眺望絶佳

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100967

感想・レビュー・書評

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  • 「立っていれば人々はわたしたちを見上げて安心し、
    明日を生きる活力を身に蘇らせることができるのです」

    東京にもいつ大きな地震が来てもおかしくないと言われます。
    東京タワーとスカイツリーには、しっかりと立ち続けて
    人々を勇気づけてほしいと思った。
    タワーだけでなく、私たちも日々の中でただ立ち続けていたいですね。

  • 短編集 あんまり波はない感じ

  • 東京だけでなく、
    日本を代表する建造物同士の
    やり取りに挟まれる、
    下界の人間の短編集です。

    個人的には、
    『おさななじみ』が良かったです。

    あと、
    『キッズのための英会話教室』は、
    まるでドラマを観ているかのようでした。

    世の中って、
    うまくいかないなぁと思うような、
    悲しさと切なさを感じました。

    しかしながら、
    建造物同士の往復書簡を読んで、
    なんとなく心がほっこり。

    改めて、そこにいるだけで
    元気になれる存在だと
    気付かせてくれた、
    中島さんの視点が素敵です。

  • 【収録作品】眺望良し。/アフリカハゲコウの唄/倉庫の男/よろず化けます/亀のギデアと土偶のふとっちょくん/今日はなんだか特別な日/金粉/おさななじみ/キッズのための英会話教室/眺望良し。

  • 不思議な話、数編。
    『今日はなんだか特別な日』大学が始まる前でうきうきした気分のときにギャラリーを偶然見つけたら?
    ニコニコした老人に手招きされたら迷わず入るね。こんな形式のギャラr−があったらまた別の日にも行ってしまいそうです。
    『金粉』おばあちゃんたちが出してくれたお茶は、ホコリじゃなくて金粉が入っていたのでは!?

  • 東京タワーやスカイツリーの見た東京の展望が紡ぐ物語のかずかず。
    ほっこりしながらあっという間に読みました。

  • +++
    自分らしさにもがく人々の、ちょっとだけ奇矯な日々。客に共感メールを送る女性社員、倉庫で自分だけの本を作る男、夫になってほしいと依頼してきた老女。中島ワールドの真骨頂!
    +++
    「眺望良し。【往信】」 「アフリカハゲコウの唄」 「倉庫の男」 「よろず化けます」 「亀のギデアと土偶のふとっちょくん」 「今日はなんだか特別な日」 「金粉」 「おさななじみ」 「キッズのための英会話教室」 「眺望良し。【復信】」
    +++

    八つの物語を挟み込むように配された、スカイツリーと東京タワーのやりとりにじんわり泣ける。ことに東京タワーの気持ちがよくわかって、愛おしくなる。そして、東京タワーからスカイツリーへのバトンタッチに象徴される時代の移り変わりが、そのほかの物語にはそれとなく織り込まれている。どこにでもありそうな日常の風景から、ほんのわずか視線をずらしたところにありそうな、アスファルトの割れ目から芽を吹いた小さな緑のような、目立たないがふと目を引かれる風景が詰まった物語である。なんとなく物悲しい気分にもなる一冊である。

  • 書き下ろしの「眺望良し。」往信と復信の妙にうなる。
    「今日はなんだか特別な日」と「おさななじみ」が好き。

  • 冒頭、人が入ってくるのはまだ慣れません、と告白するスカイツリーから東京タワーへの手紙にやられちゃいました。
    続く8つの短編はどれも素敵。たまにニュースになることもあるゴミ屋敷から、かくも美しい物語が紡がれるのかとはっとする「金粉」、中年男女の胸キュンハッピーエンド「おさななじみ」は中島さんならでは。
    最後の、東京を見守ってきた東京タワーがスカイツリーに塔としての心得を伝える手紙がまた心を打ちます。

  • スカイツリーと東京タワーが手紙のやりとりをしていたことに気が付かなかったように、そのふたつの新旧タワーのあいだで小さく生きている個性たちに気付けずにいた。大都会にまぎれ消えかかっている人々を、でも、またすぐに忘れてしまいそうだ。どっしりとした足元もだんだんと頼りなくなり、いつ転ぶかもしれない、現代の脆い約束。東京タワーを見上げたい。

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著者プロフィール

1964 年東京都杉並生まれ。小説家、エッセイスト。出版社勤務、フリーライターを経て、2003 年『FUTON』でデビュー。2010 年『小さいおうち』で第143 回直木三十五賞受賞。同作品は山田洋次監督により映画化。『かたづの!』で第3 回河合隼雄物語賞・第4 回歴史時代作家クラブ作品賞・第28 回柴田錬三郎賞を、『長いお別れ』で第10 回中央公論文芸賞・第5 回日本医療小説大賞を、『夢見る帝国図書館』で第30 回紫式部文学賞を受賞。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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