李陵・山月記・弟子・名人伝 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103029

感想・レビュー・書評

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  • 高校の頃の教科書にでてきたときはイメージがあまりわかなくて、ぴんとこなかった『山月記』

    「史記」「三国志」「キングダム」など読んで中国歴史ドラマみて、中国史を勉強して、イメージできるようになってから改めて読むと、深く心に届きました。
    その時代の考え方、習慣を知っていると理解も深まるしおもしろさも増すのね

  • 中国の故事を元に描かれたものが多いからか、とっつきにくい印象だったけど、全ての作品に引き込まれてしまった。
    特に山月記と悟浄出世。
    全てに底通する、自己の弱さや迷いに向き合わざるを得ない主人公達は、きっと敦くん自身の姿なのだろう。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 心洗われる。定期的に読見返すべき本。

  • 「驚愕の描写でつづる匠の世界とその深淵」

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=074203

  • 文学

  • 思えば私の中華風物語好きもここから始まったのかもしれない。
    中学時代この本を読んでから今に至るも読み返している。
    最初の部分は暗誦できるまでになっていた。
    その後、20年ほどしてある本屋さんで高校ぐらいの男子二人連れが本を選んでいた。一人の子が冒頭部分を語り出したのを聞いて、この年代の子供たちには印象の深い文学なのだなと思った。
    今も電子本で携帯しています。
    何度読んでも味わい深い。

  • 再読どこじゃないがやっぱ好き

  • もう何度読んでいるかは分からないが、折に触れて中島敦を読みたくなる時がある。

    「隴西の李徴は……」から始まるあのリズム美に触れたくなるのだ。もはや中毒である。

    そういう意味で、中島敦はすごい作家だなあと思う。33歳という若さで亡くなったが、この人が作品を生み出し続けていたなら……と想像してみると面白い。

    私が角川版を購入したのは、森村玲さんのカバーが中島敦観とマッチしていたから。
    最近、どの出版社にも言えるのだが読者獲得のために、不必要なほどマンガテイストのものに変えないでほしい。。。

    さて。
    「山月記」は言わずもがな、私は「名人伝」も大好き。
    紀昌が世話になった師匠を倒さんとするも失敗したあとの、謎の和解ハグシーンはいつ読んでも笑ってしまう。

    この「名人伝」から改めて繋がった作品が、オイゲン•ヘリゲル『日本の弓術』である。
    こちらはエッセイだが、ぜひ触れて欲しい。

    【2016.12.29再読】

    万城目学『悟浄出立』を読んで、改めて「悟浄出世」「悟浄歎異」、「李陵」を読む。
    沙悟浄の立ち位置。
    活躍する者ではなく、調停する者であるという、いわゆる脇役でしかない嘆き。
    けれど、悟浄の視点だからこそ、物語は小説へと変化出来たのだろうし、三蔵と悟空の持つ性質を言語化出来る思考を持ち合わせる存在は、悟浄しかいない。

    「李陵」は、李陵と司馬遷の二人の苦悩から成る。
    どちらも主君に見捨てられた者として辛酸を舐める。
    しかし、宿命とも言える仕事に没頭出来た司馬遷と、匈奴の中で身を休めることが出来ながらも、蘇武との決定的な差にジリジリとする李陵ではその後が違う。

    自分の足元に何が拡がっているのか。
    人が宿命を感ずる時とは、一体どのように訪れるのだろう。

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著者プロフィール

東京都生まれ。1926年、第一高等学校へ入学し、校友会雑誌に「下田の女」他習作を発表。1930年に東京帝国大学国文科に入学。卒業後、横浜高等女学校勤務を経て、南洋庁国語編修書記の職に就き、現地パラオへ赴く。1942年3月に日本へ帰国。その年の『文學界2月号』に「山月記」「文字禍」が掲載。そして、5月号に掲載された「光と風と夢」が芥川賞候補になる。同年、喘息発作が激しくなり、11月入院。12月に逝去。

「2021年 『かめれおん日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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