彼らは世界にはなればなれに立っている

著者 :
  • KADOKAWA
3.47
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本棚登録 : 595
感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041095652

感想・レビュー・書評

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  • これはダメだった。

  • ミステリーじゃなかった。
    遠い国の話のような身近な問題のような。

  • 従来の作品とは全く異なるが質は高い。

    寓話に込めた作者の強いメッセージを感じる。

  • 既読太田愛作品3冊目にして初めての凡作。


    最後まで世界観がわからないまま読み終えてしまった。
    軽トラックや電車、自動販売機がある世界で馬車が走り、時間の流れが下界とは違う塔があり、被差別移民や魔法使いがいるような世界。
    不思議というよりチグハグ。
    「天上の葦」で扱った、権力者の暴走を許すとどうなるかを今作でも語っているが、完成度は雲泥の差。
    名前も覚えづらく、登場人物だいたい嫌なやつ。
    胸糞なシーンもあり、ラストもどこかはっきりとしない。

    これまで「幻夏」「天上の葦」を読んでいて、特に「天上の葦」は大好きな作品だっただけに今作は本当に残念。
    次作はファンタジーでないことを願う。

  • 最初はこの作者の他の作品との作風の違いに戸惑い、最後はやっぱりこの人の作品だ、と思う着地。

    架空の世界で始まる物語り。世界観を捉えることに終始する1章、が終わるとそこから先はどんどん加速していく。

    2章以降で展開されてわかる、弱者が権力や国家に虐げられるお話。うん、この作者の作品だ。

    終始やるせない思いが漂う作品なのに、登場人物の傷ついているから故持っている優しさとか思いやり、うちに秘めた強さ、が魅力的な作品

    2021.4.29
    57

  • 太田愛さんの本なので推理物と思ったらまったく違う小説でした。
    とても悲しい話でしたが、最終章で少し救われた気持ちになりました。
    始まりの町に住む羽虫と呼ばれる人々。差別の蔓延る町。
    そして民衆を締め付けていく中央府。

    これって現実に起き始めているような気がしてゾッとしました。
    私たちもきちんと考えて声を上げないといけない。
    そんな気持ちになりました。

  • これまでと全く違う作風に戸惑いながらも、現代日本のみならず、世界中に向けた話しであったと知りました。

    戦争は、選択もしくは選択とは思わずに同調した結果である。グッサリと刺された思いでした。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00609152

    この物語は遠い世界のものではない。注目の作家が描く、現代の黙示録。

    「この町はとっくにひっくり返っている。みんなが気づいていないだけでな」
    〈はじまりの町〉の初等科に通う少年・トゥーレ。ドレスの仕立てを仕事にする母は、「羽虫」と呼ばれる存在だ。誇り高い町の住人たちは、他所から来た人々を羽虫と蔑み、公然と差別している。町に20年ぶりに客船がやってきた日、歓迎の祭りに浮き立つ夜にそれは起こった。トゥーレ一家に向けて浴びせられた悪意。その代償のように引き起こされた「奇跡」。やがてトゥーレの母は誰にも告げずに姿を消した。
    消えた母親の謎、町を蝕む悪意の連鎖、そして、迫りくる戦争の足音。
    ドラマ「相棒」の人気脚本家が突きつける、現代日本人への予言の書。 (出版社HPより)

  • 読書備忘録570号。
    ★★★☆。
    探偵3部作でドハマリした太田愛さんの最新作。
    結論としては入り込めなかった。
    異世界が舞台。「始まりの町」に住む<羽虫>と呼ばれ差別を受ける他所から来た人々の物語。
    異世界であることでまず、感情移入できない。
    <羽虫>は日本で言えば、各地に未だ残る例の差別を思い浮かべる。でもなかなか可哀そうと思えない。異世界が邪魔して。
    始まりの町の父と羽虫の母を持つハーフの少年、トゥーレ。大型客船が寄港した日。町はお祭り騒ぎ。父は母にドレスを着せて祭りに繰り出す。そこで悲劇が。やはり羽虫は・・・。
    映画館のフロント係の羽虫のマリ。誇り高き住民のはずの男たちは、夜な夜なマリのところに通う。ゲスそのもの。そして悲劇は起こる・・・。
    羽虫の葉巻屋。吸殻を拾い、残った煙草を巻き直してわずかな収入を得る。そして目立たないように生きる。そして町の情報屋。町の伯爵の囲う羽虫の美女コンテッサは恐ろしいたくらみを企てる。それを知った葉巻屋は・・・。
    始まりの町のあらゆることを見てきた魔術師。すべての物語はひとつに・・・。
    だめだ、感情移入できない。笑

  • 何年も待った太田愛の新作。読み始めて思う。これって太田愛か?翻訳ものみたいだ。
    第4章で分かった。太田愛だ!
    「だが、戦争は結果にしか過ぎない。夥しい死は、無数の人々の選択の結果、あるいは選択を放棄した結果、または選択と思わずに同調した結果なのだ」などの言葉に
    動かされる。
    なるほど現代日本に生きる者への警鐘なのだ。

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著者プロフィール

香川県生まれ。「相棒」「TRICK2」などの刑事ドラマやサスペンスドラマの脚本を手がけ、2012年、『犯罪者 クリミナル』(上・下)で小説家デビュー。13年には第2作『幻夏』を発表。日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)候補になる。17年には上下巻の大作『天上の葦』を発表。高いエンターテインメント性に加え、国家によるメディア統制と権力への忖度の危険性を予見的に描き、大きな話題となった。

「2020年 『彼らは世界にはなればなれに立っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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