李陵・山月記・弟子・名人伝 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 107
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103029

感想・レビュー・書評

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  • 一番好きな作家の一人(矛盾した言い方ですが)

    李陵・山月記が有名だけれども自分としては

    「弟子」「悟浄出世」「悟浄歎異」を推したい

    いつも手元に届くところに置いてある本特にこの3篇はことあるごとに読み返す


    これからもずっと何度も読んでいくと思う

  • ■山月記■
    憤悶と慙恚とによって益々己の内なる臆病な自尊心を飼いふとらせる結果になった。人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという。 事実は、才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己の凡てだったのだ。

  • 「己の珠に非ざるを恐れて」
    ことあるごとに心の中で反芻する言葉。

  • ●山月記●
    この気持は誰にも分らない。誰にも分らない。己と同じ身の上に成った者でなければ。
    事実は、才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己の凡てだったのだ。己は漸くそれに気が付いた。
    この胸を灼く悲しみを誰かに訴えたいのだ。

  • 西遊記の話である「悟浄出世」と「悟浄歎異」が一番好き。
    「弟子」を「でし」と読んだら「ていし」と訂正されました。

  • この漢文調の文体が好きでしょうがない。
    ただ中島敦の作品というのはあまりに少ないのが悲しい。
    もっと長く生きてほしかったと思う。

  • 日本人でよかった…

  • 三月記は人生のバイブル

  • 表題作も好きですが悟浄の話が好き。

  • 高校の教科書に載っている作家ではなぜかこの人が一番好きでした。読み易いですよね。

  • 高校時代教科書に山月記があり、他の作品も読みたくなったのが切欠。
    あまりの面白さに興奮して鼻血が出そうになったほど。

  • 漢文が好きな人なら非常に楽しく読める作品が多いですね。大体の教科書には載っている山月記で好きになった人が多いのでは。「弟子」もお奨めです。

  • 名人伝の結末がある意味すてきw

  • 全1巻

  • ほとんど三月記が好き、なのですが。
    漢文調がいい。

  • 山月記はありがちだけど、教科書で初めて知った。
    <BR>
    私は虎はたとえ人食いであっても綺麗な生き物だと思うから、李徴が自らを「醜い」と称する部分にだけは少し違和感を覚えるけれど、それ以外は文体・内容どこをとっても好き。
    <BR>
    中島敦氏は、もしかしたら自身がそうであったのかもしれないけれど、“生きにくい”人を描くのが上手いのだと思う。

  • 家のは角川文庫旧版。
    内容は李陵、弟子、名人伝、悟浄出世、悟浄歎異

    悟浄がいいです。なぜ悟空のように
    無自覚に正しく振舞えないのかと苦闘する。肥大した自我に悩むところが。

  • 漢文に堪能な作者の文体は難しそうに見えるのに面白く読める。収録されている作品は昔の中国関連なので、古代中国が好きな人は興味が持てると思う。

  • 山月記は学校の教科書で読んで以来好きな話です。いつの時代でも人間ってプライドに縛られているのだなぁ。身ににつまされます。

  • 教科書で「山月記」を知っている人が多いのでは。<br>
    私も「山月記」と、模試か何かで出題されていた「名人伝」で中島敦を知り、「名人伝」が気になって、図書館で中島敦の本を借りたのを覚えています。<br>
    「悟浄出世」「悟浄歎異」は、快活な孫悟空が主人公ではなく、哲学的な思考をめぐらす沙悟浄がメインですが、私はとても惹かれた作品です。<br>
    手元に置いておきたくて買った1冊。

  • あぶないところだった

  • 李徴子がすごく好きです。

  • 山月記は忘れられない。

  • 山月記は中学生のときにはじめて読んで感銘を受けた作品。この頃は漢文が大好きだったので、中島敦の文体のリズムには完全にノックアウトされた。今でも、こんな話が書けたら死んでもいいと思ってる。

  • 俺みたいな者は、いつどこの世に生まれても、
    結局は、調節者、忠告者、観測者にとどまるのだろうか。
    けっして行動者にはなれないのだろうか?(本文より)

    角川文庫『李陵・山月記・弟子・名人伝』に収録されています。
    「李陵」「山月記」あたりは教科書で知っていたけど、「悟浄歎異」はこの文庫本をテキストに使っていた中島敦の講義で知りました。特に中島敦に興味があったとか好きで取ったわけではなくて、日本文学系講義の単位が足りなくて仕方なく取った、という何だかとても申し訳ない理由でした。しかもかなり不真面目な学生だったので、席はいつも後ろの方でノートは落書きだらけという、そんなで中島敦でレポート1本書けと言われた日にはコリャ真面目に受けねば!と心を入替えた時にやっていたのが「悟浄歎異」でした。面白かったんですコレが。
    題の通り「西遊記」に登場する悟浄の手記という形になっています。
    本文にもある通り、悟浄は、自分は悟空達のような行動者にはなれないのか?と嘆いています。でも本文を読むと悟浄は、すっごい素晴らしい観察眼を持っているのですよ。悟浄なりの視点で、三蔵や悟空、八戒の性質を見極めていて、尚且つ尊敬している。三蔵や悟空はまだしも、軽蔑していた八戒に対しても、その良さを認め、見習うべき所を見つけ、尊敬している。観察するだけでなく「遠方から眺めて感嘆しているだけではなんにもならない」ことにも気付いている。これって、なかなか出来ることじゃないと思うんです。
    悟浄が自身を「調節者、忠告者、観測者」と表現する所以は、その観察眼にあると思う。
    そしてそれ故に、行動者である三蔵達に憧れているんだろうけど、悟浄にだって三蔵達にはない所が沢山ある。悟浄は気付いていないみたいだけど。私はそんな悟浄が好きなのです。

  • 「悟浄出世」、「悟浄歎異」の為に買った本。沙悟浄視点の西遊記であるこれらは斬新で面白いです。何より河童が猿を好きすぎで吃驚します。

  • 日付メモなし。
    うーん、持ってる本が出てこない!ので、一番近いこの本を。

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著者プロフィール

東京都生まれ。1926年、第一高等学校へ入学し、校友会雑誌に「下田の女」他習作を発表。1930年に東京帝国大学国文科に入学。卒業後、横浜高等女学校勤務を経て、南洋庁国語編修書記の職に就き、現地パラオへ赴く。1942年3月に日本へ帰国。その年の『文學界2月号』に「山月記」「文字禍」が掲載。そして、5月号に掲載された「光と風と夢」が芥川賞候補になる。同年、喘息発作が激しくなり、11月入院。12月に逝去。

「2021年 『かめれおん日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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