稚くて愛を知らず (角川文庫 緑 97-12)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041097120

感想・レビュー・書評

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  •  あまり読書が好きでなかった若い頃、最後まで興味深く読み終えることができたという記憶があるが、この歳になって、「もう一度読みたい」と思う本のひとつである。
     結婚とは何か?幸福とは何か?家庭とは何か?というテーマを元に、結婚・教育・家庭・人生観をそれぞれの立場から考えさせる素晴らしい本であった。主人公の花村友紀子のような人は滅多にいないだろうが、周囲の人間を含めて、多少なりとも共通する部分は誰にでもあるような気がする。

  • カバーの紹介文.「花村友紀子は,滋賀県彦根市内の一病院の,院長長女として生まれた.色白で大きな目の澄んだ,愛らしい彼女は,幼少から父母の溺愛を受け,天使のように清らかな少女に成長したが,人を疑うことを知らず,愛情を受けることに馴れてそれを与えることを知らぬところに,彼女の人生の,大きな危険があった.
    深窓に育って汚れが無く,受け身の愛のみを知った女性が,結婚し,さまざまな現実に触れたとき,そこに何が起きるだろうか?
    実験的構成のうちに,愛情・結婚を追求する,異色の野心作」.

    文庫の奥付は昭和42年発行になっている.読みながら,発表された当時はこの小説にリアリティーがあったんだろうかということがずっと頭を離れなかった.それほど嘘くさい,作り物めいた小説.(解説を読むとやはりその当時もリアリティーは無かったらしい.)
    それでも,どんどん読ませてしまうのは,そこに誰もが多かれ少なかれもっている自己愛の危険さを(極端な形ではあるけれど)見せてくれるからに違いない.
    これも女性(特に既婚の女性)が読むと,かなり反発を感じそうな小説.

  • あまり他人事とは思えない……。

    愛って、本当に難しいものだと思う。

  • 結婚は人生の墓場という言葉があったなぁということをしみじみ思い出した……………

  • 高校生ぐらいの頃に読んで、号泣した記憶が(笑)今思い出すと、もっと切ない…。ああ、あたし、そうだ、コレと同じだと思う。あの頃、なんで号泣したのに、ちゃんと自分に置き換えられなかったんだろう…と今思うと、悔やみます。自分で解ってたのに。両親に愛され、愛される事に慣れて…悪気はなく、冷たいのでもなく、根性悪い女でもなく(笑)彼女に罪はなかった…ただ、気付けないまま大人になった…人を愛するって、何処で間違って成長するんだろう…

  • 私も稚くて愛を知らずなのかも。

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