チョウセンアサガオの咲く夏

著者 :
  • KADOKAWA
3.12
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本棚登録 : 1340
感想 : 157
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041112472

感想・レビュー・書評

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  • ミステリー短編集、現代の話もあれば、歴史ものもあり、それぞれに読み応えがある。
    この人の作品は、よく架空の地名が出てくるが、何だかそこが気になって、のめりこめない時があるのかちょっと残念。
    2作ある「瞽女」の話は、初めて聞いたこともあり、切なくて印象に残った。

  • 短い短編集。連作でないとはいえ、おそ松くんのはここに入りますか…。

  • 11話からなる短編集。
    最初の話がちょっと恐い雰囲気の話だったので、全てそんな感じかと思ったら次の話は感動的な話。
    そして、不思議な話、皮肉な話と様々な印象の話がつまった短編集。

    「チョウセンアサガオの咲く夏」
    認知症の母親の介護をずっと続けている孝行娘の裏の顔。

    「泣き虫の鈴」
    奉公に出され、そこで虐められてつらい思いをしている泣き虫の丁稚が、瞽女の少女との出会いにより強く生まれ変わる話。

    「サクラ・サクラ」
    太平洋戦争時のパラオの現地人と日本兵の感動的な話。

    「お薬増やしておきますね」
    自分を精神科医と勘違いしている患者と精神科医のやりとり。

    「初孫」
    子供が欲しいと願う夫婦に待望の子供が生まれたが、夫はその子供が自分の子供ではないと疑問をもち、DNA鑑定を依頼する。その結果は・・・。

    「原稿取り」
    作者から預かった原稿を電車で盗まれた編集者の話。

    「愛しのルナ」
    ルナという美しい猫を育てている女性はその姿をネットで公開している。そこで賞賛のコメントを浴びた彼女はー。

    「泣く猫」
    自分を捨てた母親の葬式をとりおこなう女性。
    淋しい葬式に訪れたのは同僚だったというホステスの女性一人。

    「影にそう」
    2話目に登場した瞽女の少女の話。

    「黙れおそ松」
    漫画おそ松さんが登場。
    長男、おそ松が神様になりたいという願い。
    神様はおそ松がこれから何があってもしゃべらなければ願いを叶えると言う。

    「ヒーロー」
    恩師の葬式で再会した高校時代同じ柔道部だった三人。
    その内の一人は将来有望な柔道の選手で今は警察官だと言う。
    でも、会話の中で検察事務官の主人公はそれが嘘だと気づく。

    それほど厚みのない本に11話もの話が収録されているので、どれもそれほど長い話ではない。
    短いものだと数ページで終わる。
    そうなると、あっさり流したように書かれたものが多い印象だけど、この本はそんな事はなかった。
    どの話も芯が通ってると感じた。
    芯というのは作者のきちんとした考え方に基づいた話というか・・・。
    短いものなのに考えさせられたり、小さな感動があったり、構成の素晴らしさにうなったり・・・。
    個人的には2話目の「泣き虫の鈴」が良かった。
    「泣く猫」も何とも言えない余韻がある。
    まるで短いドラマを見ているようで、本当にこのままドラマに出来ると思う。
    最後の「ヒーロー」はなるほど、そういう考え方もあるか・・・と思った。
    こういう場合、真相を分からないままにするのが大人の対応を思うけれど、そうでない、本当に相手の今後の人生を思うのなら・・・と。
    この短編集は薄いし話はどれも短いけれど、内容は浅薄でなく厚みがあると思う。

  • 柚月作品は好きだが 長編のほうがよさそうだ

  • なんだこれ?
    あっという間に読んだけど
    あまりにもつまらない…
    こんなんでいいのか?

  • 2023/04/24予約 36(/13)
    短編集。
    表題作は読んだことがある気がした。
    でも代理ミュンヒハウゼン症候群を、的確に表していると思う。
    一番はヒーロー。
    佐方が検事だった若かりし頃の話。 
    「嘘の先には嘘しかありません。すべての人間を騙せても本人だけは自分が嘘を吐いていると分かっているから。世間を偽ることが出来ても、本人はずっと苦しむ。友人にそんな人生を送らせたいですか」
    嘘の理由を尋ねたことを後悔する検察事務官の増田が、佐方に言われた言葉。
    若くして、そんな事が言える佐方もいい、そして親友にきちんと尋ねることができた増田も素敵だ。
    佐方と増田の関係性が、理想的だと感じる。
    お互い認め合い尊敬し合う、なかなかできることではない。
    また佐方に会いたい。

  • いつもとちょっと違う短編集。
    ミステリーから、人情時代物はたまた
    びっくりのおそ松君まで多岐に渡る
    物語はそれぞれ面白く、余韻の残る作品
    として完結している。
    泣き虫の鈴は中々心に残る作品だった。
    柚木さんの時代物も読んで見たい気持ちに
    なった。

  • 柚月裕子さん、好きだけど、短編集だと、こんなもんかな。。

  • タイトル作をトップに、設定も雰囲気も異なる11作からなる短編集。
    さすがだなぁとうなるほど、それぞれの方向を向いた文章。さりとてどれもストーレートではなく、深く感じるものがある。

  • 短編集
    泣く猫 と ヒーロー がよかった

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚月裕子の作品

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