- Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041105498
感想・レビュー・書評
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秘めた恋心とか、許されない想いとか、お上からの理不尽な処遇とか、話を盛り上げる要素満点。主人公の行動全てが納得のいくものではないが、興味がそれを上回っている。
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弓矢小町とお家騒動~有川将左衛門は父の代から勘定奉行を務めているため、扇野藩の弓術指南を遠慮しているが、日置流雪荷派を伝えるため娘の伊也に手ほどきを始めて12年になる。藩主となった千賀谷左京大夫晴家は江戸藩邸で家門を傾けるほどの放蕩を尽くし、諫めるために腹違いの兄で旗本に養子に出された新納左近25歳を招いたが、次席家老の渡辺兵部や側用人の三浦靫負らは高齢の丹生帯刀に取って代わろうと画策していて、有川が邪魔である。有川は左近の護衛役に大和流の樋口清四郎を使おうと次女の初音との縁談を進めるが、試合で立ち合った伊也と清四郎は引き合っており、通し矢で清四郎が伊也に敗れると、それを責められる始末で、謹慎を言いつけられる。大和流の師匠・磯谷八十郎は将左衛門に流派に伝わる夜討ちはないかと訪ねられ、素直に打ち明ける。清四郎と伊也の噂が次席家老側から流され、伊也は自宅で座敷牢に閉じ込められるが、格子を通して矢は射かけることができる。将左衛門は江戸藩邸の綱紀粛正のために江戸へ追いやられ、屋敷に匿う左近が襲撃されると見ると、伊也に撃退法を伝授して、清四郎を除く大和流四天王の河東・猪飼・武藤を伊也は斥けた。火矢を打ち込む敵を撃退するために、牢の錠を開けようとするときに初音は負傷するが、左近の見舞いを受け、左近の決意が語られる。襲撃は不躾に他流の技を聞き出そうとしたことによる武道争いにされ,<影矢>なる秘技もなかったことにされ,双方を率いる将左衛門と八十郎が立ち合うことを藩主より命じられたが,本来は大和流の清四郎は次席家老の家に忍び込んでなかった筈の<影矢>で師匠を射て目を覚まさせ,左近は馬庭念流の<矢留>で藩主の放つ矢を三度続けて落とす勝負を提案した。鉄砲組を控えさせることで勝負を受けた藩主・晴家は勝負に敗れ,左近の諌言を聞いたが,伊也と清四郎の罪を許せとの言葉には,伊也が一失もなく千本通しを達成することを求めた。伊也の補佐には清四郎が付いて心強いが,弓士の襲撃撃退時に筋を痛めており,湯治場で療養を行うが,この警護に将左衛門は弓術使いの八十郎を頼った。鉄砲で一行が襲われるという心配は的中し,清四郎が馬で駆けつけて事なきを得た。千通し祈願は,驟雨に襲われ,馬手の肉刺が切れて血だらけになりながらも最後には藩主も次席家老も応援して達成され,左近は初音に,清四郎は伊也に求婚して,藩主にも認められた~まあ何とも都合良く・・・予定調和に満たされていて・・・勧善懲悪だけでなく・・・悪も改心するという, おまけ付きで,めでたしめでたし。早蕨というのは余り関係ないかなあぁ
弓矢小町とお家騒動 -
この展開は作りすぎでしょ。
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扇野藩の重臣、有川家の長女・伊也は、藩の弓上手、樋口清四郎を負かすほどの腕前。競い合ううち清四郎に惹かれる伊也だったが、妹の初音に清四郎との縁談が。くすぶる藩の派閥争いが彼らを巻き込む。女性が主役でしたが、後半の武門に命をかける生き様は、鬼気迫るものがありました。
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弓士の話だけに、まっすぐな登場人物が多く、なかなかいい話ではあるが、ちょっとうまくまとまりすぎているかなという印象です。
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最近ちょっと雰囲気が変わってきた気がします。
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弓道と姉妹それぞれの愛の形と藩政の攻防、盛りだくさんの内容を清冽な空気の中にきれいにまとめて、すっきり着地。良かったです。
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一途な伊也に憧れます。
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女性でありながら弓矢小町と呼ばれるほどの弓の名手伊也が主人公。
彼女が密かに恋心を抱く他派の弓名手の清四郎は妹の初音の許嫁
個人の想いが思い通りに行かない時代小説ならではの恋愛小説。
最後は見事に爽やかにハッピーエンドに納まるのですが少し爽やかすぎるのが読み手によって好き嫌いが分かれるかもしれません。
葉室さんらしい作品だし個人的には好きなほうですがそれでもちょっと爽やかすぎるかな。