするアズサ

    アズサのためなら殺人だってする
    犬にだってなる
    アズサの言うことなら聞く

    アズサはどうやってみんなを手懐けたのか…
    そこが謎

  • 個人の生い立ち、時代背景、嗜好、群集心理、色んな方面から緻密に語られ、一つ一つが入り組んで事件が起こった。それが語り手の2人によって少しずつ明らかにされていくのが面白く、次に分かることは何か、何かと気になるあまり一気に読めた。
    少年による異常な犯行と思われた事件が、ラストのほんの一幕で全て覆る。いやそうなると、あの時のあの表現は受け取り方が変わってくる……と、思わずページを繰って見返してしまった。
    やけに唐突に美少年がねじ込まれてきたのにはいまいち馴染めなかった。もっと序盤から出てきてよかった人物では。あと、謎として投げかけられずっと気になっていたとある名前については、ラストで無理矢理帳尻を合わせたような部分があり残念だった。

  • なかなかの胸糞でした!

  • 引きこもりだった薩摩治郎がホテルで殺害され、和井田瑛一郎巡査部長と元家裁調査官の白石洛が真相を解明する物語だが、登場人物が多彩で更に数が多く若干複雑だったが楽しめた.薩摩家の庭から2つの死体が発見され、話が展開する.治郎の父 伊知郎は謎の多い人物だが、程なく殺害される.白石が庭師や家政婦などから情報を集め、和井田が警察の動きと絡めて、次第に真相に近づく過程が楽しめた.國広海斗、三橋未尋、大須賀光男など怪しげな人物が登場するが、全体像は意外な人物の企みだと判明する.面白かった.

  • 猟奇的で情緒的な読み物としてはとても面白かったけれど、謎を解決する物語としてはひどく説得力に欠けていた。相当夢中になって読み進めていただけに、終盤のつじつま合わせには一気に失望感が広がった。
    三尋と海斗のエピソードいる?犬神憑きの要素いる?
    いやぁ、途中まではこれは傑作だと思ったんだけどなぁ。

  • グロいのに何故か読まされちゃう。櫛木先生の作品はとても不思議。
    どの作品も参考文献がたくさんあるし、膨大な知識の元、作品を生み出されているんだろうな。

    そんで、いつもは読み飛ばす固有名詞にも注意が必要だったとはねー。気づかないよ…
    人間らしい感情を剥き出しにする登場人物の中に一人だけ、お手本を見せる方がいます。

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著者プロフィール

1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成。著作には「ホーンテッド・キャンパス」シリーズ、『侵蝕 壊される家族の記録』、『瑕死物件 209号室のアオイ』(角川ホラー文庫)、『虎を追う』(光文社文庫)、『死刑にいたる病』(ハヤカワ文庫JA)、『鵜頭川村事件』(文春文庫)、『虜囚の犬』(KADOKAWA)、『灰いろの鴉 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎』(ハルキ文庫)など多数。

「2023年 『ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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