- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041095652
感想・レビュー・書評
-
これはダメだった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミステリーじゃなかった。
遠い国の話のような身近な問題のような。 -
従来の作品とは全く異なるが質は高い。
寓話に込めた作者の強いメッセージを感じる。 -
既読太田愛作品3冊目にして初めての凡作。
最後まで世界観がわからないまま読み終えてしまった。
軽トラックや電車、自動販売機がある世界で馬車が走り、時間の流れが下界とは違う塔があり、被差別移民や魔法使いがいるような世界。
不思議というよりチグハグ。
「天上の葦」で扱った、権力者の暴走を許すとどうなるかを今作でも語っているが、完成度は雲泥の差。
名前も覚えづらく、登場人物だいたい嫌なやつ。
胸糞なシーンもあり、ラストもどこかはっきりとしない。
これまで「幻夏」「天上の葦」を読んでいて、特に「天上の葦」は大好きな作品だっただけに今作は本当に残念。
次作はファンタジーでないことを願う。 -
最初はこの作者の他の作品との作風の違いに戸惑い、最後はやっぱりこの人の作品だ、と思う着地。
架空の世界で始まる物語り。世界観を捉えることに終始する1章、が終わるとそこから先はどんどん加速していく。
2章以降で展開されてわかる、弱者が権力や国家に虐げられるお話。うん、この作者の作品だ。
終始やるせない思いが漂う作品なのに、登場人物の傷ついているから故持っている優しさとか思いやり、うちに秘めた強さ、が魅力的な作品
2021.4.29
57 -
太田愛さんの本なので推理物と思ったらまったく違う小説でした。
とても悲しい話でしたが、最終章で少し救われた気持ちになりました。
始まりの町に住む羽虫と呼ばれる人々。差別の蔓延る町。
そして民衆を締め付けていく中央府。
これって現実に起き始めているような気がしてゾッとしました。
私たちもきちんと考えて声を上げないといけない。
そんな気持ちになりました。 -
これまでと全く違う作風に戸惑いながらも、現代日本のみならず、世界中に向けた話しであったと知りました。
戦争は、選択もしくは選択とは思わずに同調した結果である。グッサリと刺された思いでした。 -
岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00609152
この物語は遠い世界のものではない。注目の作家が描く、現代の黙示録。
「この町はとっくにひっくり返っている。みんなが気づいていないだけでな」
〈はじまりの町〉の初等科に通う少年・トゥーレ。ドレスの仕立てを仕事にする母は、「羽虫」と呼ばれる存在だ。誇り高い町の住人たちは、他所から来た人々を羽虫と蔑み、公然と差別している。町に20年ぶりに客船がやってきた日、歓迎の祭りに浮き立つ夜にそれは起こった。トゥーレ一家に向けて浴びせられた悪意。その代償のように引き起こされた「奇跡」。やがてトゥーレの母は誰にも告げずに姿を消した。
消えた母親の謎、町を蝕む悪意の連鎖、そして、迫りくる戦争の足音。
ドラマ「相棒」の人気脚本家が突きつける、現代日本人への予言の書。 (出版社HPより) -
何年も待った太田愛の新作。読み始めて思う。これって太田愛か?翻訳ものみたいだ。
第4章で分かった。太田愛だ!
「だが、戦争は結果にしか過ぎない。夥しい死は、無数の人々の選択の結果、あるいは選択を放棄した結果、または選択と思わずに同調した結果なのだ」などの言葉に
動かされる。
なるほど現代日本に生きる者への警鐘なのだ。